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この壊れゆく世界でスキルを手に入れ生き延びる  作者: 小鳥遊ケイ
第二章 新世界へ(英霊編)
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第4話

世界が崩壊ほうかいしてから、移動いどうする手段しゅだんとしては徒歩とほが一般的なのだが、職業しょぎょうがダンジョンマスターである

マリアの場合、モンスターが召喚しょうかんできるというメリットを活かして、騎乗きじょうできるモンスターを召喚して、

それに乗って移動している。


英霊えいれいの場合、騎乗きじょうするより走った方がはやいし、先行せんこうして偵察ていさつしたりするので、モンスターに騎乗する

メリットが無いので、マリアと護衛ごえいの2人が一緒いっしょに乗れるという条件じょうけんでモンスターをえらんだのだが、

じつはここだけの話、いまマリアと俺が乗っている騎乗モンスターで6体目たいめなのだ。


最初さいしょうま型のモンスターだったが、乗っているとおしりいたくなるという理由で最終的さいしゅうてきにおにくになった。わり美味おいしかった。

そして次が大蛇だいじゃ、乗り心地ごこちは悪くなかったが、これが蛇行だこうして進むものだから、だんだんとマリアの気持きもちが

わるくなってきたとの理由りゆうで、最終的さいしゅうてきにおにくになった。ヘビにくというものは初めて食べたけど、これはこれで悪くないとご相伴しょうばんにあずかった。

次が、雲型くもがたのモンスターだったが、そもそも仙人せんにんでもあるまいし、人間が雲に乗れるわけが無いので

召喚してはみたものの役には立たず、最終的にはお肉にもならなかった、そりゃくもだから・・・。


心地ごこちわるくなく、三半規管さんはんきかん刺激しげきされて気持ち悪くもならず、なおかつほかのモンスターに出会であっても

ある程度ていど自衛じえいできるくらいの強さや強度きょうどがあり、気性きしょうあらくなく、いざというとマリアのたてになる

必要ひつようがあるということで、3人してしばらく悩んだ結果、やはりここはくるまだろうという結論けつろんに落ち着いた。


日本のダンジョンには妖怪ようかいがいて、その中に付喪神つくもがみというモンスターが

居るらしく、大事だいじに使われたものにはたましい宿やどるというものらしく、車の付喪神を召喚して今に至る。

現代げんだいでは九十九神つくもがみとも書かれるらしいが、マリアの召喚モンスター一覧には付喪神つくもがみという名前で登録とうろくされていたのだそうだ。


フォルクスワーゲンという車らしい。

愛好家あいこうかがたくさんいたらしく、大事だいじにされてきた車なのだそうだ。

マリアが付けた名前がメタビー、元ネタは何かのアニメから来てるそうなのだが、熱心ねっしん説明せつめいこそされたが、正直よく分からなかった。


ちなみに付喪神ということで、たまに魔力まりょく補充ほじゅうしてやれば燃料ねんりょうもいらず、おまかせで自動で走行そうこうして

くれるし、手動しゅどうで運転することも出来るのだそうだ。

さらに傷付いても魔力を使って自動的に修復しゅうふくされる自動修復じどうしゅうふくスキルが搭載とうさいされているらしい。


まぁ長時間乗ちょうじかんのっていればお尻も痛くなりはするが、馬に比べてだいぶ楽だとのことで、マリアもご満悦で、お肉にはされてはいないし、される予定も今のところ無さそうだ。

だから馬に乗っていた経験けいけんもあながち無駄むだではなかったということだ。


走行距離そうこうきょりによって経験値けいけんちられる存在らしく、付喪神自体にはおのれで戦う意志いしが無いことからか、

基本的にはモンスターに出会えば逃げの一手いってのみで、だからこそ超常的ちょうじょうてきなシステムによわい存在と

認識されているのか、スキルを習得できるらしい。


護衛としてマリアと一緒に乗せさせてもらうと、何やら快適かいてき便利べんり機能きのうがいろいろと追加ついか搭載とうさいされていることから、たぶんスキルによるものなのでは無いかと予想している。


そして最近で一番驚いちばんおどろいたのが、ナビ機能きのう音声案内おんせいあんないで、付喪神がしゃべれるようになっていたことだ。


手動運転でマリアをとなりに乗せてドライブを楽しんでいたら、助手席じょしゅせきのマリアがスースーと寝息ねいきをたて始めたあたりで、「藤次とうじ様、マスターの護衛ごえいお疲れさまです」と急にナビから声が聞こえてきて、思わず急ブレーキを踏んでしまうほどの驚きだった。


いや、付喪神だから意志いしがあるとは頭では理解しているつもりだったが、まさか喋れて、なおかつ相手から話しかけられるとはゆめにも思っていなくて、と俺は誰に対してこんな弁明をしているのだろうか?


マリアにそれを言ったら、そんなわけないじゃないと一笑いっしょうして信じてもらえなかった。

夢でも見たんじゃないの?と正気しょうきうたがわれたほどだ。

その一件以来、付喪神のやつはひと言すらも私的してきな発言をしようとしないが、俺だけは知っているのだ。

こいつは割と他の人の話を聞いているし、たぶんけっこう色々(いろいろ)と考えている。

利口な奴だからこそ、人前ではけっして声を発さないのだ。

だから俺は今日もマリアを助手席に乗せたあと、シートベルトをめ、ハンドルに手をかけ、

メタビーに話しかけるのだ。


「メタビー、今日もよろしくな」と。


ペダルをんでもいないのに、ブオオンとくるまは元気よく返事へんじをするのだった。

【読者の皆様へお願い】


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