いつもの朝
数日後。
白羽市。
朝、窓から差し込む光。
静かな住宅街。
そして。
「……せまい。」
神島家リビング。
ルナがソファの端で小さく呟いた。
原因は明白だった。
リア。
ルナ。
剣也。
全員いる。
しかも。
「剣也、朝食です。」
リアがエプロン姿で皿を置く。
その横で、
ルナが剣也の袖を掴んでいる。
「……離れない。」
リアの視線が冷える。
「ルナ。」
「近すぎます。」
「……やだ。」
剣也が頭を抱える。
「朝から何してんだお前ら……。」
テーブルには、
意外とちゃんとした朝食が並んでいた。
味噌汁。
焼き魚。
卵焼き。
リアが淡々と言う。
「栄養バランスを考慮しています。」
剣也が箸を取る。
「普通にうめぇんだよな……。」
ルナもじーっと見る。
「……たべる。」
「はい。」
リアが茶碗を渡す。
少し前まで、
戦闘用ドール同士だったとは思えない光景だった。
その時。
ピンポーン。
インターホン。
剣也が立ち上がる。
「誰だよ朝から……。」
玄関を開ける。
そこには、
制服姿の男子高校生。
「あ。」
「神島、お前生きてたんだな。」
佐藤だった。
剣也が顔をしかめる。
「第一声それかよ。」
佐藤は苦笑する。
「いや、数日学校来てなかったし。」
「白羽駅の方も封鎖されてたからさ。」
白羽市では、
先日の霊災騒動が“ガス爆発事故”として処理されていた。
当然。
一般人は真実を知らない。
佐藤がふと家の奥を見る。
そして固まった。
「……え。」
リビング。
エプロン姿の超美人銀髪少女。
無表情水色ロリ。
二人ともこっち見てる。
沈黙。
佐藤がゆっくり剣也を見る。
「……お前。」
「何?」
「なんで美女とロリと同棲してんの?」
剣也が真顔で返す。
「説明すると長い。」
ルナが小さく手を挙げる。
「……保護対象。」
佐藤がもっと混乱した。
「待て待て待て待て。」




