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この壊れゆく世界でスキルを手に入れ生き延びる  作者: 小鳥遊ケイ
第二章 新世界へ(英霊編)
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第9話

神には神のルールがあり、それは破ればどうなるかは、これ見よがしに落とされた創造神の天罰に

よって証明されてしまっていた。

創造神様がどこかでこの場を見ているのだ。

だからこそ土地神の老人も、異世界の神を名乗る白い肌の子供も、正直に言うしかないし、あまりに

身勝手なことは言えない。


「・・・約束はできないが、わしらはそこな氏子、お主の主人に直接の干渉することは出来ない。

それは禁止されておる、お主もそうじゃな?」


重い沈黙を破るように、しゃべり始めた老人が、白い子供に問いかける。


「うん、さっきも言ったけど、僕らが作ったシステムで創られた君や彼をどうこうするのはグレーゾーンだけど、そこの現地人の少女をどうこうするというのは、間違いなく出来ないよ」


その子供の答え方に、言い方というものがあるだろうにと渋面を作り、ため息をはく老人を横目に見やり、

セイバーは逡巡する。


「約束が出来ないのなら・・・・・・私が答える代わりにそれに相応しい報酬を頂きたい」


それを聞いた土地神は怪訝そうな表情を、白い子供は感心したような表情を、それぞれが浮かべる。


「システムに創られた存在であるお主が、報酬を望むのか? 変わっておるのう・・・」


「いや、架空の英霊として産み出された彼女にそんなプログラムは無いはずだよ、だからこれは・・・、

 そうか、約束は出来なくても、報酬という形なら、神のルールに抵触しない可能性があると?」


白い子供はブツブツと呟きながら考えつつ、


「はい、報酬を渡す約束はできなくとも、それ相応の報酬をいまここで渡すことはできるでしょう?

 それを受け取るも受け取らないも私たちの自由だ。それならあなた方のルールに抵触もしないのでは?」


セイバーの話が一区切りついたところで、渋面を作った土地神の老人はかぶりを振る。


「・・・悪いが、わしは正直関わりたくない。

 屁理屈じゃ。それがまかり通るとは思えん。

 一か八かの賭けで、ルールの裏をかくようなことをして、あんな雷を落とされるのはわしはごめんじゃ!」


創造神様がこの場を見ているのだ。

老人のその発言の後、その場にふたたび沈黙の空間がうまれる。

しばらくの後、それを破るかのように異世界の神様である白い子供は心底楽しそうに笑いだす。


「フフフ、あははは! 面白い、本当に面白いね!

 僕が作ったシステムの副産物である君が、主人のために必死に考えた答えかぁ、面白いよ!

 創造神様、僕は彼女らにそれ相応の報酬を渡すよ、ダメならさっきより強い雷を落としてくれて構わない!

 人間は正直嫌いだし、滅んでしまえば良いと思っているけど、彼女はいわば僕のシステムが生み出した

 モンスターであり、子供でもある。

 だからその彼女がこれからどう考えどう行動するのか、僕は見てみたい!

 そうか、人間たちに助言を与える神達は正直バカだと思っていたけど、そうかこういう気持ちか!」


白い子供は、空中に向けて指で何かを操作する素振りを見せる。

そしてその作業がしばらく続く中、突如として頭上に真っ黒が黒雲がもくもくと湧きだした。

ほれ見たことかと、老人は特大の雷雲に覆われた天を仰ぐ。

ゴロゴロと鳴り響く雷に加え、さらに頭上に大きな魔法陣が何重にも現れ始める。


ぎょっとする土地神の老人は、その途方もない数の魔法陣に込められたそれぞれの効果を見て、

創造神様が本気で目の前の白い少年こと、異世界の神の一柱を消滅させる気でいることを悟る。


「おい! お主、すぐその作業を辞めるのじゃッ!!!

 さすがにこれを食らえば、いかに神であるお主でも消滅するぞッ!」


白い少年は、空を見上げて、その魔法陣の多さに、脂汗を流す。


「う、うん、これはさっきより確実に強い雷だね。

 絶対防御無視に加えて、再生不能、威力倍化が10枚に、必中、不死無効の魔法陣まであるじゃん。

 痛み無効の魔法陣が一番下にあるのが、せめてもの情けかなぁ・・・」


ただそれを見ても白い少年は手を止めずに、その空に輝く幾重にも張られた魔法陣を遠い目で眺める。

そして最後に決定ボタンを押すだけの状態で、創造神様の雷が落ちて来るのを待つ。


「わしは逃げるぞ、この威力ではここも巻き添えを食らう可能性もある!

 氏子はわしが連れていくぞ・・・、仕方ないから小童も運んでやろう」


その直後、黒雲から一筋の雷が落ちてくる。

雷が魔法陣を通過する度に、雷の太さが倍に、倍にと膨れ上がっていく、その数10回。

数百メートルに達した巨大な雷が、瞬時にねじれる様に収束し、一筋の槍のようになる。

白い少年は、雷の槍が自らに直撃する瞬間に、自分が消滅する瞬間に合わせてボタンを押す。


「あーあ、この先を見られないのが本当に残念だ! 

 けど報酬はたしかに渡したよー」


瞬時に、白い少年がいた場所を中心に大地が大きく割れ、あまりの衝撃波に周囲の樹木が吹き飛ばされる!

土地神として最大の結界を張ったが、それでも無事ではいられないほどの衝撃波が襲い掛かる。

結界を張る手をぶるぶると震わせながら、結界の中だというのに、土地神の肉体に、再生速度を上回る

無数の傷が出来ていく。


高速道路に突如として巨大な雷が落ち、一夜にして巨大な大穴が空いたが、それを心配する人間たちは、

その周囲にはすでに誰一人としていはしなかった。

【読者の皆様へお願い】


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