おおおん♪
(……死ぬかと思った。人数集まると女子のパワーさらにすごい。天狗の修行よりよっぽど精神削られる……)
結局、女子たちの着せ替え人形にされ、魔道具でメイクされ、さらにモフモフされた俺は、ようやく解放されて自室のベッドに潜り込んだ。
隣の客間では、お泊まりを決めた桜子も眠りについている。
「……桜子、あれがサキュバスのサガなのかな!?」
あの熱っぽい視線を思い出し、俺は一人、天井を見上げて呟いた。
その時、枕元でスマホが短く震えた。
『明日の朝にはラボを出る。祖父も一緒だ。重要事項を共有する。あ、話変わるが納豆が食べたいんだが家にあるか!? 無ければ買ってかえるんだが!? ローラにラインしたが返信ないんだ伝えといて』
(……っ!? 父さん、納豆好きだよな。っていうか母さん、今リビングで泥酔して「テリーヌ最高ぉ……」とか言ってるからなぁ……。納豆か、冷蔵庫見てこよ)
父からのラインに、俺は「遅くまで、じっちゃんも父さんも大変だな……」と溜息をつく。
俺はリビングでまだ飲んでいる2人に気づかれぬよう、抜き足差し足でキッチンへ向かった。
冷蔵庫を開けて中身をチェックする。
納豆、ある。父さんの好きな卵も完備。
あ、じっちゃんが好きな山芋もあるし、オクラや長ネギも……。
(……俺の好きなソーセージ、ないじゃん。買ってきてもらおうかな)
とりあえず、スマホを取り出して父さんに「納豆も卵もオクラも刻みネギも母さん用意してあったよ」とラインを送る。
「……よし。これで任務完了」
安堵してスマホをポケットにしまおうとした、その時だった。
背後に、異様な「圧」を感じた。
リビングで飲んでいたはずの母ローラと、堀井先生が――音もなくそこに立っていたことに、俺は気づかなかった。
「じゅーん……。自分だけ美味しそうなもの、探してなぁい……? おおおん!?♪」
母ローラが、焦点の合わない目で詰め寄ってくる。
「桐山……冷蔵庫の中身より、先生の『新作テスト』の続き、しようか……? まだ試してないバフのあるティントも。あ♡今度は全身オイルもいいわね! 守備力上がるわ!脱いで良くてよ♪おおおん♪」
「……ヒッ!? 先生、何言っ……うわ、待っ、や!!」
逃げ場のないキッチン。深夜の納豆チェックは、さらなるカオスの入り口に過ぎなかった。
そこから、されるがままにさらに数時間――。
俺は心身ともにボロボロ(でも全身ツヤツヤ)の状態で、「土曜日の朝」を迎えることになる。
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