表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私、産まれ故郷ではチートでした。  作者: 霜月満月
第六章 二度目の二人旅
110/307

110話 仕返し

大半がリヒトからルリへの仕返しの件です。

なので、そのところだけリヒト目線の話になってます。

さて、リヒトの自制心によって何事もなく終わった。

そう思っていたのはルリだけで、お風呂に向かったリヒトは


危なかった‥‥前から抱き締めるのはまだ、耐えられるからいいが、突然後ろから来られたら‥‥

あれが確信犯だったら本気で手、出すところだった‥‥

天然で誘惑するのやめてくれないかな、ルリ‥‥

‥‥‥‥‥ちょっとやり返そうかな‥‥


と悶々としながらもちゃんとお風呂を堪能し、ルリにやり返すべくお風呂から上がった。


そしてリヒトがお風呂場から出ると、ルリはベッドルームに戻ってきていた。

そしてベッドサイドにある丸椅子に座って、布で髪を拭いながら乾かしているところだった。


そこにリヒトが後ろから無言でルリの首に抱き付いた。


「わ!‥‥え?り、リヒト?」

「ルリ‥‥。」

「な、なに?」


そして動揺するルリの耳元に顔を寄せて‥‥


「さっきみたいに天然で俺を誘惑したらどうなるか教えてやろうか?」


と囁くと、ルリの体がビクッと反応したのを見て、リヒトは腕を解いてルリの目の前に移動した。

そしてルリの手をとって引き寄せつつ立たせると、そのままルリを抱き締めた。


「あ、あの。り、リヒト?」

「なんだ?」

「あの‥‥えっと‥‥」

「ルリにそのつもりがなくても俺には拷問なんだ。」

「え?」


そしてリヒトは抱き締めている腕の力を緩めて、ルリの顎を掴み上向かせると、そのままキスをした。


「!!!」


それにルリは驚くが、今回はすぐに離れないし、リヒトがルリの腰と後頭部を抑えているため、逃げられない。

それはルリがリヒトの背中を軽く叩いても終わらない。


そのまま貪る様なキスがしばらく続いたあと、ようやく唇が離れた。

そして、リヒトはルリに額を合わせて話し掛けた。


「ルリ。」

「な‥‥なに‥‥?」

「俺はこれ以上のことをしたくてもまだできない。今のキス以上の激情を抱えているのを必死に抑えてるんだ。だからあまり煽らないでくれ。」

「は、はい!‥‥その‥‥リヒト。」

「ん?」

「近い‥‥」

「わざとだ。」

「え‥‥」

「俺を誘惑するとどうなるかちょっとは分かったか?」

「は、はい!」

「ルリ。」

「は、はい。」

「俺はルリに一目惚れした時より、一緒に旅した時より、婚約者になってからも‥‥そして今も、どんどんルリを好きになってるんだ。ルリは俺をどれ程惚れさせたら気が済むんだ?ってぐらい。」

「え‥‥」

「ルリ。大好きって言葉だけじゃ足りない‥‥俺はルリを心から愛してるんだ。だから誘惑するのも自制心の限界を図る程のはやめてくれ。」

「は‥‥はい‥‥ごめんなさい‥‥。」

「分かってくれたならいいよ。‥‥で、ルリ。たまにはさっきぐらいのキスしていいか?」

「え!?‥‥私の身がもたないから‥‥本当にたまになら‥‥」

「ルリ。そんなこと言ってたら結婚後、もたないぞ?」

「え!?‥‥では徐々に慣れるかと思いますので、お手柔らかにお願いします‥‥。」

「何故敬語?‥‥まあ、いいか。慣れさせていいんだな?」

「は、はい。私はリヒト以外に嫁ぐ気はないので、構いません。」

「!!!‥‥そうか。それは嬉しいな。」

と言ったところでようやくリヒトは額を離した。


「なら早速と言いたいところだが、ルリが限界っぽいな。」

「はい‥‥早速は勘弁してください‥‥。」

「じゃあ寝るか。」

「え?‥‥リヒトは髪を乾かさないと。」

「あ。」

「わ、私がやってもいい?」

「いいのか?」

「う、うん。座って、リヒト。」


そしてさっきまでルリが座っていた椅子にリヒトが座ると、リヒトが首から下げたままだった布をルリに渡した。

その布でルリがリヒトの髪を拭いながら‥‥


「リヒト。」

「ん?」

「ごめんね。」

「なにが?」

「お風呂上がりは特に駄目だったなってリヒト見て実感したから‥‥」

「え?」

「リヒトもお風呂上がり‥‥色気がすごいから‥‥」

「‥‥‥もしかしてそれでキスする前から顔赤かったのか?」

「うん‥‥色気もだけど‥‥改めて、その‥‥リヒト、格好いいな‥‥って思って。」

「え‥‥」


いわゆる水も滴るいい男ってやつだ。

勿論、ある程度髪も拭ってお風呂場から出てきているので実際には滴ってないが。


それを最後に二人は無言になり、しばらく沈黙が続いた。

そしてリヒトの髪を乾かし終わったあと、お互いに「おやすみ」と言ってそれぞれベッドに入ったが、ルリはしばらく寝付けず悶々としていた。



翌朝。

リヒトが起きると、ルリはまだ隣のベッドで眠っていた。


昨夜のあれはまずかった‥‥本気で理性を破壊しにきたかと思った。

自分にとって誰よりも、何よりも大切な存在。

だからこそ昨日の様なことは本気でしないでほしいと仕返しもした。これでさすがに理解しただろう。


そんなことを思っている横で無防備に眠る婚約者(ルリ)


「‥‥‥起こすか‥‥。」


と言ってルリの眠るベッドの側にきたリヒトは、


‥‥‥‥‥やっぱり可愛いな‥‥ルリの寝顔‥‥

俺には天使にしか見えないな‥‥‥

こんなに可愛い天使が俺の婚約者か‥‥‥


としばらくルリの寝顔を嬉しそうな顔で見ていた。


ルリは当然知らないが、これは毎回のことである。


ルリの寝顔を堪能したリヒトは満足した様で、


「ルリ~。」

「‥‥‥」

「ルリ~?」


ルリの肩を揺すりながら声を掛けるが、起きない。

ルリはいつもならこの二回ぐらいで起きるのだが‥‥


珍しい。

‥‥昨日やり過ぎたか?でも‥‥


「ルリ~‥‥起きないと‥‥」

「‥‥ん‥‥?」

「(ニヤリ)またキスするぞ?」

と耳元で囁いてみると


「!!!」

驚いた様にルリの目が開いた。


そしてルリの目に自分が映ったのが分かった瞬間、リヒトはにっこり笑って、

「おはよう、ルリ。」

「お、おはよう‥‥リヒト‥‥い、今‥‥!」

「ん?」

「い、今、み、耳元で囁いたこと‥‥!」

「聞こえたか。実行して良かったか?」

「い、今のも含めて心臓に悪いからやめて!!」

「え~。」

「え~じゃなくて!‥‥り、リヒトって‥‥その‥‥いい声してるから‥‥。」

「え?」

「格好いい声してるから囁かれたら心臓に悪いの!!」

「!!!‥‥そ、そうか。‥‥‥ん?それはいいことを聞いたな。」


ニヤリとしたリヒトの顔を見て、ルリはしまった!と思ったがもう遅い。


「これからたっぷり何度でも耳元で囁いてやるから覚悟しろよ?ルリ。」

「!!!‥‥‥心臓に悪いから‥‥それも程々にしてください‥‥。私に自覚しろってリヒトは言うけど、リヒトも自分の魅力を自覚してよ‥‥」

「ああ。だからわざとだ。」

「え‥‥」

「ルリを俺の側に繋ぎ止めるためなら余すことなく使えるものは使うぞ?」

「!!!‥‥‥絶対に他の人を選ぶことはないから‥‥お願いだから色々と程々にしてください。」

「ああ、分かった。とりあえずはな。」

「とりあえず!?」

「ああ。」


そこでメイドが部屋に来て、朝食が出来た旨を伝えてくれたため、二人共着替えて食堂に向かった。


*****


朝食後。


「‥‥‥二人共、何かあったか?」

「「え?」」

「いや、ルリが挙動不審だからさ。‥‥まさかリヒトさん、自制心が崩壊したか?」

「崩壊してないから。‥‥ちょっとルリに自覚を促しただけだよ。」

「誘惑されたか、リヒトさん。」

「ああ。」

「なるほどな。」

「‥‥‥それで納得するんだ‥‥優人。」

「ああ。」

「ああって‥‥。」

「とりあえず、二人共。このあとどうする?」

「ん?ちょっと体を動かそうと思ってる。優人は仕事か?」

「ああ。早朝にちょっと動いて、午前中仕事して、午後からまた剣術教わって、また残りの仕事する。毎日がこんな感じだ。」

「おお‥‥気分転換を運動でしてるんだね。」

「ああ。ルリは?」

「ん?えっと私はまだ公務とか免除されててね、王女教育もやってたけどもうそろそろ終わるよ。それ以外は騎士達の訓練に参加したり、他の二国に遊びに行ったり、城下の街を歩いたりしてる。あとは魔素溜まりを消したりだね。」

「ルリは動き回ってるんだな。」

「うん。あ、遊びに行っても一緒に精霊術の練習したりしてるんだよ?」

「リヒトさんも?」

「ああ。王太子として必要なぐらいは練習してたつもりだったんだが、精霊術はルリの方がすごいんだよ。」

「じゃあ、リヒトさんが剣術でルリが精霊術をそれぞれ教え合ってるってことか。」

「ああ。そういうことだ。」

「なんかいいな、そういうの。」

「優人はいないの?婚約者とか。」

「ああ。魔族も成人は15歳なんだが、その頃にえらい数のお見合いが来てな。うんざりしてしばらく寄越すなって言ったらぱったりなくなってな。今は伸び伸びと自由を謳歌してる。」

「そ、そうなんだ‥‥。でも優人の寿命って魔族とは違うんじゃないの?それで大丈夫なの?」

「ん?ああ、それは大丈夫だ。俺も魔族と同じ寿命になっちまったからな。」

「「え?」」

「陛下!!」

「なんだ?この二人ならいいだろ?俺が元日本人って知ってるんだから。」


ん?何か国家機密の類いかな?


「‥‥‥それもそうですね‥‥。」

「だが、食堂で話す内容でもないな。リヒトさん達の部屋、行っていいか?」

「あ、ああ。」


そして私達が泊まる客室に全員で移動してソファーに座ったあと、


「ルリ、リヒトさん。」

「「ん?」」

「俺が日本に帰る気がない理由の一つがそれなんだ。」

「「え?」」

「俺はもう両親とは違う長さの時間を生きることになったからな。」


そして話はまだ続く。

次回、今まで触れてこなかった日本人の優人が魔王になった経緯にちょっとだけ触れます。

‥‥‥あ。優人のお仕事時間、取っちゃうな‥‥。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ