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天狗✖️ギャル天女  作者: 抹茶ラテ


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9/76

銀ブラ♪

「……潤。お前、それ四個目だぞ。胃袋どうなってんだよ! 悟◯か!?もしくは◯フィか!?」


マサが、呆れを通り越して恐怖すら感じているような顔で俺を見た。

Uberせず

場所は有楽町近くのケンタッ◯ー。


「んぐっ。……今、なぜか食欲が止まらねーんだよ」


俺は骨までしゃぶる勢いでチキンを胃に流し込む。

朝マックの残骸を抱えたまま、追い打ちをかけるような脂の暴力。だが、この「重み」がないと、下腹部を走り抜ける鈍痛に意識を持っていかれそうなのだ。


『あはは! ジュンチン、食べっぷり最高w! さ、そろそろ繰り出そうよ♪ 行きたいとこあるから妾を連れてけ♪』


エナエマが鼻歌まじりに俺の肩を叩く。

燃料補給(暴飲暴食)を終えた俺たちは、とりあえず中央通りを目指して歩き出した。


「わあ……! 中央通り、特に人が多いですわ!」


桜子が清楚な笑顔で街を仰ぐ。その後ろで、俺は一歩踏み出すごとに、奥歯を噛み締めていた。


(……一歩。……また一歩。……今、腹痛が……っ! くっ)


「……おい、潤。やっぱりお前、歩き方変だぞ。トイレか? 女子トイレはまずくないか? お前、中身男だし」


マサが、無神経に俺の顔を覗き込んできた。


「……ッ!! 確かに……!!」


今の俺は完璧なギャルだが、精神は「大和の民」を自負する硬派な男子だ。女子トイレという聖域に足を踏み入れるなど、死んでも無理だ……!?


「まあ、でも男女兼用のとこあるだろ!」


マサは適当に言いながら、俺と桜子、そして姉貴を従えて歩く自分の立場を、周囲の男たちからどれほど「殺意」を持って見られているか、1ミリも気づいていない。

側から見れば、マサ、爆美女の姉貴、お嬢様の桜子、そしてギャルの俺。

完全にハーレム状態だ。


その時、ショーウィンドウに自分の姿が映った。

真っ白な肌に、姉貴が仕上げた完璧な眉、ファンデ、リップにグロス。


(……あ。……俺、マジでギャルだな……)


改めて自分の「完成度」に思考が停止した。

だが、そこからの時間は本当の地獄だった。


「ねえ、さっきの店、やっぱりもう一回戻ってもいい?」

「ええ、あちらのリップの方が肌に馴染む気がしますわ」


姉貴と桜子、同じ店を何度も行ったり来たりするんだな!?

「さっき見た服」をもう一度確認するだけの往復。その一歩ごとに俺のナプキンのカサカサ音(自称)が響き、慣れない感覚にHPが削られていく感覚。っていうか買い物、長すぎ……泣。


「……ちょっと、休憩しない!?」


俺は悲鳴に近い声を上げた。




【数寄屋橋近く・サイ◯(2階)】


ようやく数寄屋橋交差点からサイ◯へ


けっこう並んでたがスムーズに案内され

サイゼの椅子に腰を下ろす。

「ドカッ」と男らしく座りたいのを、姉貴の冷たい視線で制され、しとやかに座る。


(……ようやく。ようやく座れた。……椅子、最高……)


サイ◯の椅子にもたれ、一息つく。だが、そこには新たな絶望が待っていた。


『潤子ちゃん、喉渇いたーw。ドリンクバー、お願い♪』


(……ドリンクバー。……あの、数メートル先にある、蛇口。今の俺には、富士山山頂より遠いんだけど……ッ!)


立ち上がるたびに襲う「ドバッといきそう」な恐怖。

そして、歩くたびに股間から聞こえる(気がする)カサカサ音。

俺はドリンクバーの機械を、この世で最も憎々しい目で睨みつけた。


潤の「女子リスペクト」は深まるが、今はとりあえず休まりたい。

だが、銀座のサイゼで再度、俺は暴食の渦に飲み込まれることになる――。


「……おい、マサ。……ドリンクバー、手伝って……(震え声)」


本作お読み頂きましてありがとうございます。


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