25.第22章
「画面越し」の彼女では無い「窓越し」の彼女。
すぐそこに、手の届きそうな距離に彼女が
いる喜びは、まるで夫婦でいるような
気分だった。結局、部屋の電気が消えるまで、
カーテンが閉まるまで、眺めて続けた。
夜は、やつが話しかけてくるけど、
今日は何も言ってこなかった。
朝になり、お子さんがを送り出した後、
彼女がゴミ袋を持って、表に出てきた。
ジーンズ、薄手のカーディガン
最初に見たときと同じだった。
僕が妄想した「家族の姿」でも、
彼女は、ジーンズを履いていた。
思えば、母はジーンズが多かった。
そして、ベランダで洗濯物を干す姿。
少し疲れた表情だった。
プレゼントは、午前中に届くよう依頼した。
この分だと、受け取ってもらえそうだ。
彼女は
だいたい決まった時間にチャットする。
そろそろ、ログインするはずだった。
カメラレンズから、
パソコンの画面越しの彼女に切り替わる。
どちらも、美しかった。
なにか考え事をしてるような感じのだった。
ぼーっと画面を見つめていた。
僕が見ている事をまるで知ってるいるかのように、
じっとこちらを見ていた。
彼女がキーボードを操作して、
ログアウトした。僕はカメラに戻った。
少し時間が立ってから
宅配便業者が、やってきた。
「いよいよだ」「ドキドキした」
宅配便業者が来る前に、気になった事があった。
男性が彼女の部屋あたりを見ながら、
携帯電話で話していた。
気のせいだろうか?
やつが言った。
彼女の周りの男は
「俺とお前の2人、そして最後は1人でいいと」
すべて「排除」だな。また、忙しくなるな。
メッセージカードをつけた。
僕が贈ったとわかると思う。
喜んでもらえるだろうか?
あの少し、疲れた表情が笑顔になるだろうか?
僕は不安になった。
今すぐ、聞きたくなった。勇気は無いけど。
窓際に僕の贈った、「カーネーション」
が置かれた。メッセージカードも一緒に。
僕は喜んだ。嬉しかった。
これで「次の行動に移せるな」
「この数日間、お前は、よくやったな」
「俺とお前は常に、ひとつだ忘れるなよ」
影のやつが、薄ら笑いで話かけてきた。
僕は影の声にビクッと冷たい「何か?」を
感じたけど、「はい」と返事をした。




