イクッ!
「……っ、おれまで理性が……おふっ……! 本能に飲み込まれて、たまるか……ッ!」
潤の背後に迫る、二つの熱い吐息。
桜子の艶やかな指先が、ギャル化している潤の豊満な胸とくびれた腰に絡みつく。
「……潤。いいのよ? サキュバスとして徹底的に……うふふ」
耳元で囁く桜子の声は、脳の報酬系を直接ショートさせる致死量の誘惑。
さらに、反対側からはモモ姫が、潤の腕を「熟れすぎた桃」のような瑞々しい質感で抱きしめてくる。
「あつ……いですわ……。潤、責任取って……。わたくし、……どうにかして……っ、今すぐ……!」
「ちょ、モモ姫!? 責任って、俺まだ何も――っ、てかそこ、当たってる! あと揉まないで! ちょっそこ物理的に当たってるから!! んふ」
トロンとした目で潤の首筋に顔を寄せ、指を絡めてくるモモ姫。
桃ラムの「好意増幅バフ」によって、二人のヒロインは完全に『潤限定のオーバークロック状態』に突入していた。
『ここでギャル解いたらウケるかな』
エナエマが空中でゲラゲラと笑い転げる。
「ヤバいよね潤! ふふふ! ここで男子に戻ってさらにカオス!?」
「悪ふざけやめてエナエマ! ……桃ラムちゃん! 落ち着いて! 一緒にここ出よう! すごいのわかったからね! スイーツ食べ行こ!」
「「イクッ!」」
桃ラムとエナエマがハモる。
身体に絡まれながら、雪崩れ込むようにサウナを出て更衣室へ。
直後、サウナ内を支配していた「甘い桃の香り」が、一瞬にして「脳を貫くような氷結の香り」へと反転した。
【氷冷の高濃度ビタミンピーチミスト!ミント入り】
桃ラムがドヤりながら新成分を噴出する。
「ひゃうんっ!? つ、つめたぁぁーーーい! ですわ!?」
「っ! ……な,なに、これ……。頭が一気に、冷える……ッ」
強烈な冷感成分(ミント&高濃度ビタミン)が、二人の脳内の「桃色バフ」を強制タスクキルしていく。
霧はみるみるうちに澄み渡り、理性が高速で脳をクリアにしていく。
「……はっ! わ、わたくし、何を……!? って、なんで潤の腕に縋り付いて……っ、しかもこの、はしたない格好!きゃっ!」
「……うふふ。可愛い姿を見せちゃったわ、……潤大丈夫!?」
正気に戻ったモモ姫は顔を真っ赤にして飛び退き背中を向け自身のロッカー前へ、まだ若干サキュバスらしさを残した桜子はニヤリと不敵に笑いながら乱れた装束を整える。
そこには、半脱ぎのヒロインたちと、その中心で冷静さをよそおっている潤の姿があった。
「……潤、褒めて」
ぴょんぴょん跳ねる桃ラム。
「あ、こっちもアチキの傑作デバフ! 潤のために最高のラッキースケベ!エロ・イベントを生成したのを秒で鎮静化! ふふふ! 早く早く! スイーツ食べたい」
桃ラムの無邪気な叫びだけが、更衣室に響きわたる。
その頃――。
霧の影響もなく混浴サウナから一足早く出ていたピーチ太郎とマサは、男子更衣室で……。
腰に手を当て、瓶の牛乳一気飲み勝負をしていた。
すでに3本目。
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