乾杯♪
辿り着いたのは、見るからに重厚で洗練された高級店だった。
入り口に立つドアマンが、三人の姿――というより、先頭を歩く桃姫を認めた瞬間、深く会釈をして恭しくドアを開ける。
「桃姫様、いらっしゃいませ。お連れ様は既に個室へご案内しております」
(……すご、マジでお姫様じゃん)
潤が背後で圧倒されていると、桃姫は「当然でしょ」と言わんばかりのドヤ顔で、優雅に頷いた。
大理石の床を踏みしめ、個室へと向かう廊下。すれ違うスタッフたちが次々と立ち止まり、一礼して桃姫に挨拶を送る。その徹底したVIP待遇に、潤は自分のTシャツ姿が急に不安になり、桃姫に小声で聞いた。
「……あの、こういうとこってドレスコードとか大丈夫ですか? 僕、こんな格好だし……」
「大丈夫。他のお客様と顔を合わせないための、メインフロアを通らない専用の個室だから」
納得したような、しないような顔の潤をよそに、目的の部屋の前で足を止めると、エスコートしていたスタッフが音もなくドアを開け、深くお辞儀をする。
それを見届け、桃姫は優雅に振り返った。
「さあ、入りなさい? 潤、桜子」
案内されたのは、豪華でありながらもモダンに洗練された琥珀色の個室。
そこには、先に到着していたマサとピーチ太郎が、既にふかふかの椅子に深く腰掛けてくつろいでいた。
「おっ、ここすごいな。」
「サクッとジュエルの個室なんて、流石は桃姫だね」
全員が揃ったところで、冷えたフルーツジュースがグラスに注がれる。
「それじゃあ……初日、色々あったけれど。お疲れ様! 乾杯!」
桃姫の音頭で、クリスタルのグラスが澄んだ音を立てる。
運ばれてくるのは、芸術品のように美しい絶品グルメの数々。
桃姫と桜子が「最近の春夏コーデの流行りや新作コスメ」や「次の映えるスイーツ」といった女子トークに花を咲かせる傍らで、潤とマサ、ピーチ太郎の三人は――。
「……うまっ。これ何、肉?」
「わかんねぇけど、口の中で溶けたぞ今」
「釣りでボウズだったから、余計に染みるわ……」
女子たちのキラキラした会話には全くついていけない男子勢だったが、そんなことはお構いなしに、高級料理を「ただただ美味しく」貪り食う。
賑やかな笑い声と、贅を尽くした料理の香り。
潤は、胸元のピーちゃんを撫でながら、ようやく今日という長い一日の終わりを実感していた。
「みんな食べたわね」
潤たちの食べっぷりを見て、桃姫がニヤりと不敵に微笑んだ。
「「「「え!?」」」」
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