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天狗✖️ギャル天女  作者: 抹茶ラテ


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子供は寝る時間!大人は、、、

夜の22時。修行を終えた。

19時から始まった「天狗界」での3時間は、時間感覚が狂うほど濃密で、メンタルが悲鳴を上げている。瞑想とイメトレをやりすぎた。


(……やっと、終わった。今の俺は悟りを開いた高僧のような静寂の中にいる。何も考えたくない。ただ、泥のように眠りたい……金曜放課後からの、土日のみ許された「男に戻れた日常」を満喫しないとな)


今の俺にあるのは、心地よさを超えた疲労感と、一刻も早くシャワーを浴びて眠りたいという切実な願いだけだった。

あ、そうだ……寝る前のルーチンがあったな。


「桜子は大丈夫だったかな……?」

とりあえず、鏡を通ってエナエマと一緒に自室へ。そこから着替えて、水を飲もうとリビングへ向かう。


その時、俺の耳に届いたのは、夜の静寂とは無縁の「騒がしいカオス」だった。

「……ん? このテンションの笑い声、何……!?」


漂ってきたのは、高級チョコ特有の芳醇な甘い香りと、それを台無しにするほど完全に「出来上がっている」女子たちの熱気。


「あー! 帰ってきたわよ! 22時ジャスト! おつかれ! そして肩揉んでぇぇ!! じゅーん!」


リビングの扉が開くより先に、姉貴のハイテンションな叫び声が響いた。

(よし。一旦スルーしよ。今の俺は賢者だ。あんな嵐に巻き込まれるほど愚かじゃない……)


だが、逃げ道はなかった。恐る恐るリビングへ足を踏み入れれば、そこには「ダメな大人」の光景が広がっていた。

顔を真っ赤にした母さんと堀井先生。空いたワインボトル数本に、ツマミの残骸、そして美味しそうなスイーツ。


(終わった。ここはリビングじゃない、女子という名の怪物が跋扈する魔窟だ……)


二人を介抱しつつも、酒も飲んでないのに負けてないテンションで目を光らせる姉貴。

そして、その隣に――なぜか我が物顔で座り、フォークをくわえた桜子さんがいた。


「お、おう……桜子。いたのか。親まだ帰ってないのか!? もう22時だぞ」

「あ、潤。……修行、お疲れ様。ごめんね、親が帰ってくるまでここで待たせてもらってたら……憧れのココさんが『泊まっていきなよ!』って。つい、ね」


(……桜子は姉貴推しだからな。ココ姉貴に誘われたら断れるわけがないか……ってよく見ると、あいつの格好、ガチなラフ部屋着じゃねーか!)


申し訳なさそうに、けれどどこか楽しんでいるような桜子の瞳。

空中では、スイーツを口いっぱいに頬張ったエナエマが、俺を見てニヤリと口角を上げた。


『面白いことになってて楽しそう♪』


「(楽しくないが!?)……桜子の親、知ってるのか?」

『さっき一度戻ってお泊まりセット持ってまた来たのよ。ほらこれ、桜子ちゃんの親御さんからのお土産。――銀座の「ピスタチオ・テリーヌ」。ねっとり濃厚で、元気出るわねコレは。ビンビンだわ♪』

桜子の代わりに姉貴が答えた。


「ねぇ潤、これ最高よぉ……ワインにも合うわ」と、とろけそうな顔の母ローラ。

その横で、メガネをくいっと上げている堀井先生。……先生、完全に目が座ってますよ。


「……そうなんだ。でも寝る前にこんなの食べたら、やばくね!? 寝れんだろ! んー、でも美味しそうだな……」


差し出された、宝石のように緑に輝く濃厚なテリーヌ。

22時までの修行で培った俺の冷静さは、帰宅後わずか30秒で、音を立てて崩れ去った。


なぜなら。


「「「エナエマ、おねがい!」」」

姉貴、母さん、そして堀井先生の声がハモる。


「オッケー♪」


「え、やめて、このパターン――」


(嘘だろ!? 修行明けの俺に慈悲はないのか!?)

抗う間もなかった。視界の彩度が急上昇し、体が熱を帯びる。

俺はまた――ギャルへと強制的に書き換えられた。




本作お読み頂きましてありがとうございます。


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