路〜産声〜(1)
翌朝、あのまま寝てしまったシャーベットがリビングに起きてきた。
「おはよう…ございます」
「ああ、おはよう」
シャーベットはまだ眠いようで、半開きの目を擦りながら椅子に座った。
「朝ごはんは、なんですか?」
起きて一言目にご飯のこと…と思い
「お前、割と図々しいとこあるね」
「?」
「まあ、別にいいけど」
少し笑って呆れた顔をしながらソファに寝ているアラキを指差して言った。
「そこのが起きたら朝飯だ。うちでは、朝飯だけはいただきますを合掌するってきめてるんだよ」
そう言われると、シャーベットはアラキの方を見るなり、アラキの前に歩いていった。
(なにをするつもりなんだ?)
そうザザが思っていると
「ふん!」
シャーベットは躊躇なくお腹にめいっぱいパンチを一発入れた。
「ああぁぁぁぁあ!なに!?いったい!」
「朝ごはんの時間です。起きて下さい」
「お前、加減ってやつ知らないの!?普通こんなに強く殴らないって!」
「大丈夫です。小さい頃、私はパンチが弱いと父に言われていたので。全力で殴ってもそこまで痛くないはずです」
「小さい頃の話でしょ?今は違うじゃん!」
「そうでしたか?それはすいませんでした。さ、早くご飯食べましょう」
「俺より朝メシかよ」
ザザはしばらく呆気にとられていたが、結局黙って席に着いた二人を見ると、思い出したかのように笑った。
「?なに笑ってるんだよ、ザザ。朝メシなんだろ?」
「そうですよザザさん、お腹が空きました」
「お前は何様なんだよ…」
「いや悪い、二人の様子を見てたら可笑しくてな」
そう言いながらザザは朝飯を机に並べはじめた。
「おお、これが朝飯というやつですか」
シャーベットは朝飯を見ながら目を輝かせてそう言った。
「美味しそうだろ。うちのザザは、メシの天才なんだ」
「天才じゃないけどな」
ザザは苦笑しながらも、残りの飯も全て机に並べ終えて席に座った。
「ええ、初めて見ました、こんなに美味しそうな朝ごはん。ザザさんはテンサイですね」
「はは、そうかもね」
ザザは照れくさそうに笑うと、合掌して言った
「いただきます」
「「いただきます」」
「あ、そうだ。シャーベット、朝メシ食べ終えたら大事な話あるから」
「え、あ、はい」
アラキが、少し神妙な面持ちで言ったもののシャーベットは朝飯をどれから食べようかに夢中であまり聞いていなかった。
「これは見た目通り美味しいですね!」
シャーベットはパンを頬張りながら笑顔でそう言った。
アラキ達は少し呆れながらも微笑ましく思い、一緒に朝飯を食べはじめた。
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