28.第25章
知らない男性が彼女の部屋を訪れた。
チャットで部屋にログインしたのではなく
実際に彼女の住まいを訪れた。
僕のプレゼントが届く前に、彼女の部屋を見ながら
電話をしていた男性だった。
彼女はシングルマザーのはず?だった。
知り合いなのか?恋人なのか?もしかしたら、
離婚した相手かも?しれない。
チャットでも、彼女のまわりは、男だらけだ。
それが仕事なのだから、あたりまえだ。
チャット以外でも、男が存在した。
僕は落胆した。
「知りたくない点数」
「結果の悪い」答案が返却された気分だった。
しばらくして、窓際に僕の贈った「カーネーション」を
彼女と男性が一緒に見ていた。何か話して、その場を離れた。
することが無くなったので、パソコンを開けた。
彼女からメッセージがきている。
「お元気ですか?」と短いメッセージだった。
チャットの誘いでは無いで、ただの問い?
なんて返信をしたらいいか、僕はわからなくなった。
プレゼントを彼女に贈って、受け取ってもらった、
直後の僕なら、喜んで返信しただろう。
でも今の僕は、確実に心境の変化があった。
僕は返信するのを「止めた」
そういえば寝て無いな。僕が、少しウトウトしていたら、
子供が帰ってきた。元気よく、ドアを開けていた。
3人が部屋から出てきた。
さっき窓際で見た彼女の顔は、少し青白い「沈んだ表情」
男性の方も、真剣な眉間に「しわの寄った表情」
でも今は、子供も含め3人とも「笑顔」「幸せな家族」だった。
この男性は「父親」僕は確信した。
「手を繋いで」3人が歩いて行った。
僕が妄想した姿。しかし、僕はそこには「いない」「存在しない」
手を繋ぐ父親は、僕の役目だった。「突きつけられた現実」
やつが、ささいた。僕に冷たく囁いた。
「急がないといけないな」「行動を起こせ」
僕は「はい」と答えた。
プレゼントを受け取ってもらえた時、
僕はもう「行動を起こすのを止めよう」とも思っていた。
やつ「影」ではない、表現が難しいけど、
「第三の僕」が
「もういいだろ。もうわかっているだろう」
「彼女をこれ以上、悲しませない方がいい」
「今なら元通り。後戻りできる」
「貴方は成長した。影に翻弄されるな!」「決別せよ!」
やつのような「冷淡な言葉」でなく、
「暖かい」寄りそうような、語り掛けだった。
僕はその通りにしようと思っていた。そうさっきまでは。。。
僕は、3人が彼女の部屋を離れて行くのを確認して、
すぐに彼女の部屋に向かった。2階のカド部屋。
カメラ越しに見ていた時、彼女が朝、洗濯物を干した後、
「鍵」をしていない事を、僕は知っていた。
朝から、マンションの下にトラックが路駐しているのを知っていた。
トラックをよじ登って、ベランダから彼女の部屋に「侵入」した。
よく整頓された、綺麗な部屋だった。彼女の匂いは感じなった。
やつが「早くしろ」「グズグズするな」「素早くな」
影は容易周到なやつだった。「これで彼女の生の声が聞こえるな」
「リビング」「彼女の部屋と思えるパソコンのある部屋」
「浴室も忘れるなよ」「お前も好きだろ」
ニヤニヤしながら、やつが言った。
あるものを仕掛けた。もう暴走だった。。。どうにでもなれ。。。
完全な「後戻りのできない」行動。
「第三の僕」が「もう破滅だ。。。」嘆いたのを遮るように
「影」が満足そうに「よくやった。お前は出来るやつだ!」
「そうそう、せっかくだから、戦利品も貰っていくか?」
やつが嬉しそう言った。「影の暴走」「いいなりの僕」
窓際に置かれた「カーネーション」が虚しく見えた。「虚無の僕が見えた」
二度と彼女からの「おはよ~」柔らかな笑顔、微笑みには戻れない。
ベランダから、彼女の部屋を出るときに、ふっと思った。
そう、彼女の声が聞こえた。
「お元気ですか?」の、メッセージに隠された彼女の想い!声が聞こえた。。。。
もう終幕は近いです。




