第10話
~~~~~~~~~~~~~~~
進化先を選んでください。
現在の種族:英霊
・使徒
・進化キャンセル
~~~~~~~~~~~~~~~
藤次が見知らぬベッドの上で目を覚ますと、ステータスウィンドウが目の前に開いていた。
英霊になって、まさかこれを再び目にすることになるとは思っていなかった。
そして進化とは一体どういうことだろうか?
「藤次様、お目覚めになられましたか?」
声がした方向を見ると、そこにはこちらを心配そうに見るセイバーがいた。
だが、セイバーが纏っている空気というか雰囲気が、依然とまるで違っている。
強くなったとかそういうわけではないし、外見も何も変わっていないのに、何かが確実に
違っていると確信できる。
「セイバーか、あれから一体全体どうなったんだ?
それに言葉では上手く言えないけど、お前に一体何が起きたんだ?」
「そのすべてに答えたいと思いますが、二度手間になりますので、まずマリア様を起こして、それから
朝食を食べながら、説明していきたいと思います。
あとステータスウィンドウが開いていると思いますが、いまはまだ選択しないでください。
それもあとでまとめて説明します」
なにか色々知っているみたいだが、あとで説明すると言うのだから、いまは詮索はやめておこう。
ベッドから上半身だけを起こし、周囲を見回すも、ここがどこかも判然としなかった。
白い部屋にベッドが1つだけおいてある。窓は無い。ドアが開かれているのは、セイバーが開けたのだろう。
だが、不思議となんとなく懐かしく見覚えがある気もする。
「ここは、一体・・・?」
「それにだけ答えますが、大丈夫です。ここは確実に安全です!」
セイバーが自信に満ち溢れた力強い返答をする。
見覚えがあるような無いような、藤次が寝室から出る。
寝室を出ると長い廊下があり、左右に同じような扉がいくつかある。
扉には、表札が付けられており、そこに藤次やマリア、セイバーなどの名前が書いてあった。
なるほど寝室というか私室か。
寝室の扉がある廊下を通り抜けると、そこは居間になっており、ソファや家電、家具などが置いてあった。
居間に隣接してシステムキッチンがあり、蛇口をひねると、こんこんと綺麗な水が溢れ出ることに
まず違和感を感じた。
何気なくコンロを押し込むと、自然と火が付いた。ガスが通っているわけがないから、どこかに
ガスボンベがあるのだろう・・・。
当然のようにテレビもあった。リモコンの電源ボタンを何気なく押すと、なぜか電源が入った。
どこかに発電機でもあるのだろうが、それにしてはずいぶん静かだ。
こんな世界になり、まだ英霊ではなく人間の頃、サバイバル生活をしていた時期がある。
水道、ガス、電気などの生活インフラはすべて死んでいるハズだ。
おかしい、これではまるで・・・。
「え? これって、藤次の不思議部屋じゃない!?」
起きてきて、当たり前のようにキッチンの蛇口をひねって水を出し、顔を洗ってさっぱりしたマリアが、
自分の代わりに答えを言ってくれた。
そうだ、これは間取りなどは違うが、どう見ても管理人室・・・不思議部屋そのものだ。
安全な気配がするし、それなら水道やガス、電気が通っていても不思議ではない。
だが、藤次がまだ人間であった頃の職業:管理人のスキルである管理人室は、藤次が英霊になったことで
消滅したはずなのだ、一体どういうことなのだろう?
「朝食は出来てますので、とりあえず座ってください。
朝食をとりながら説明したいと思います」
疑問符を浮かべながらもテーブルに並べられた朝食を前にした2人の前で、セイバーがおもむろに
語り始めたのだった。
【読者の皆様へお願い】
面白い、続きが気になる!と思われましたら、ブックマーク及び小説下の広告下に『☆☆☆☆☆』があるので『★★★★★』にて応援お願いします!!




