共鳴領域
蒼白の粒子が空間を漂う。
まるで雪みたいに。
剣也の霊装が低く唸る。
今までとは違う。
出力じゃない。
“繋がり”そのものが変質していた。
リアもそれを理解している。
「……同期率上昇。」
「霊子経路、再構築。」
リアの損傷部から漏れていた火花が止まる。
蒼白の光が傷口を覆っていく。
エレナが端末を見て固まる。
「自己修復……?」
「そんな機能、現行機にないわよ……!」
暁が目を細める。
「いや。」
「これは機体性能じゃねぇ。」
「剣也との共鳴だ。」
ABELが二人を見る。
赤い光が脈動する。
【 未確認同期反応 】
【 脅威判定上昇 】
巨大な白い目も揺れる。
『――観測不能』
『――誤差発生』
リアが静かに剣也へ言う。
「今なら、ABELの干渉へ対抗できます。」
「ですが長時間は危険です。」
剣也が笑う。
「いつも通りだな。」
リアもほんの少しだけ目を細めた。
次の瞬間。
ABELが動く。
轟音。
一直線。
今までより速い。
だが。
剣也には“見えた”。
「右。」
リアが即座に反応。
横回避。
ABELの拳が空間ごと壁を粉砕する。
エレナが目を見開く。
「未来予測……!?」
リアが即座に否定。
「違います。」
「感覚共有です。」
剣也とリア。
視界。
反応。
位相感知。
全てが一部繋がっている。
ABELが追撃。
リング展開。
空間切断。
剣也が踏み込む。
「リア!」
「はい!」
完全同時。
リアの光刃。
剣也の霊装刃。
二つの斬撃が交差する。
ABELの空間斬撃が、
初めて押し返された。
轟音。
地下区画が揺れる。
【 出力上昇を確認 】
ABELの赤い光が強くなる。
【 対抗個体認定 】
【 殲滅優先度変更 】
その瞬間。
巨大な白い目が再び脈動した。
『――観測更新』
『――神島剣也』
『――適合率、予測値超過』
空気が変わる。
真白の顔色が変わった。
「……まずい。」
暁が見る。
「どうした。」
真白は剣也を見ていた。
「“向こう側”が、剣也を認識し始めてる。」




