エロ美味しそう♪
「……ちょっと。さっき、なんて言ったの? ですか!? 魅了バフって……なによそれ!」
モモ姫が、震える手で落とした扇子を拾い上げながら詰め寄ってくる。
さっきまでの選民意識はどこへやら、その瞳は俺が持つ小瓶に釘付けだ。
「え? 堀井先生特製の『ナイアシンアミド70%配合バフ美容液』です。バフ付与は魅了35%Up(8h)に防御15%Up(8h)。魅了はサキュバスCレベル。これ、今のトレンドみたいですよ、堀井先生的に」
「私の魅了バフもっとだけどね」
桜子が爪を研ぎながら、付け加える。
「な……ななな、ガチ!?」
ピーチ太郎がスマホを放り出し、身を乗り出す。
「一族秘伝の『桃雫』は有効成分85%だぜ!? 70なんて誤差じゃん! なのに……しかし何そのバフと数値!?」
「最新の美容系魔道具は日進月歩みたいですよ。彩度の限界は、ロジックで超えられるみたいです! 堀井先生の受け売りですけどね」
俺はそう言いながら、手の中の桃ラムに一滴垂らした。
——シュンッ!
次の瞬間、桃ラムが眩い光を放つ。
くすんでいたピンクが、内側から発光するような「水光感」を帯び、表面は陶器のように滑らかに変貌した。
「キュゥゥゥ〜〜! キクゥゥ(全ステ爆上がり!)」
「う、嘘でしょ……コミュ障の桃ラムが声まで。しかもあんなに『発光』してさらにエロ美味しそう……」
モモ姫が絶句し、自分の肌と桃ラムを見比べ、顔を真っ赤にする。
「……それが本物か、私の肌で検証してあげなきゃ。ほら、出しなさいよ!? 出してください! あくまで『一族の代表』としての検品なんだからね! です!」
「あ、姫ズルい! 俺だって前髪のキューティクルに成分バフかけたいんだよ!」
「確か堀井先生、他にも色々提供するって言ってましたよ。シャネルのアリュール級の『多層防御香水』とか」
俺がさらに畳み掛けると、モモ姫が涙目で近づいてきた。
「……お願い、潤子でしたっけ!? よろしくね。仲良くしましょう?」
「……手のひら返し、早すぎだろ」
マサが呆れたように呟く。
「あはは! 仲良いのが1番だね! 鬼ヶ島の名物スイーツや桃一族おすすめスイーツもおねがい♪」
エナエマが空中でくるくると回りながら催促する。
「……大人のきび団子と、この時期なら白桃系のコンポートとか色々あるわ。案内してあげるわよ!」
エナエマの目がキラキラと輝く。
こうして、堀井先生の美容液バフのおかげで「桃ラム」と仲良くできた。
そして――。
ネオン煌めく鬼ヶ島の深部へと足を踏み入れた。
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