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魔導士学院生は、今日も元気ですっ!(落ちこぼれ呼ばわりされても、くじけません)  作者: nanoky


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 魔導士塔へ戻りリーユエンがいないことを知ったニエザは、半泣き状態で、ヨーダム太師へ緊急通信を送った。


「師父、ごめんなさい。

 リーユエンは二日休めば大丈夫、あとは絨毯の上で寝るからって言うので、それを鵜呑みにして学院島へ連れてきた私の責任です。

 どうか、お願いです、リーユエンを探し出してください」

 

 ヨーダム太師は、頭を抱え込みたいのを我慢し、ニエザをまず落ち着かせようとした。


「ニエザ、心配するな。

 猊下がリーユエンを見失うはずがない。先ほど法座主府に連絡を入れたら、猊下はもう学院島へ向かわれたそうだ。おそらく、リーユエンの居場所をすでに把握しておいでなのだ」

 

 ニエザは、真っ青になり、今にも卒倒しそうになった。


「ヒエェェェ〜、私がここへ送って来たとお知りになったら、猊下はきっとお怒りになるに違いない。

 どうしよう」


「落ち着きなさい。おまえは、ただ、リーユエンに頼まれただけだろう。

 猊下はおまえを罰したりはしない

 わしも手が空き次第、そちらへ向かうから、あまり気に病むな、良いな」


 その直後にヨーダム太師は、ドルチェン猊下から念話を受けた。


「ヨーダム、リーユエンが体調を崩しているので、ウラナを学院島へ連れてきてくれ。学院長の許可は取っておく」


「承知しました」

 

 その後、ヨーダムは、離宮へ向かった。

 ヨーダムの訪れを聞くや、ウラナが自ら出迎えた。


「太師、明妃が離宮を抜け出してしまわれました。まだ、体調が戻っておられないのに、どちらへ行かれたのでしょう」


「ウラナ、先ほど猊下から知らせがあった。学院島でリーユエンが体調を崩しているそうだ。

 猊下は、あなたにすぐ来てもらいたいそうだ。わしと一緒に学院島へ出向いてくれるか?」


「もちろんです。リーユエン様は無茶ばかりなさいますから、やはり私がついておりませんと、すぐご一緒いたします」

 

 太師は、黒龍を呼び出し、ウラナとともに学院島へ向かった。


 法座主の強力な法力の放射と、ヨーダム太師の使役する神獣黒龍の霊気が、学院島の周りで渦をまき、学院島の天候はその間、大荒れに荒れた。

 

 翌朝、ドルチェンは、リーユエンを魔導士塔へ移動させる前にツカリーゼに世話になった礼を言いながら、こっそり尋ねた。


「その三体の人形は実に精密にできているが、そなたが全て作ったのか?その衣装も全てなのか?」

 

 ドルチェンが、人形を非常に気に入った様子なので、ツカリーゼは落ち着いた態度で答えた。


「左様でございます。衣服も私が布を吟味し、全て手縫いでございます」

 

 ドルチェンは、何だか言い出しにくそうにしていたが、意を決して言った。


「ツカリーゼ教授、わしにも、その三体の人形を作ってもらえないだろうか。

 それから、生地はこちらで用意するのでそれを使用して衣服を縫ってもらえないか」


 ツカリーゼは思いがけない申し出に驚いた。


「喜んで作らせていただきますが、三体ともでございますか?」


 ドルチェンは、昨夜から、ことの他気に入ったちびリーユエンを手に取り、微笑んだ。


「もちろん三体全てお願いしたい。特にこの小さなリーユエンは、もう二度と見られない、懐かしい姿なので、外せない。

 わしが一千年ぶりに再会したとき、リーユエンはちょうどこのような姿をしておったのだ。本当に懐かしい」


(一千年ぶり?再会ってどう言うこと?ああダメダメ、玄武の厄介ごとなんか首を突っ込んだら寿命が縮むわ)

「かしこまりました。完成次第、猊下へ献上させていただきます」


 ドルチェンはツカリーゼへ、

「リーユエンには内緒で頼む。人形まで作らせたと知られたら、愛想を尽かされるからな」

と、小声で言った。

 


 ツカリーゼは、リーユエンが倒れていたことを誰にも話しはしなかった。けれど、ニエザとの会話は大広間で行ったので、耳にした者は多かった。


 ペリオンも当然聞いていた。そこでペリオンは、学院内のサラザルの一族を使い、リーユエンの行方を調べさせ、ツカリーゼが、真夜中に、自室へびしょ濡れの誰かを運び込んだことを突き止めた。その直後、学院島の結界が大きく揺らいだことも、動力操作部の技師から確認を取った。


 翌日、早速ペリオンは、当主のデリオンへ魔導鏡で連絡を取った。


 話を聞くなり、デリオンは笑みを浮かべた。

「よく知らせてくれたな。では、ペリオン、今から言う話を噂として広めてくれ。出所は、サラザルだと知られないように気をつけろ。

 これが広がれば、ドロメルは学院内での立場を完全に失うはずだ」

 

 父デリオンから聞かされた話は驚くべきものだった。


「父上は、一体いつからご存知だったのですか。それにどうやって突き止められたのです?」


 ペリオンは、優越感に満ちて笑った。


「リーユエンに逆らうなと指示しただろう。その時にはわかっていたのだ。

 お前に話さなかったのは、あの女は恐ろしく聡いから、おまえが正体を知っているとなったら警戒するだろうと思ったからだ。隠していたことを悪く思わないでくれ。

 ドロメルのわがまま娘は、その事を知らずにリーユエンへ嫌がらせをし、今回あの方はどうやら、体調を崩してしまったようだ。

 その事を噂にして流せば、学院内におけるドロメルの立場は一気に悪くなるし、エスメルに対する批判的な動きも盛り上がるだろう。追い落とす絶好の機会だ」

 

 結局どうやってその情報を入手できたのかは教えてもらえなった。

 ペリオンはやはり当主である父には叶わないと思った。

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