学校
数十分後。
通学路。
剣也と佐藤が並んで歩いていた。
佐藤はまだ納得していない顔をしている。
「いや絶対おかしいだろ。」
「銀髪の美少女と水色ロリが家にいる高校生ってなんだよ。」
剣也がだるそうに答える。
「親戚。」
「雑すぎるだろ。」
佐藤が頭を抱える。
「しかも片方エプロンだったぞ。」
「家事担当。」
「設定盛るな。」
剣也は適当に流す。
朝の住宅街。
学生たち。
車。
普通の日常。
数日前まで、
地下で怪物と戦っていたとは思えない。
だが。
剣也はふと足を止める。
「……?」
佐藤が振り返る。
「どうした。」
一瞬だけ。
視界の端。
電柱の向こう。
白い“目”。
ノイズ。
剣也が目を細める。
だが次の瞬間には消えていた。
「……いや。」
「なんでもねぇ。」
学校へ到着。
教室。
ガラガラと扉を開ける。
「おー神島。」
「久々じゃん。」
「生きてたか。」
クラスメイトたちが適当に反応する。
剣也は席へ座る。
日常。
普通。
平和。
そのはずだった。
女子たちの会話が聞こえる。
「白羽駅の事故ヤバかったよねー。」
「ガス爆発なんでしょ?」
「監視カメラ壊れてたらしいよ。」
剣也は黙って窓の外を見る。
青空。
でも。
空の一部が、
ほんの一瞬だけ“白く滲んだ”。
「……。」
剣也が目を細める。
その時。
教室の後ろ扉が開いた。
担任が入ってくる。
「はい席つけー。」
その後ろ。
見知らぬ男子生徒。
灰色の短髪。
気怠そうな目。
教室がざわつく。
担任が黒板を軽く叩く。
「転校生だ。」
剣也の表情が止まる。
男子生徒が面倒そうに口を開く。
「……黒瀬湊。」
「よろしく。」




