ズキューン♪
GW期間
毎日20時以降3話以上更新予定です
本日3つ目投稿できました
よろしくお願いします
「とりあえず……鏡を見て確認しようかな」
金曜の朝。恐る恐る俺は洗面台の前で、自分の顔を見て絶望していた。
一晩でピーちゃんに根こそぎ何かを持っていかれた俺の顔は、どこか儚げな、守ってあげたくなるようなギャルへと変貌を遂げていた。
対照的に、俺の肩に乗っているピーちゃんは、宝石かと思うほどキラッキラに輝いている。
「潤、おはよー! 早く『魔道具』と『スイーツ』おねがい?」
「元気でいいな……。俺、歩ける気がしないぞ。ははは」
ふらふらとリビングへ降りると、そこにはすでに準備万端の桜子が、尻尾をブンブン振り回して待機していた。
「潤! おはよう……って、どうしたのその顔!? 凄く……凄くそそるわ! その『今にも消えてしまいそうな儚さ』にズキューンってクルものあるわね!」
「クルって何!? ズキューンって何!?」
「おはよう桐山、ローラとココは出かけたぞってどしたその顔? ちょっと待てデータ取らせて。……ふむ、生命力(HP)が限界値まで削られている代わりに、美少女値(魅力)が(特定の層に)45%UPして周りの警戒度を30%ダウンさせてるわね」
リビングのソファでは、堀井先生が朝から優雅に赤ワインを転がしていた。
「先生……ピーちゃんって名前つけたら死にかけたんですけど。これバグじゃないんすか?」
「ああ、それはネームド化の対価ね。等価交換よ。その代わり、えーと名前ピーちゃん!?にしたのね。そのピーちゃんのバフ能力は……と。あら、昨日の10倍以上に跳ね上がってるわ。……ほら、これ持って。桃姫への最新魔道具よ。ピーちゃん、アンタにもこれ、試作品の魔力チップをあげるわ」
「わーい♪ いただきまーす!」
ピーちゃんはサッサと魔力チップを吸収。
眠そうに欠伸をしながらも、ピーちゃんは鏡に向かって桃色の霧を吹きかけ、俺の胸元へぴょんと飛び乗った。
『いつでも行けるよ♪』
大量の紙袋を押し付けられ、俺と桜子は、ピーちゃんが展開した「鏡のゲート」の前へ。
「それじゃ、10日間頑張ってきなさい。面白いエピソードを期待してるわよ」
「ちょ、先生! 背中押さないでってどこ触って——!!」
ボシュゥゥゥ!!
視界が桃色の霧に包まれ、重力が消えた。
……
…………
ドスンッ!
「あふんっ!?」
「ひゃんっ! 潤、柔らかい……っ!」
着地した場所は、昨日より豪華絢爛にデコられた鬼ヶ島城の謁見の間。
俺の上には、桜子が覆い被さっていた。……しかも、俺の顔面は桜子の豊かな胸元に完全に埋もれている。
「っ、ごめん! 桜子、わざとじゃ……っ、んふっ」
慌てて謝りながら脱出しようとする俺の耳元で、
『ぷきゅ♪ ラッキースケベだね! 潤、やるぅ!』
とピーちゃんがボソッと、確信犯的に言い放った。
「あら、いらっしゃい。直接きたのね! 待ちわびたわよ」
玉座に座る桃姫が、扇子で口元を隠しながら楽しそうに俺たちを見下ろしている。
隣ではピーチ太郎が「よう、潤! 桜子ちゃん! 賑やかな上陸だな!」と手を振っている。
「桃姫……。流行りのスイーツと、堀井先生の魔道具、持ってきました……」
げっそりしながら紙袋を差し出す俺に、桃姫が優雅な足取りで歩み寄る。
「……様子があれだけど大丈夫? 潤、その儚さ、ある意味前回よりえぐいわね。私の嗜虐心が!」
「生命力をピーちゃんに吸われただけです……」
その時、俺の肩からピーちゃんが飛び出した。
「桃姫、おっはよー! わーい、会いたかったんね♪」
「! なにこれ、この艶……! あの桃ラムなの!? 信じられない高密度な魔力だわ……っ!」
桃姫が驚愕して目を見開く。
ピーちゃんはそのまま、挨拶代わりと言わんばかりに桃姫の胸元にダイブした。
「これいいね! モミモミモミモミモミモミモミモミ!」
「……んふ、んあっ、あふぅ……!? ちょっと、潤、これやめさせてっ……! あん!」
桃姫が顔を真っ赤にして身をよじる。
ピーちゃんは満足したのか、ふよふよと戻ってくると、俺の胸元へしっぽりとおさまった。
「ハァハァ……。まったく。……ふう、とりあえずメイドの二人、今日からその格好に着替えて」
桃姫が取り出して手渡してきた、最新の「メイド服」。
俺のギャル属性と桜子の清楚属性、それぞれのパーソナルカラーに合わせて診断済みだというそれは……。
「桃……姫。これ、メイド服っていうか……ただの『シアー素材のマイクロバンドゥ』と『ハイレグ・モノキニ』!?」
「何言ってるの? 最新トレンドの『水着メイド』よ。桜子、それに潤。今のその儚い肌色には、その透け感がベストなのよ」
俺の、そして桜子の、露出度が限界突破した。
最悪のコンディション(命の危機)と最高に際どい衣装で、俺たちのGWが始まった
本作お読み頂きましてありがとうございます。
この作品をチラッととでも
『ふふふ』、『!?』と思ってくださった方は
ブックマークとか!?
マックス『★★★★★』まで
評価あるのでポチッとしてもらえるとテンション上がります
へへへ
よろしくお願いします!




