路〜産声〜(12)
アラキが立ち上がった瞬間赤メッシュの男ーー少年は即座に追撃に出た。
(早い…俺の情報を知ってたなコイツ)
アラキはニヤリとするとナイフを突き出した少年の腕を避けると同時に掴み、ぐいっと引き寄せた。
「いぃね、意気が良い!容赦なく楽しめそうだ!」
「!」
それと同時にアラキは少年の細い腕を折ろうとしていた。それを察知して、少年はザッと距離をとった。
「ザザ!こっちは大丈夫そうだー!そっちは任す!」
「だ、そうだ。お前もさっさと降参したらどうだ?」
「ふん、馬鹿言うなよ。ここに来た時点で、お前らの負けだ」
「そのまんま返すよ、チビ」
そう言うと、ザザは能力を発動し、オーナーに急接近からの蹴りを入れた。
だが、オーナーは腕でしっかりと受け止めており、見た目にはそこまでのダメージは入っていなかった。
「シャーベットは客の足止めを頼む!多分コイツらが逃してからそこまで経ってないはずだ!」
「わ、わかった!」
シャーベットは賭博場を抜けて地下道に走っていった。
「ほう、ちゃんとそっちも分かってたんだな。客のこと」
「そりゃそうだろ。それが出来なきゃプロ失格だよ」
「でも、あの嬢ちゃんはどうかな。」
「なに?」
「あっちには、護衛がついてる。それも選りすぐりの十人だ。プロでも手こずる相手だぜ。あいつらは」
「そうか、それよりもお前は良いのか?逃げなくて。腕、震えてるけど」
「お前の攻撃が重いせいだよ。デカブツめ」
「そりゃどう、も!」
そう言うと二人は取っ組み合いを始めていった。
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