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その商品、測れません。
変なお客様だった。一息つく間もなく、電話が鳴る。
「お電話ありがとうございます。異世界通販センターの宇野が承ります」
「ちょっと、お宅の体温計、測れないんだけど」
お怒りの声で遮られる。
「ご迷惑をおかけして申し訳ございません。お調べいたします。ご登録のお電話番号をお願いいたします」
私は、落ち着いて情報を打ち込む。
画面には、種族——アンデッド。
「お客様、元々体温の測定対象ではないかと存じますが」
「職場が体温測らないと働けないのよ」
アンデッドに厳しい職場だ。
「恐れ入りますが、当商品は体温のあるお客様向けとなっております」
「……じゃあ、どうすればいいの」
一瞬の沈黙。
「職場へご相談ください」




