↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
天狗✖️ギャル天女  作者: 抹茶ラテ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

3/78

試着室デビュー

「……ッ、何これ!? ちょっと、お母さん!? どこに手を……ちょっッ、痛い痛い!ってか狭いっ」


狭い試着室のカーテンの中に、3人。

俺――桐山潤は、生まれて初めての屈辱と混乱に打ち震えていた。

目の前には、職人めいた真剣な眼差しの母・ローラと、その様子を恍惚と見つめる姉・ココ。


「静かにして、潤! いい? ちゃんと覚えて! ここでサボると、服を着た時に全部脇に流れて、デブって見えるのよ! 肋骨の際から、背中のお肉まで全部、前にもってくるッ! これが『全回収』!」

「そうよ、アンダーが安定しないとトップ位置も下がって、一気に老けて見えるからね。ほら、最後は自分で、カップの中にグッと入れ込んで!」


「ひ、冷てぇ! 手を突っ込むな! 入れる肉なんてねーよ! ……って、ある!? 何これ、怖い! なんで動くの肉!? ……く、くすぐったい!」

「脂肪は移動するのよ♡、ほら、このワイヤーのカーブに沿わせて……よし、これでサイドはすっきり、デコルテはふっくらね。Tシャツ一枚着ても、全然シルエットが違うわよ」

「やめろ! 姉貴、解説がいちいち細かいし恥ずいマジで! ……あーもう、きつい、苦しい!」


そうなのだ。

そう、それは今朝、目が覚めた瞬間に全ては始まっていた。


起きれば、なぜか隣で寝ていた姉貴に「もふもふ」と弄り回され、気づけばこのザマだ。

鏡に映る俺は、もう俺じゃなかった。

ギャルになっていた。

サイドを極限まで削ぎ落とされ、その分、上胸が信じられないほど高く、ふんわりと盛り上がった胸元。盛り盛りのまつ毛に、潤んだ瞳。


朝のことを不意に思い出し……そして、悔しいが……認めざるを得ない。


鏡の中のコイツは、紛れもなくギャルだ。


その時、脳内にポップアップ広告のような軽い声が響いた。


『おつー! 認めたね!でしょ!?完璧なギャルじゃん! そっち目覚めちゃった? 』


「目覚めてないです!エナエマ! いきなり脳内に直接話しかけてこないで! とりあえずいろいろきつくて死にそう今すぐ元に戻して欲しい!」


『あー、無理無理。なんか今ので共鳴(リンク)上がっちゃったから、あと半日はギャル確ね! 買い物終わったらヌン活行こ♪ マカロンが妾を待っている♪』


「待ってないよ! 半日!? この格好で、この窮屈なブラを着けて!? 終わった……早くコントロールできるようにならないと、俺は詰むな……」


---


地獄の売り場で下着買い出しを終え、俺(潤こと潤子!?)は母と姉に挟まれ連行され、マカロンで有名なラウンジカフェへと向かっていた。

姉貴と母の、この形態(潤子)に対する距離感バグりが半端ない。


エスカレーターがゆっくりと上昇する。その対向、下り側から降りてくる顔を見て、俺の心臓が止まりかけた。


「(げ……マサ!?)」


親友、マサだ。

よりによって、胸元を強調した流行りのファッション、姉貴にベタベタされている時に。


「大丈夫よ潤、そもそもレベル高めにギャルってるし、スタイル良すぎてバレようがないわ。ほら、もっと私に寄りかかって、『お姉ちゃん大好き♡』な顔して!」

「できるか! 殺せ! いっそこの場でエスカレーターに巻き込まれて消滅させてくれ!」


必死に顔を伏せる俺の横で、無情にも運命は交差する。


「――あ、こんにちは。潤のお母さんとお姉さんじゃないっすか」


マサが、ごく自然に母さんと姉貴に声をかけた。

その瞬間、俺の視界に「異物」が映った。

マサの頭上に、人間には見えないはずの「赤い角」が、ヌッと顕現(現出)しているのだ。


「あら、マサくん! 奇遇ねぇ。今日は一人?」

「ええ、まぁ、ちょっと親に頼まれて。……」


僕らは2階へ。

マサは1階へ。

たまたまエスカレーターですれ違い、遠ざかっていく。


「(……マサ、お前、鬼族だったのかよ!? ……つか、視線きも! どこ見てるか一発でわかるな。あいつ、挨拶しながら、俺の『胸』しか見てねえじゃん。男の視線ってこんなに露骨で、嫌なもんなだな……女性って大変だな、俺も気をつけよ……)」


マサの視線が、胸元を射抜く。

挨拶の言葉とは裏腹に、マサの瞳の奥では、持ち上げられた俺のデコルテに釘付けになった「鬼」の光が宿っていた。



「……では潤によろしく伝えといてください」


「はーい、了解よー!」と、母さんが暢気に手を振る。


お互い、エスカレーターで過ぎ去っていく。



本作お読み頂きましてありがとうございます。


この作品をチラッととでも

『ふふふ』、『!?』と思ってくださった方は

ブックマークとか!?

マックス『★★★★★』まで

評価あるのでポチッとしてもらえるとテンション上がります


へへへ


よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。