部屋割り
私たちがバルトハインに到着したのは夜だった。十日後に闘技大会を控えているからか、街には活気が溢れている。バルトハインの闘技大会には毎年、他の街からも多くの人が集まるが、まだ十日前ということもあり、すんなり長期宿泊可能な宿に泊まることができた。
「じゃあおやすみ、グレちゃん。」
「うん、おやすみ~・・・って待て待て待て待て。」
「どうしたの?グレちゃん。」
「いや何当たり前のようにカルロとフィリフィリが同じ部屋に泊まろうとしてるの?二部屋あったら絶対私とフィリフィリが同じ部屋でしょ!」
部屋はカルロが二部屋とってくれた。なんか流れで私が一人部屋になりそうだったけど、おかしいよね?おかしくないの?二人はもうすでにおかしくない関係なの?
「あっ…そっか、たしかにそうだね。会ってからずっと同じ部屋で寝泊まりしてたからつい。」
フィリフィリは顔を赤らめて恥ずかしそうに、でも少し残念そうにしている。
「ゼンゼンキヅカナカッター。」
コイツは白々しいな。まあでもカルロからフィリにそっちの部屋に泊まれとは言い出しづらいか。二人の関係がどれくらい進んでいるのかはわからないけど、年長者として、未成年の男女二人を同じ部屋で寝泊まりさせ続けるわけにはいかないでしょ。ていうか私がなんか気まずいし。ということで、バルトハインにいる間の部屋割りは、女子二人とカルロで別れて泊まることに決定した。
「あのさ…一応確認しときたいんだけど、本当に二人はまだ何もないんだよね?」
さすがにこの先二人と一緒に過ごす上でこれだけは知っておきたい。私のせいで二人の関係が拗れても嫌だし。
「うん、成人するまでは何もしないって言われてるから。」
おぉん?それはどうなんだ?フィリフィリがカルロを意識してるのは確かだけど、以外とカルロもその気なのか?アイツはよくわっかんねーな。まあ現状は何もないってことにはホッとしたけど。
「そっか~、じゃあフィリフィリとしては早く成人したいわけだ。」
「そっそんなこと…ない…よ?カルロとだってまだ会って数日だし。」
「ふ~ん・・・本当はエッチなこと考えてるんじゃない?」
「かっ考えてないよ!」
「アハハッ、フィリフィリはカルロの話になるとすぐ顔赤くなるね。かわいい~。」
フィリフィリをいじってるけど、私も別に経験あるわけじゃないし、てか彼氏もいたことないんだよなー。ヤバい、なんか虚しくなってきた。
「もう!グレちゃん嫌い!私もう寝るから。」
フィリフィリは怒って布団にくるまってしまった。
「ごめんごめん、誰かと一緒に寝泊まりするの久しぶりだからちょっと調子乗っちゃった。許して~。」
「…気をつけてよね。グレちゃんすぐ調子に乗るんだから。」
「はーい。気をつけまーす。」
「本当に悪いと思ってる!?」
なんだかんだ楽しく夜を過ごす二人だった。




