表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Phantom Zero  作者: 高槻 和真


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
53/77

殲滅機構

ABELの背部リングが一斉に展開される。


黒い輪が空中へ浮かび、


地下区画を囲むように広がった。


【 対位相殲滅モード起動 】


低い駆動音。


空気が重くなる。


侵食体の群れが咆哮を上げる。


巨大化した個体。


四足。


人型。


顔だけが異常に増殖したもの。


一斉に突撃。


その瞬間。


リングが発光した。


空間が“切れる”。


轟音。


侵食体の群れがまとめて両断された。


壁ごと。


空間ごと。


剣也が思わず顔を引きつらせる。


「威力バグってんだろコレ……!」


エレナも呆れている。


「旧世代なのに出力が現行機の比じゃない……!」


ABELは止まらない。


リングが回転。


次々に空間切断を放つ。


侵食体が消し飛ぶ。


再生する暇すらない。


巨大な白い目が揺れる。


『――TYPE:00』


『――制御不能確認』


ABELがゆっくり巨大な目を見上げる。


【 敵性存在認定 】


【 排除を開始 】


次の瞬間。


ABELが跳躍した。


地下区画を突き破る勢いで加速。


巨大な白い目へ突撃。


轟音。


白い目の表面へ拳が叩き込まれる。


空間が歪む。


ノイズ。


悲鳴のような振動。


『――――!!』


今まで無感情だった“向こう側”が、


初めて苦痛のような反応を見せた。


剣也が目を見開く。


「効いてる……!?」


リアが解析する。


「ABELの兵装は通常霊装と異なる。」


「位相そのものへ直接干渉しています。」


つまり。


“向こう側”に対して特攻。


巨大な白い目が激しく点滅。


『――危険』


『――危険』


地下空間全体が崩壊を始める。


暁が叫ぶ。


「施設ごと落ちるぞ!!」


天井崩落。


警報。


火花。


エレナが出口を指す。


「急いで!」


剣也がルナの手を掴む。


「行くぞ!」


ルナが振り返る。


ABELはまだ戦っていた。


巨大な白い目を押さえ込み、


侵食体を破壊し続けている。


その姿はまるで、


誰かを守るためだけに作られた兵器みたいだった。


ルナが小さく呟く。


「……ABEL。」


その瞬間。


ABELが一瞬だけ振り返る。


顔はない。


表情もない。


それでも。


なぜか。


“安心しろ”と言ったように見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ