第1話
1年ぶりに第2章を書き始めることにしました。
第1章をまだ読まれていない方は、そちらから読まれることをおすすめします。
作者の気分で更新していきますので、気長にお待ちいただければと思います。
百番煎じのような物語ですが、第2章もどうかよろしくお願い致します。
最初はとりあえず3話分投稿します。
雨が降っている。
それは突然のことだった。
空に黒雲がもくもくと立ち昇ったかと思えば、あっという間に大粒の雨が、バケツをひっくり返したかのような勢いで降ってきた!
俺たち一行は、一時的に雨宿りできる崩壊したビル群の瓦礫の下に全員で避難することになった。
湿った薪を拾い、なかなか点かない火に苦労をしながらも、なんとか焚き火を熾すことに成功したが、自分の為ではない。
この身体になってから暑さや寒さにだいぶ強くなったように感じる・・・いや、鈍くなっただけだろうか?
パチパチとはぜる焚き火の弱々しい炎を眺めつつ、まるで自分では無いかのような引き締まった身体に創り変えられた俺は、無意味に力こぶなどを作ってみる・・・ムキムキだ。
今年で40になる中年のオッサンの体ではないなとしみじみと思いつつ、これまでの経緯を思い出していた。
俺の名前は霧型 藤次、見た目だけは若いが、中身はオッサンの英霊だ。
そして隣に寄り添うのが俺を召喚したマスターである、葉月マリアで、彼女は人間で職業はダンジョンマスターである。
マリアの横顔を眺めつつ、綺麗だとは思うものの、まったく情欲のような
ものを感じないのは、たぶん超常的なシステムによって、人間から霊的存在に
創り変えられたとき、人間では無くなった証拠のひとつなのだと思う。
「・・・マスター、ただいま偵察から帰還しました」
前髪からポタポタと雫を垂らしながら、突如としてそこに現れた女騎士風の鎧を身に纏った金髪の美女性が、片膝を地面についてマリアに頭をたれて跪いている。
彼女も英霊、つまり俺と同じ存在だ。
マリアいわく、金髪の女騎士で英霊といえば、セイバーだということで、そう名付けたらしい。
俺を召喚しようとして、間違って召喚された英霊らしく、急に頬を叩かれた第一号なのだそうだ。
なぜか誇らしげにそう語っていた。
「藤次様、マスターの護衛お疲れさまです!」
マリアに報告を一通り終えたセイバーは立ち上がり、わざわざ焚き火を大きく迂回して、マリアの左隣に腰を降ろして、開口一番にこちらを見て、笑顔でそう言った。
英霊としてはセイバーが先に召喚されたのだから、序列としては彼女の方が上になっても
良さそうなものだが、彼女は頑として2人に仕えるのだと言ってきかなかった。
その理由は今でもよく分からない。
「おう、セイバーも偵察お疲れさまっ!
偵察でサイクロプス2体とはおそれいった、俺には気配すら感じられなかったよ」
「いえ、藤次様はまだ人間から英霊になられて日も浅いですから、最初から英霊の私は出来て
当然ですが、藤次様もすぐに出来るようになられると思います!」
ある日、超常的な存在からスキルを与えられたこの世界は、突如としてモンスターが出現し、
人間の文明は崩壊し、地獄と化した。
スキルを与えられたのが先か、モンスターが出現したのが先か、それを論ずるつもりはないが、
規模は把握できないが、たぶん大勢の人々が死んだ。
世界が崩壊しそれでも生き残った人々は、それぞれのコミュニティを作り、恐ろしいモンスターに
抵抗しつつ、いまもこの世界でなんとか生きている。
俺は人間時代に有していたスキルの力こそ失ったが、この世界で生きていくだけの
新しい力と仲間を手に入れた。
そしていまはこの3人で、地獄と化した新しい世界を旅している。
【読者の皆様へお願い】
面白い、続きが気になる!と思われましたら、ブックマーク及び小説下の広告下に『☆☆☆☆☆』があるので『★★★★★』にて応援お願いします!!




