いざ!表参道♪
「……ん、……朝か……」
潤が重い目蓋を開け、手元のスマホを確認する。画面には「08:37」の数字。
隣ではマサが口を開けて爆睡しているが、ふと横を見るとピーチ太郎が既に起きて黙々と腹筋をしていた。
昨夜、男たちだけで熱く語り合った時間は、朝の光の中ではどこか遠い出来事のように感じられた。
潤は重い体を起こして、リビングへ向かう。
「おはよう、潤。すごい顔してるわよ」
そこには、既に完璧にメイクを整えた桜子がいた。朝から一切の隙がない美しさだ。
「おはよう! さあ、ゆっくりしていられませんわ。限定10食のスイーツ、なくなっちゃいます!」
桃姫も、昨日話していたアイシャドウをキラキラと輝かせ、準備万端といった様子で微笑む。
二人のあまりに完成された姿を見て、潤は自分のボサボサの顔を鏡で確認し、意を決して言った。
「……なぁ、俺のメイクも手伝って? まだメイク慣れてなくて!まずあいつら起こしてくるから」
「ふふ、いいわよ。最高に仕上げてあげる」
桜子が面白そうに微笑む。
「……なぁ、マサ、起きろ! 出発するぞ! ピーチ太郎、いつまで腹筋してんだよ!?」
潤の声で、マサが慌てて目をこすり、ピーチ太郎も「すぐ準備する!」と洗面所へ走っていく。
男たちがバタバタと身支度をする横で、潤がリビングに戻ると、奥のソファの光景に絶句した。
ローテーブルには空のワインボトルが何本も並び、母のローラと堀井先生が、朝日の中でまだ楽しそうにグラスを傾けていたのだ。
「あら、みんなで行くの? いってらっしゃい」
「若い人は元気でいいですな……」
上機嫌な大人たちの声と、廊下の奥から聞こえる姉貴の静かな寝息を背中に、潤たちは最短時間で着替えと「メイク」を済ませた。
「お待たせ! もう9時半じゃん。でも全員揃ったわね。さあ、これが2日目のリストよ。よろしくお願いしますわ!」
玄関で桃姫が満足そうにリストを差し出す。
「いいわね。それじゃあ、いきましょう」
桜子が静かに頷いた。
「ピー! んふ♡」
桜子の肩でピーちゃんが嬉しそうに鳴き、潤、マサ、ピーチ太郎、桜子、桃姫の全員で、表参道の眩しい光の中へと踏み出した。




