路〜産声〜(16)
「あの、ザザさん」
「ん、どうした?」
アラキの後ろでシャーベットは小声でザザに話しかけた。
「アラキさんが言っていた能力ってもしかして私の父が開発してたって言ってた…あの特殊な力のこと…ですか?」
それまで笑顔でいたザザの顔が途端に真面目な顔になった。
「そう、その力のことだ。ここに入ってくれた翌日に話したことだよ」
それを聞いて、シャーベットはより気まずい気持ちになったが、勇気を出してまた聞いた。
「…私の父……アイスはあなた方を能力の実験台にしただけでなく、他にも酷いことをしたんですよね…」
「まぁ、否定はしないかな」
「私、本当にここにいていいんですか?お二人の仇のような存在なのでは……」
ザザは少しはにかんで答えた
「言ったろ?それこと入ってくれた翌日に。君の存在が必要なんだって」
「…そうですか」
その返答はシャーベットの疑念を完全に晴らすものではなかったが、少し気持ちを軽くさせたのだろう。シャーベットは下に向けた顔を前に向けて歩いた。
「おーい、なにしてんだよ!早く行こうぜー!腹減った!」
「あ、はい!」
小走りで前に進むシャーベットを見てザザは口角を上げた。
「おい、アラキ。今回は豚骨にしよう。歓迎会、まだだったろ」
「お!たしかにな!それでいいか?シャラ猫」
「は、はい!」
「よーし、そうと決まったら早く行くぞ!!」
「あ、待ってください」
走り出したアラキに追いつくように二人も走り出した。
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