暴走
地下隔離区画。
警報が鳴り響く。
赤色灯。
ノイズ。
振動。
ルナの背後で、
水色のリングが高速回転していた。
空間が裂ける。
黒い亀裂。
その奥に、
白い霧が見える。
リアが即座にルナを拘束しようとする。
「リング停止を優先!」
だが。
近づいた瞬間。
バチィッ!!
空間断裂。
リアの腕部装甲が切断される。
「ッ……!」
エレナが青ざめる。
「防御無視……!?」
「空間ごと切ってる!」
ルナは苦しそうに頭を押さえている。
「……や……。」
『――零番目』
『――接続維持』
知らない声が響く。
リングの中心に、
白い“目”が浮かぶ。
暁が舌打ちした。
「深層側がリング経由で干渉してきてる!」
剣也が前へ出る。
「ルナ!!」
ルナの瞳が揺れる。
だが。
ノイズが強い。
空間がさらに歪む。
天井が裂ける。
壁が切断される。
エレナが叫ぶ。
「このままだと区画ごと崩壊する!!」
モニター越しの湊が低く言った。
「剣也。」
剣也が振り向く。
湊は真面目な顔をしていた。
「今すぐ共鳴しろ。」
「ABELの残留干渉を上書きする。」
剣也が眉をひそめる。
「そんなので――」
「いいからやれ!」
湊が怒鳴る。
「零番目は“保護対象”への命令を優先する!」
「ならお前の声で引き戻せ!!」
ルナのリングがさらに発光する。
白い霧。
巨大な目。
『――回帰を推奨』
ルナが苦しそうに呟く。
「……こわい。」
剣也が即座にルナの手を掴む。
「ルナ!」
霊装が共鳴。
蒼白の光。
リングの水色と衝突する。
空気が震える。
ルナの瞳が少し戻る。
剣也が叫ぶ。
「戻って来い!!」
「お前はそっちじゃねぇだろ!!」
その瞬間。
リング中心の“目”へ亀裂が走る。
『――干渉拒否』
『――観測エラー』
水色の光が爆発。
轟音。
次の瞬間。
リング回転停止。
ルナがそのまま剣也へ倒れ込んだ。




