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天狗✖️ギャル天女  作者: 抹茶ラテ


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新大久保へ

放課後の新大久保駅。

改札を出た瞬間、俺の視界はネオンカラーとハングル、漂うスパイスの香り、そして何より人の多さに驚愕した。とりわけ女子の密度がヤバい。


「着いたぁぁぁ! 潤、見て! まずはあそこ行きたいわ!」

桜子の尻尾が、さっきから俺の脚にペシペシ当たるほど激しく振られている。


「落ち着けって。……で、堀井先生は?」

「ここよ、桐山」


人混みを割って現れたのは、タイトな黒のセットアップに身を包んだ堀井先生だった。

学校の白衣姿もヤバかったが、私服のハイエルフはあまりにも目立つ。周囲の通行人が足を止め、ガン見というか、もはや周りのおじさん連中からの視姦レベルに見惚れている。……はっきり言ってヤバい、何かしらドス黒いモヤまで見えてきている!?。


「時間は有限よ。まずは『IROHANI』へ行くわ。あそこにはいくつか欲しいのがあるわ……」


先生の先導で店内に突入した瞬間、桜子のテンションが爆発する。


「潤! これが『fweeフィー』のプリンポット! ほら、このマットな質感、触ってみて? ふにふにでしょ?」

「うわ、本当だ。指で塗れるのかこれ」


「そう! 潤の頬にピーチ系の色を乗せて、境界線をこう……指でトントンってぼかすの。一気に『多幸感バフ』が宿るわ。顔はモブだけど、この一点だけで餓魔を数秒は硬直させられるわね」

「モブは余計だ! ……っていうか、これ、俺の指でやっても大丈夫なのか?」


「何言ってんの、私がやるに決まってるでしょ! 潤の指じゃ、バフが濁るわ!」

「ひでぇな!」


「潤、こっちもヤベーぞ」

マサが、壁一面のパック棚を指差して手招きする。「メディヒールの新作、高濃度ティーツリーだ。店員さん曰く、これ一枚で『肌の反乱や荒れ』が鎮圧できるらしい」


「肌の反乱って……ただのニキビだろ」


「甘いわね、桐山」

堀井先生が、マサの持った箱を指先でなぞる。「鬼族の彼は血の気が多い。激しい戦闘で火照った肌をこのティーツリー(鎮静バフ)で冷却クールダウンするように私がバフ付与するから、買いだめなさい。そうね……10箱でよくってよ」


「10箱!? 先生、俺の財布が死ぬんすけど!」

「経費で落としてあげるわ。……ただし、明日の研修で成果を出すことが条件よ」


「……了解っす! 潤、俺、これ全部使い切って最強の『冷静クールな鬼』になってやるぜ!」

「お前、本当に適応力バグってるな……」


俺が呆れている間にも、カゴには『Biodance』のコラーゲンマスクや『peripera』の水膜ティントが山積みになっていく。


「潤! 仕上げにこの『燕の巣パック』も入れとく? 姉貴さんに奪われてもいいように20枚セットで!」と桜子。


「誰がそんなに払うんだよ! ……あ、エナエマ! お前! いつの間に!」


突如、スマホから飛び出したエナエマが鼻を鳴らす。

『韓国スイーツっしょ! 連れてけ! そして献上して! さもないと――』


「ちょっ、おま、ギャル化だけはやめてくれ! 頼むからスイーツ案内してくれよ!」


『えー、まだこの店見たいのに。あ! ギャルでいいじゃん! 潤、このリップの色、ギャル化した潤に試したい!』

「とりあえず目当てのモノ買ってスイーツ行こ、スイーツ!」


一通り「兵器コスメ」を買い揃えた頃には、俺たちの両手はショッパーで塞がっていた。


「次はスイーツよ。あそこのお店へ行くわよ」

先生が指差したのは、行列の絶えない人気のスイーツ店だった。


やっと順番が来て、エナエマに「献上」しつつ、俺たちもパクつく。


「おおー! めっちゃうまいな! 姉貴や母さんにも買っていこう」

「マジ美味い、新大久保いいな」

マサが満足そうに言い、桜子が目を輝かせる。


「明日は、これ食べてテンション上げるわ! 美容はスイーツからね!」

「……桜子、そんなキャラだっけ!?」


口角にソースをつけて「美味しい!」と笑う桜子、そして優雅にホットクをかじる先生を見る。


「明日からは研修施設に缶詰めよ。今夜は桐山家で、買ってきたコスメやパックに『付与エンチャント』を行うわ。……いくわよ、桐山。もちろん、あなたの母親には連絡済みよ」


先生の眼鏡の奥がキラリと光る。

俺は、明日の朝には自分が「最強のギャル」へと作り変えられる運命を悟り、甘いホットクを噛みしめながら、腹を括るしかなかった。


――そんな時だった。


「キャアアアアアアアアアア!!」


少し遠くから、空気を切り裂くような女性の叫び声が響き渡った。

楽しげな喧騒が一瞬で凍りつき、周囲の「女子の多さ」が、そのままパニックの予感へと反転する。


「……何かあったのかしら。餓魔なら、研修前のいい実戦になるわね。この一帯の結界は機能しているはずなんだけど……。とりあえず声のする方へ行きましょう!」


堀井先生がホットクの紙を畳み、不敵に微笑む。

俺はショッパーを握りしめたまま、その叫び声の方角を睨みつけた。

本作お読み頂きましてありがとうございます。


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