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侵入領域

白羽市外縁。


山間部。


人の手が入らなくなって久しい区域。


「ここか。」


剣也が立ち止まる。


目の前には、ただの森。


施設なんて見えない。


リアが端末を見る。


「座標は一致。」


ルナが一歩前に出る。


「……ある。」


短く言う。


そのまま手を伸ばす。


何もない空間に触れる。


――歪む。


薄い膜のようなものが現れる。


「結界……じゃねえな。」


剣也が言う。


リアが補足する。


「位相隠蔽。外部から認識できない構造。」


ルナがそのまま押し込む。


「……開く。」


膜が裂ける。


暗い通路が現れる。


人工物。


だが、生き物のようにも見える。


「気持ち悪ぃな。」


剣也が笑う。


「行くぞ。」


内部。


静か。


音が吸われる。


床は金属。


だがわずかに脈打っている。


「……生体素材。」


リアが呟く。


「一部に霊的組成を確認。」


剣也が肩を回す。


「ほんと趣味悪いな。」


ルナは周囲を見ている。


「……記録、なし。」


つまり――


「初めての構造。」


通路が分岐する。


三方向。


リアが即座に解析。


「全て同一反応。」


「誘導の可能性。」


剣也が笑う。


「迷路かよ。」


ルナが一歩前に出る。


目を閉じる。


「……流れ。」


小さく呟く。


空気の“流れ”ではない。


霊的な“流れ”。


目を開ける。


「……こっち。」


左を指す。


剣也が即決。


「それでいい。」


進む。


数分。


敵は出ない。


逆に不自然。


「……静かすぎる。」


リアが言う。


その瞬間。


床が沈む。


「っ!」


空間が変形する。


壁が動く。


通路が閉じる。


「来たな。」


剣也が構える。


現れる。


ドール。


だが今までと違う。


白。


無機質。


顔に表情がない。


だが――


“人に近い”。


「……上位個体。」


リアが警告する。


「戦闘能力、不明。」


ドールが口を開く。


「侵入者、確認。」


声は感情がない。


だがどこか“柔らかい”。


「排除……ではない。」


一拍。


「試験、開始。」


動く。


速い。


剣也が反応。


斬る。


――当たらない。


「消えた!?」


次の瞬間。


背後。


「っ!」


衝撃。


吹き飛ばされる。


リアが即座にカバー。


「速度が異常!」


ルナが前に出る。


視線で追う。


「……見える。」


小さく言う。


動く。


タイミングを合わせる。


触れる。


――弾かれる。


「……無効。」


初めて。


明確な拒絶。


ドールが言う。


「干渉、確認。」


「適応開始。」


その瞬間。


ルナの干渉パターンに“対応”してくる。


「学習してる……!」


リアが言う。


剣也が笑う。


「めんどくせえな!」


突っ込む。


フェイント。


タイミングをずらす。


一撃。


今度は当たる。


浅い。


だが効く。


「よし!」


リアが連携。


位相を合わせる。


「今!」


同時攻撃。


ドールが初めて後退する。


「……損傷、軽微。」


だが止まる。


観測している。


三人を。


「……三体構成。」


起点と同じ評価。


ルナが一歩前に出る。


「……変える。」


呟く。


干渉方法を切り替える。


一点集中。


触れる。


今度は――


通る。


内部から崩壊。


ドールの腕が消える。


「……適応、遅延。」


ルナが言う。


剣也が笑う。


「そこだ!」


一気に距離を詰める。


リアも同時。


連携。


三方向。


ドールが対応しきれない。


一瞬の隙。


剣也の一撃が入る。


核心に。


静止。


そして、


崩れる。


完全に。


静寂。


剣也が息を吐く。


「……強えな。」


リアが周囲を確認。


「他反応なし。」


ルナは崩れた残骸を見る。


「……まだいる。」


確信。


その時。


通路の奥。


扉が開く。


自動で。


誘導するように。


剣也が笑う。


「お出迎えかよ。」


リアが言う。


「罠の可能性、高。」


ルナはその奥を見る。


「……でも。」


一拍。


「……行く必要がある。」


剣也が前に出る。


「決まってんだろ。」


リアも並ぶ。


ルナも。


三人で。


扉の向こう。


さらに深い領域。


空気が変わる。


ここから先は――


“中枢

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