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エンジェルウォー・フロントライン  作者: Regulus
第一章 物語の始まり
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番外編 セカンド襲撃についての報告書

 此度起きたカミサカリサ基、セカンドによる天使殲滅策略本部への強襲による復興、それに伴う現状報告の報告をここにまとめる。


 記入者 サエジマミサキ



 セカンド強襲後、施設内のおおよそ三割の設備が機能を停止し、多くの職員は体育館にて衛生兵や医務室長の指導の下、療養を継続中。

 その内セカンドの迎撃へと狩り出たABFパイロットであるササキミユキ上等兵、ミシマトオル少佐はおおよそ軽い打ち身や火傷で済んでおり、大事には至っていないため、襲撃から数日後には回復し、現在は主導となり軍を指揮している。

 しかし、ドウジマミツキ中尉の容体は右腕部及び左腕部に重度の火傷、右足は剥離骨折、左足は罅が入るほどであったが、内蔵の多くはコックピットハッチが押しつぶれたことにより多大な損傷、脳機能は回復したとしてもいずれかの障害が残ると仮定される。

 他の負傷者については、モリタジロウ整備士長は出血多量による一時的な貧血による気絶、前身は軽い打ち身のみで大事には至っていないが、現在も意識が戻らない模様。

 同じく、負傷者として前モリタジロウ整備士長により医務室へ搬送されたミシマカオル少佐は頭部に強い衝撃が加わったことによる脳震盪、全身は瓦礫に押しつぶされたことによる軽度の骨折のみであり、現在順調に回復へと進んでいる。

 最後の負傷者として、本組織の責任者であるオオツカタケシ大将は、ザイゼンカネミツ氏の暴走により両腕を骨折、セカンドの放ったグレネードによる熱波の影響から顔面の半分をやけどに見舞われドウジマミツキ共々現在も治療を継続しています。


 続いて、捕獲したセカンドは以前目を覚ますことはなく、現在も地下に建設されている隔離施設にて拘束を続けているが一向に目が覚める様子がうかがえない。

 同じく本件の重要参考人として拘束したザイゼンカネミツは自我を崩壊しており、現状会話はできる状態ではないため、金とアルミの合金を三層構造にした特殊牢獄内で現在も監禁中のため現状二名についての事情聴取は現状不可能とされる。


 最後に甚大な被害の一つとして、現在軍の最大主力であるABFの内、指揮官機として採用されている機体番号ABF-010通称オーディンと機体番号ABF-040通称ガンスリンガーについては燃料タンク、バッテリーが熱暴走を起こしたため現在活動不能となり、代用機として量産機であるABF-038通称ポーンが海外本部より支給されたためモリタジロウ整備士長が回復するまでの間、こちらを使用するものとする。

 そして、本迎撃の要となった機体番号不明機、通称死神につきましては現状復旧する術はなく、関節などの機構部については本迎撃により獲得した指揮官用天機のそれと酷似しているため、現在調査を続け因果関係を調べたのち、オオツカタケシ大将への報告を報告書の代わりとする。


 以上



「以上っと。ふー、疲れた」

 小一時間ほど机に向き合い報告書を書き終えるとミサキはそのきしむ椅子の背もたれによしかかると、肩の疲れからか目の奥が痛み机の横に設置されている引き出しの上から二段目を開き、整理された引き出しの中から迷わず目薬を取り出す。

「あったあった」

 ミサキは取り出した目薬を点眼しようと目の上まで持ってくると廊下から何者かが走ってくる足音が聞こえ、目薬を右頬へと落としてしまう。

「っと、集中が切れるとどうしても失敗しちゃうのよね」

 ミサキがティッシュペーパーでこぼれた目薬を拭きつつゆっくりと扉のある方を振り返るとそこには汗だくで扉に手をかけるトオルの姿があった。

「どうしたの? トオル」

 トオルはそのとぎれとぎれの息を落ち着かせるとミサキの肩を掴み真剣なまなざしでその顔を見つめる。

「ミサ姉、ミツキの目が覚めた」

「本当に!? 居ても立っても居られない早く行きましょ!」

「いや、待ってくれ」

「どうしたの?」

 トオルの今までの真剣なまなざしが打って変わり何か思い詰めるように徐々に視線が下へと下がっていった。

「ミサ姉、俺もにわかに信じがたいが」

「どうしたのよ」


「ミツキが記憶を失った」


 その言葉を聞き、ミサキは居ても立っても居られなくなりトオルを押しのけミツキの元へ急いだ。

 ミサキがいなくなったその部屋に流れる風はトオルの顔にささやかに当たる。


 セカンドの襲撃からたった一週間で季節は変わり、暑苦しかった夏の景色は一転し肌触りのいい紅葉輝く秋へとなろうとしていた。


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