銀ブラ♪
「……潤。お前、それ四個目だぞ。胃袋どうなってんだよ! 悟◯か!?もしくは◯フィか!?」
マサが、呆れを通り越して恐怖すら感じているような顔で俺を見た。
Uberせず
場所は有楽町近くのケンタッ◯ー。
「んぐっ。……今、なぜか食欲が止まらねーんだよ」
俺は骨までしゃぶる勢いでチキンを胃に流し込む。
朝マックの残骸を抱えたまま、追い打ちをかけるような脂の暴力。だが、この「重み」がないと、下腹部を走り抜ける鈍痛に意識を持っていかれそうなのだ。
『あはは! ジュンチン、食べっぷり最高w! さ、そろそろ繰り出そうよ♪ 行きたいとこあるから妾を連れてけ♪』
エナエマが鼻歌まじりに俺の肩を叩く。
燃料補給(暴飲暴食)を終えた俺たちは、とりあえず中央通りを目指して歩き出した。
「わあ……! 中央通り、特に人が多いですわ!」
桜子が清楚な笑顔で街を仰ぐ。その後ろで、俺は一歩踏み出すごとに、奥歯を噛み締めていた。
(……一歩。……また一歩。……今、腹痛が……っ! くっ)
「……おい、潤。やっぱりお前、歩き方変だぞ。トイレか? 女子トイレはまずくないか? お前、中身男だし」
マサが、無神経に俺の顔を覗き込んできた。
「……ッ!! 確かに……!!」
今の俺は完璧なギャルだが、精神は「大和の民」を自負する硬派な男子だ。女子トイレという聖域に足を踏み入れるなど、死んでも無理だ……!?
「まあ、でも男女兼用のとこあるだろ!」
マサは適当に言いながら、俺と桜子、そして姉貴を従えて歩く自分の立場を、周囲の男たちからどれほど「殺意」を持って見られているか、1ミリも気づいていない。
側から見れば、マサ、爆美女の姉貴、お嬢様の桜子、そしてギャルの俺。
完全にハーレム状態だ。
その時、ショーウィンドウに自分の姿が映った。
真っ白な肌に、姉貴が仕上げた完璧な眉、ファンデ、リップにグロス。
(……あ。……俺、マジでギャルだな……)
改めて自分の「完成度」に思考が停止した。
だが、そこからの時間は本当の地獄だった。
「ねえ、さっきの店、やっぱりもう一回戻ってもいい?」
「ええ、あちらのリップの方が肌に馴染む気がしますわ」
姉貴と桜子、同じ店を何度も行ったり来たりするんだな!?
「さっき見た服」をもう一度確認するだけの往復。その一歩ごとに俺のナプキンのカサカサ音(自称)が響き、慣れない感覚にHPが削られていく感覚。っていうか買い物、長すぎ……泣。
「……ちょっと、休憩しない!?」
俺は悲鳴に近い声を上げた。
【数寄屋橋近く・サイ◯(2階)】
ようやく数寄屋橋交差点からサイ◯へ
けっこう並んでたがスムーズに案内され
サイゼの椅子に腰を下ろす。
「ドカッ」と男らしく座りたいのを、姉貴の冷たい視線で制され、しとやかに座る。
(……ようやく。ようやく座れた。……椅子、最高……)
サイ◯の椅子にもたれ、一息つく。だが、そこには新たな絶望が待っていた。
『潤子ちゃん、喉渇いたーw。ドリンクバー、お願い♪』
(……ドリンクバー。……あの、数メートル先にある、蛇口。今の俺には、富士山山頂より遠いんだけど……ッ!)
立ち上がるたびに襲う「ドバッといきそう」な恐怖。
そして、歩くたびに股間から聞こえる(気がする)カサカサ音。
俺はドリンクバーの機械を、この世で最も憎々しい目で睨みつけた。
潤の「女子リスペクト」は深まるが、今はとりあえず休まりたい。
だが、銀座のサイゼで再度、俺は暴食の渦に飲み込まれることになる――。
「……おい、マサ。……ドリンクバー、手伝って……(震え声)」
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