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「君を求う きみをこう」  作者: 旭 諭


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33/47

33.第30章

 少し離れたところにある、花屋に入っていった。

若い女性店員となにか話していた。小さな店なので、離れたところから、気づかれないように見ていた。

ギフトを選んでいるようだった。

通常なら、こんな他人の行動なんか、気にもならないけど、

彼女のマンションでの、おかしな行動を見たからには、

すべてが気になった。ここでも、満足気、嬉しそうに男が出てきた。

さらに後をつけようと思ったが、何をしたか気になったので、

店に入ってみることにした。

中年の女性と、若い女性店員がいた。


さっき男が見ていた商品に近づいて行って、眺めていたら、

定員が尋ねてきた。

「何か?お探しですか?」

僕が「ちょっと、女性に花でも贈ろうかなと思って」適当に答えた。

「そうですか。では、ご案内いたしましょうか?」

「ちょうど、今、お客さまの前にある商品が人気ですよ」

「さっきも男性のお客さまが、女性にプレゼントとおっしゃって、

購入されたばかりですよ」屈託の無い笑顔で説明された。

「へぇ~そうなんですね」俺が、白々しく答えた。

「これは、何ですか?」と聞くと、

「フラワーソープ」と言う商品です。「お手入れ簡単で、長持ちする商品です」

「今、人気の商品ですよ」

僕が「もしかして、郵送とかできたりしますか?」と聞くと、

「はい。できますよ」「ほんとに、つきさっきのお客さまもそうされたばかりです」

聞いてもないのに、女性店員は、ペラペラしゃべってくれた。

他意は無い、接客の一環なんだろう。

「ご丁寧にありがとうございます。色々、説明して頂いて」

俺は、よそ行きの笑顔で女性店員に、お礼を伝えた。

笑顔には自信はあった。好印象を与えたようだ。


「もう一度考えてみますね」女性店員に伝えた。

「ありがとうございます」

「またのご来店をお待ち申し上げます」

女性店員が、深々を頭を下げた。


店を出たら、あいつの姿はなかった。


推測の域は出ないが、おそらく「花」を

彼女に贈ったのだと思う。

あいつと彼女の関係性はわからないが、

あの行動からすると、通常では、絶対にしない事を

あいつはやっているのだと思う。

そう思える理由に、彼女は何度か、同じようなトラブルがある。

家まで、来るのは異常だが。。。

「まぁ~あの仕事の内容から、すれば、男をその気にさせるには、

十分だしな。。。」

「男を引き寄せる動物的なフェロモンを彼女自身も意識しないで、

出しているんだろな。。。」

「俺も吸い寄せられた。彼女の柔らかな笑みからの奥。性的な匂い。。」

「ダメだ、勃起してきたわ。こんな道端で」

俺は独り言をいいながら、歩いていた。


少々危険は伴うが、これは使えると、

俺は閃いた。明日ぐらいに、何回か、

適当に理由をつけて、彼女に連絡をとってみよう。

必ず何か動きはあるはすだ。

少しぼやけてるいるが、

あいつの写真もとっておいた。

隠し撮りだから、役には立たないかもしれないけど。


会社には、「親に死にかけてもらうか?」なんかで、

理由をつけて、長期休暇をもらおう。これが1番手っ取り早ばやい。

そうと決まれば、忙しくなるな。

たしか、あいつ金持ちで、タワーマンションに住んでたんだよな。

子どものころ、いいなとか話してた気がする。ちょっと行ってみるか?


俺は、子どもころから、この地域に住み続けている。

小、中、高、とほぼ、この地域だ。

そして今は、配達の仕事をしているせいか、

土地勘については、人一倍、強いほうだ。


なんか、楽しくなってきたな。

俺は笑みがこぼれていた。

さっきの女性店員に向けての、

あんな薄っぺらい、よそ行き顔ではなく、

心から溢れる笑み。

きっと悪い顔をしてるだろうなと、自分ごとながら思った。


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