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親友の友達、私のクラスメイト  作者: 秋羽


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17/18

はじめてのお泊まり

昔はよくお泊まり会とかしていた。

 高校になってからはまだしたことない。


 お泊まりは何度やっても楽しかった、普段ひとりで部屋に寝てる時とは違って、友達と夜更かししたりあさまで起きて騒いでた。


 鷹野さんとのお泊まり会はすごく楽しみで緊張する。


 お泊まり会しよって誘われた時すごい喜んだことを覚えてる。


 まさか鷹野さんの方から誘われると思わなかった。

 いつか出来たらいいな。と少しだけ思っていた。


 きっと鷹野さんだから雪もいるのかと思っていたけど、雪は家族旅行で他県に行ってるから二人だけのお泊まり会。


 鷹野さんの家には何度も行ってるし、遅い時間まで遊んだこともある。

 だけど思い返せば鷹野さんの部屋に行ったことはない。いつもリビングで遊んでいた。

 部屋はプライベートの空間そのままだから、人に見せたくないのかな。

 雪は鷹野さんの部屋に行ったことあるのに、、私はまだその部屋に行ける関係性じゃないのかな。


 きっとお泊まり会もリビングで布団を敷いて寝るのか、それとも違う部屋を貸してくれるのかな…


「お泊まり会って何必要だっけ」


 リュックに色々詰めているけど、忘れ物してる気がする。


 寝間着と下着、メイクポーチ、充電器、歯ブラシ、あとは親に渡された菓子折り。


「これぐらいか」


 何かを忘れていたら鷹野さんに借りよう。


 私は自分でもわかるぐらいにテンションが高い。

 楽しみが溢れて顔がにやけてしまう。

 今までのお泊まり会よりもずっと楽しみで早く鷹野さんに会いたい。


 今日は昼過ぎに鷹野さん家の最寄駅に待ち合わせをしている。

 約束の時間までかなり余裕がある、早く行ったところで鷹野さんはいない。


 最近は鷹野さんのことばかり考えてしまう。

 他の友達とは違う、そんな気がする。


 雪にも言われたことがある。

「七瀬最近みさきの話ばっかだよね」

 そう言われたとき思わず黙ってしまった。

 自分じゃわからなかった、そんなに鷹野さんのことを話してる自覚はなかった。


 人に言われるぐらい私は鷹野さんのことを気にしていた。


 最近私の知らない私が出てきている。

 私は鷹野さんとどうなりたいのかな。

 友達でありたいというよりかはずっと一緒にいたい。


「メンヘラの彼女かよ」


 自分の思考にひいてしまう、ずっと一緒にいれるなんてありえないし、高校を卒業すれば会うとなんてほとんどないかもしれない。

 それでも鷹野さんに会えるなら時間を無理にでも作るし、私に会いたいと思ってて欲しい。

 でも、きっとこれから先鷹野さんだって好きな人ができて、恋人ができるかもしれない。そうなると私と遊ぶなんて暇はない。


 私は軽く目を瞑りこれからのこと想像した。


 来年も同じクラスがいい。

 大学はどこに行くのかな、一緒のところならいいな。

 どんな仕事に就くのかな、地元から離れるのかな。

 両親は大阪にいるみたいだけど、鷹野さんもいつか大阪に行くかもしれない。


 鷹野さんの未来にきっと私はいない。

 私の未来に鷹野さんがいればいいのに。


「これ、、めっちゃ好きじゃん」


 私は鷹野さんのことが好きなのか。そうなのか。

 誰か教えて欲しい。

 この感情は確実に友達に向けていい感情じゃない。

 友達なのにこれ以上を求めてしまうのはおかしいのか。


「なんか恥ずかしくなってきた」


 初めての感情に戸惑ってきた。


 顔が熱い。

 気のせいだと信じたいけど、私はそこまで鈍感じゃない。


 どうしよう、これから鷹野さんに会うのに。

 きっと鷹野さんに会ってしまえば私は自覚してしまう。


 夢ならいいのに。


 夢なら傷つく未来にはならないのに。


「…そろそろ行かないと」


 時間が止まるなんて美味しい話はない。

 私はリュックを背負って家を出た。


 道中鷹野さんに会った時のシミュレーションをしていた、どういう顔で、なんて挨拶すればいいか。


 いつも出来てることが出来ないかもしれない。

 私はこんなにも臆病な人だったのか。


 携帯の時間を見ると電車が来るまでまだ時間がある、駅に隣接された本屋さんに少しだけ寄り道することにした。


「そういえば鷹野さんの家に書斎があるんだっけ」


 私は鷹野さんの家の構図を思い出す。


 鷹野さんの家には何度も行ってるけど、リビングとトイレ以外には入ったことがない。

 今まで気にしたことがなかったけど、、改めて気になってしまう。

 鷹野さんが育った家にはまだまだ知らないところが沢山ある。

 鷹野さんの部屋はどんな感じなのかな。


 私は漫画のコーナーに向かった。

 店長オススメの本は何冊かあって、私は適当に一冊手に取った。

 高校生の恋愛漫画だった。

 今まで恋愛漫画は特に意識して読んだことはない。

 何となく、この本のヒロインが鷹野さんに似ていた。

 私はスマホで同じ本の電子書籍がないか調べ、購入した。

 本は紙派だけど、引越しの時大変な目を見るとわかってからは電子書籍にしている。

 案外メリットも多く、移動中も読みやすい。


 鷹野さんの家に向かう電車でさっき購入した電子書籍を読み始めた。

 普通の高校生が普通の恋愛をするだけなのに、何故こんなにも主人公の気持ちに共感することが多いのか。

 主人公のヒロインに対する恋心に私が鷹野さんに思ってることと同じだと証明するかのように私は読み進めた。


 なるほど。

 これは……


 私はなんてことに自覚してしまうのだろう。


「めちゃくちゃ恋だわ」


 電車の中なのに口に出してしまった。

 慌てて口に手を当てる。


 私はきっと鷹野さんに恋をしてしまった。

 この感情は恋だと私は解釈せざるを得ない。


 だって、恋してる主人公にすごく共感する。


 いつどんな時でも鷹野さんのことを考えてしまう。

 休みの日でも今日鷹野さんは何をするのかなって思う。

 行き先でも鷹野さんが好きそうなものを探してしまう。


 これは紛れもない恋心なのだろう。


 ずっと無縁だと思っていたけど、案外近くにいた感情に驚くが何故か納得した。


 モヤモヤしていた心が一気に晴れた。



 鷹野さんは私の事どう思ってるのかな。


 少なくとも嫌いでは無いことはわかる。


 だけど、私のように恋心を持っているのかは分からない。


 雪と私に対する仕草は少し違う。

 距離感を感じてしまう。

 越えられない壁がある。


 雪にはすることを私にはしてこない。


 鷹野さんは雪のことが好きなのだろうか。


 私には幼馴染がいないから分からない。


 でも、鷹野さんが雪のこと好きって言ってもおかしいとは思えない。

 それぐらいふたりは距離が近い。


 私はどれぐらい頑張れば、雪と同じぐらい仲良くなれるのだろうか。

 そもそも努力次第で超えられる壁なのか。


 悩めば悩むほど、どんどん鷹野さんの家に近づく。


 今は考えても意味はないだろう。

 だって、私は考えたくない。


 鷹野さんからのメッセージをみて、携帯を閉じる。

 改札の前で待ってくれている。


 彼女は私の事ただの友達だと思っているのか。

 私はそれだけで満足するべきか。


 友達として好きな人の家に泊まる。

 私は運がいい。


 好きと言わなければずっと隣に居れるかもしれない。

 だけど、私は今の関係に満足できない。

 漫画のようにもっと近づきたい。

 今よりも、鷹野さんのことを知りたい。

 私だけの鷹野さんにしたい。

 私だけを見てほしい。



 独占欲が溢れそう。


 いつもはできない鷹野さんの一日を独り占めできる。

 贅沢な話。


 私は強欲だ。今でも充分なのに、これ以上の幸せを欲しがる。


 私は鷹野さんが欲しい。


 こんな私知らない。

 私ってこんなにも欲に溺れてる人なんだ。


 鷹野さんはこんな私受け入れてくれるかな。



 電車が止まって、私は鷹野さんのいる改札に向かった。


 彼女は人混みでも輝きを放てる。

 天使のような気がした。


 なるほど、恋と言うのはこうにも厄介なものか。

 誰よりも可愛く見えて、誰よりも愛おしい。


 彼女は私のものにしたい。

 そう思うのは友達では無い私の本音だった。


「鷹野さん待った?」

「全然だよ、いこっか」


 彼女の全てが見える。

 むしろ彼女しか見えない。


 私の目に彼女を刻印したい。

 ずっと見ていたい。



 クラスメイトの関係じゃとっくに物足りてなかった。

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