第12話
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これは創造神に属する者が遵守するルールであり、それを破ることは創造神様への反逆であり、
不死である神でさえ存在の抹消(関わった者の記憶の抹消)を意味しますので、十分に
お気を付けください。
1.創造神の定めたルールを破ってはならない。
2.神は神、もしくは神に属する使徒や眷属に対して不干渉であること。
3.神が創造した生物に対して、直接の手出しや干渉をしてはならない。
┗3-1.増えすぎた人間を定期的に間引くこと。
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藤次とマリアが次に目を覚ますと、そこは見知らぬベッドの上だった。
「っっどうしてですかッっっ!!!」
起きて早々、怒鳴るというのがもっとも適切な音量の、荒げたセイバーの疑問を表す声が
2人に投げかけられた。
起きたばかりなのもあり、2人はもごもごと口を動かすだけにとどまった。
「わ、私を信用してくれって、説明までしましたよねッっっ!!!?」
目じりに涙を浮かべながら、そのままセイバーは早口に言葉をまくしたてる。
たぶん起きたらそうしようと、ずっとベッドのそばでもやもやと我慢して居たのだろう。
マリアと目配せをし、しばらくセイバーの苛烈な言葉を、寝ながら静かに聞き流す。
感情がある生き物は、ずっと怒っていることは、出来ないものなのだ。
「はぁはぁ・・・」
しばらくして、さすがのセイバーも立て続けにしゃべり続けたことで疲れたらしく息を切らし始めた。
「・・・・・・で、少しは落ち着いたか?」
そろそろ頃合いかというところで、藤次はそんな言葉をセイバーに投げかけた。
「ええ、怒鳴ったら少しスッキリしました。
・・・・・・冷静に言いますが、どうして使徒になったんですか?」
「まずセイバーは俺も神に会ったというが、俺には、神に出会った記憶が無いんだ」
目を見開いて驚いたセイバーは、そんなハズはないと頭を振って、藤次が
何か質の悪い冗談を言っているのではないかとその顔を覗き込むが、顔は至極真面目だし、
嘘をついているようにはとても思えなかった。
「セイバーが言ってなかったら信じないような、あの荒唐無稽な話のことよね?
私が神様にお礼参りをするって啖呵を切ったというやつよね?
新手のセイバーの渾身の冗談かと思って、笑いをこらえるので必死だったわ」
もう我慢できないとばかりに、マリアが空気を読まずにくすくすと思い出し笑いをする。
「ああ、あれはマリアならやりそうだと思って、ちょっと笑いそうになったな・・・・・・イタッ!」
マリアが適当に投げて飛んできた物が頭にぶつかった。
割れた音がしたので、たぶん花瓶かもしれない・・・、花瓶なんて投げるなよ・・・。
死角からとは言え、英霊なら反応できていただろうなと、藤次は花瓶がぶつかって少し痛む後頭部を
さすりながら、そんなことをぼんやりと思った。
「でも、その話もいまなら信じられる。
ステータスオープン!」
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■■■■■■■■■■■■■■の使徒
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自分のステータスの最上段に表示されている黒塗りの部分。
これが創造神様が定められた神のルールによって抹消された神の名称なのだろう。
「じゃあなぜ、私だけが事の顛末を覚えているのでしょうか?」
セイバー自身だけが覚えている記憶が、もしかしたら嘘や偽物の記憶なのかもしれないと自分を疑い始めたとき、
「ちょっと、セイバーも自分のステータスを見てみたら?」
早々に自分のステータスを開示していたマリアが、そんなことを言った。
「ええと、こうですか? すてーたすおーぷん?」
慣れない手の動きで、藤次がやっていた動きを見様見真似でなぞる。
二本の指だけを立てて、それを空中で縦に振りながら、唱えるやり方だ。
たしか、むかし何かのアニメで見たような気がするやつだ。
まぁ、ステータスオープンにあんな厨二くさい動作は必要無いのだが、藤次は面白いので
黙っておくことにした。
セイバーの前に、セイバーしか見えないステータスが表示される。
そこには神の加護として、【観測者】という見慣れぬ文字が表示されていた。
おそるおそるといった感じで、セイバーがそこに自らの細い指を近づけると、別のウインドウが
フワッと浮き出てきて、思わずビクッとする。
【観測者】
たった一人くらいは自分が存在したことを覚えておいて欲しいと願った名も無き神が最後に残した加護。
あらゆる事象の変化や改簒、記憶の変化や改簒等の影響をすべて無効化する。
ただし創造神様のルールにより、存在の抹消は無効化できないため、名も無き神が実在していたことと、それらのやり取りを観測者だけが認識できる。
「なるほどそういうことですか・・・なるほど・・・なんて身勝手なことを・・・」
セイバーが俯いたまま、肩を震わせるようにして黙ってしまった。
まぁセイバーなりになにか感じ入ることがあったのだろうが、詮索はせずそっとしておく。
彼女が話したくなったら、またその時に聞いても遅くはないだろう。
それよりも、セイバーが俺たちが使徒になることを制止した神のルールについてだ。
藤次はそのルールを再び見て、頭を抱えるのであった。
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