13/15
その商品、重複してます。
牛ステーキを食べる牛魔王を想像しながら、
入力を終える。
そして、また電話が鳴る。
「お電話ありがとうございます。異世界通販センター宇野が承ります。」
「牛ステーキを頼みたい。」
「かしこまりました。」と入力を進める。
「あと、内緒で頼みたい。」
「時間指定も可能でございます。」
住所を伺う。
入力の手が止まる。
「恐れ入りますが、お客様の種族をお伺いしてもよろしいでしょうか」
「牛魔王だ」
「……」
一瞬の沈黙。
「先ほどのご注文とは別件でお間違いございませんでしょうか」
「なんのことだ」
「……」
「こちらのご注文、内緒とのことで承っておりますが」
「そうだ」
「どなたに対してのものでしょうか」
「自分用だ。」
最近、食卓が緑だらけでなと牛魔王は続ける。
「……」
一瞬の沈黙。
「恐れ入りますが、同種族の食材となりますが」
「気にせぬ」
「……」
受話器を持ったまま、わたしは天井を見上げた。




