第6話
なんか、違う気がする・・・。
適当に通路や部屋をダンジョンっぽく配置してみたのだが、コレジャナイ感がすごくて、
どうにもしっくりこない。
モンスターや罠が配置されていないせいだろうか?
はたまた、地形が平坦すぎるせい? 植物、そもそも天候が無いから?
うーん、なんかそのどれもが違う気がする・・・。
どう言えばいいのか・・・こういう言い方をすると、上手く出来ないことへの言い訳になって
しまうのだけれど、たぶん俺こと霧形 藤次には、ダンジョン制作の才能やらセンスがまったくと
言っていいほど無いのだろう。
《好きこそものの上手なれ》という言葉があるが、そもそもダンジョン作成をやっていて
楽しいと感じないし、ほぼ興味も湧かないのだ。
これは、たぶんほかのダンジョンマスターの仕事に関わる様々な作業部分で同様であるかもしれない。
そう思うと、気分が重く沈んでいくのが分かり、何もしていないのにどっと疲れた気さえしてくる。
だが、仲間とのダンジョンを作るという約束を破ったのは自分であり、自分のダンジョンを
作ると意気込んだばかりで、早々にダンジョン制作を諦めるという選択肢がまずありえない。
そうであるのなら、何かしらの視点を変えるテコ入れが必要であろう。
自分で作っても楽しいと感じないのならば・・・・・・自分以外にダンジョン作成を頼む?
いや、それだと自分が作ったダンジョンだと胸を張ってマリアやセイバーに言うことは出来ない。
・・・・・・うーん。
たとえばだが、仮に誰かに助言をもらうというのは、悪くない案ではないだろうか?。
いくら才能が皆無とは言え、最終的に納得して作るのは自分だからだ。
では、誰にダンジョン制作の助言を頼むかだが、マリアとセイバーの2人は当然だが除外する。
最終的に彼女らに見せて認めてもらい、正式に約束を破ったことを謝罪するのが目的なのだ。
ただ改めて考えると、謝罪するために自分のダンジョンを作るという目的は、すごく不純な気が
するし、そもそもそんな目的で作ろうとしているから楽しくないのかもしれない。
だが、そこはいくら考えても仕方が無いので、ダンジョン作成の才能が皆無だということに
しておくことにする。
そういえば、たしかだいぶ昔、まだ人間だった頃マリアが、近くのダンジョンをサーチできる
能力があるとかないとか、そんなことを口走っていたことを思い出し、調べたらダンジョンサーチなる
スキルがあったので取得する。
「いくつか反応があるけど、近場だと2か所、BランクとSランクのダンジョンか・・・」
Sランクという高難易度ダンジョンに興味が無いわけではないが、新米ダンジョンマスターが
それらを見て参考に出来るかと問われると、いきなり高レベルに挑戦するより、出来れば段階的に
身の丈にあったものを参考にするべきだと思い、藤次はBランクダンジョンへ向かうことに
したのだった。
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