一旦
「……ふぅ。とりあえず、コンビニ寄っていい? 喉乾いたし、一旦落ち着きたい」
校門前。俺――潤は、まだ心臓のバクバクを抑えながら、マサと桜子に聞いた。
『スイーツよろ! 気になる新作シュークリームあるのよね、ジュンチン♪』
耳元でエナエマが能天気にはしゃぐ。さっきまで扇子を振り回して戦っていたとは思えない切り替えの早さだ。
「おう、付き合うぜ。俺もなんか甘いもん食わねーと、脳がバグったままだ。……つーか、今のマジで。新大久保の時とまんま!?」
マサがまだ呆然と俺を見ている。
「潤、お疲れ様。対応早くてやるじゃん」
桜子が明るく応じ、潤の背中をポンと叩く。
コンビニでエナエマ指定の「カスタードたっぷりシュークリーム」と、俺たちの分のスイーツ、それに冷えた飲み物を買い込み、俺の家へと向かう。
歩きながら、俺はスマホを取り出し、父さんと堀井先生がいるグループLINEに、校門前でのログを送信した。
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潤:
【報告】放課後、校門付近にてクラスメイトの餓魔による汚染を確認。エナエマと協力浄化完了。
【疑問】近くの結界、作動してませんでした。新大久保の時と同じかの。巡回ルートも大丈夫ですか?
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家に着き、リビングのソファに倒れ込んでスイーツを広げた瞬間。スマホが短く震えた。
父さんからのレスポンスだ。
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父:
潤、お疲れ様。ログを確認した。
まだ調査中だが、たぶん今回浄化したのは、ジャバサではなく潤の言う通り餓魔だろう。
分かり次第また連絡する。
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「……餓魔。やっぱりそうか」
俺はシュークリームを幸せそうに頬張るエナエマを見た。エナエマは口の周りにクリームをつけたまま、真剣な顔で頷く。
『そうよジュンチン。』
「……つーかさ、普通は学校近くの結界が機能してれば、あそこまで餓魔が育つ前に反応して消し去るもんだろ?」
マサがモンブランをつつきながら、眉をひそめて口を開いた。
「感知できないから、巡回も気付かない……ってこと?」
桜子が不安げに俺を見る。
「……マサ、意外と理解早いね。そう、結界が機能しきれてないかもね」
「父さんのLINEの続き……気になるな」
画面をスクロールすると、続けて堀井先生からのメッセージも届いていた。
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堀井先生:
潤君、明日からの登校は気をつけて。
今日あなたが浄化した個体の波長が、校内の『別の場所』からも微弱に観測されてるわ。
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「……え、これ明日もまたあるってこと!? 大丈夫なの!?」
桜子の声が少し上ずる。
「……とりあえず、やるしかないね。」
俺は最後のシュークリームを口に放り込み、甘さと一緒に覚悟を飲み込んだ。
『ジュンチン、明日はもっと高いスイーツ期待してるわよ♪』
『……まだ食う気かよ!』
エナエマの無邪気な声に、リビングに少しだけ笑いが戻った。
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