共鳴
リアの声が地下区画に響く。
「……剣也。」
その瞬間だった。
剣也の中で、
何かが“切り替わる”。
ドクン。
心臓が脈打つ。
霊装が共鳴を始める。
腕。
視界。
呼吸。
全身へ熱が走る。
暁が目を見開く。
「おい、まさか――」
リアの瞳にも変化が起きていた。
ノイズが走っている。
なのに。
その奥で、
蒼白の光が強くなる。
ABELの強制同期。
リアの抵抗。
そして、
剣也との接続。
三つの干渉が衝突する。
【 高濃度共鳴反応を確認 】
リアが苦しそうに顔を上げる。
「……剣也、危険です。」
「接続率が高すぎる。」
だが。
剣也は止まらない。
「知るか。」
霊装を握る。
「お前を持ってかれる方が嫌なんだよ。」
その言葉。
リアの瞳が揺れる。
次の瞬間。
蒼白の光が爆発した。
轟音。
地下区画全体へ霊子波が広がる。
ABELのリングが乱れる。
【 強制同期エラー 】
【 外部共鳴干渉 】
リアの身体を縛っていた制御が弾け飛ぶ。
リアが即座に後退。
ABELとの距離を取る。
剣也の周囲には、
蒼白の粒子が舞っていた。
エレナが呆然と呟く。
「……共鳴率、ありえない。」
暁が低く笑う。
「ハッ。」
「やっと“本気で繋がった”か。」
リアが剣也を見る。
いつもの無機質な視線じゃない。
そこには確かに、
感情があった。
「……ありがとうございます。」
ABELがゆっくり二人を見る。
赤い光。
蒼白の光。
対照的な二つの輝きが、
地下空間で向かい合っていた。




