33.第30章
少し離れたところにある、花屋に入っていった。
若い女性店員となにか話していた。小さな店なので、離れたところから、気づかれないように見ていた。
ギフトを選んでいるようだった。
通常なら、こんな他人の行動なんか、気にもならないけど、
彼女のマンションでの、おかしな行動を見たからには、
すべてが気になった。ここでも、満足気、嬉しそうに男が出てきた。
さらに後をつけようと思ったが、何をしたか気になったので、
店に入ってみることにした。
中年の女性と、若い女性店員がいた。
さっき男が見ていた商品に近づいて行って、眺めていたら、
定員が尋ねてきた。
「何か?お探しですか?」
僕が「ちょっと、女性に花でも贈ろうかなと思って」適当に答えた。
「そうですか。では、ご案内いたしましょうか?」
「ちょうど、今、お客さまの前にある商品が人気ですよ」
「さっきも男性のお客さまが、女性にプレゼントとおっしゃって、
購入されたばかりですよ」屈託の無い笑顔で説明された。
「へぇ~そうなんですね」俺が、白々しく答えた。
「これは、何ですか?」と聞くと、
「フラワーソープ」と言う商品です。「お手入れ簡単で、長持ちする商品です」
「今、人気の商品ですよ」
僕が「もしかして、郵送とかできたりしますか?」と聞くと、
「はい。できますよ」「ほんとに、つきさっきのお客さまもそうされたばかりです」
聞いてもないのに、女性店員は、ペラペラしゃべってくれた。
他意は無い、接客の一環なんだろう。
「ご丁寧にありがとうございます。色々、説明して頂いて」
俺は、よそ行きの笑顔で女性店員に、お礼を伝えた。
笑顔には自信はあった。好印象を与えたようだ。
「もう一度考えてみますね」女性店員に伝えた。
「ありがとうございます」
「またのご来店をお待ち申し上げます」
女性店員が、深々を頭を下げた。
店を出たら、あいつの姿はなかった。
推測の域は出ないが、おそらく「花」を
彼女に贈ったのだと思う。
あいつと彼女の関係性はわからないが、
あの行動からすると、通常では、絶対にしない事を
あいつはやっているのだと思う。
そう思える理由に、彼女は何度か、同じようなトラブルがある。
家まで、来るのは異常だが。。。
「まぁ~あの仕事の内容から、すれば、男をその気にさせるには、
十分だしな。。。」
「男を引き寄せる動物的なフェロモンを彼女自身も意識しないで、
出しているんだろな。。。」
「俺も吸い寄せられた。彼女の柔らかな笑みからの奥。性的な匂い。。」
「ダメだ、勃起してきたわ。こんな道端で」
俺は独り言をいいながら、歩いていた。
少々危険は伴うが、これは使えると、
俺は閃いた。明日ぐらいに、何回か、
適当に理由をつけて、彼女に連絡をとってみよう。
必ず何か動きはあるはすだ。
少しぼやけてるいるが、
あいつの写真もとっておいた。
隠し撮りだから、役には立たないかもしれないけど。
会社には、「親に死にかけてもらうか?」なんかで、
理由をつけて、長期休暇をもらおう。これが1番手っ取り早ばやい。
そうと決まれば、忙しくなるな。
たしか、あいつ金持ちで、タワーマンションに住んでたんだよな。
子どものころ、いいなとか話してた気がする。ちょっと行ってみるか?
俺は、子どもころから、この地域に住み続けている。
小、中、高、とほぼ、この地域だ。
そして今は、配達の仕事をしているせいか、
土地勘については、人一倍、強いほうだ。
なんか、楽しくなってきたな。
俺は笑みがこぼれていた。
さっきの女性店員に向けての、
あんな薄っぺらい、よそ行き顔ではなく、
心から溢れる笑み。
きっと悪い顔をしてるだろうなと、自分ごとながら思った。




