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この壊れゆく世界でスキルを手に入れ生き延びる  作者: 小鳥遊ケイ
第一章 終わりの始まり
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第34話

「藤次、何はともあれお米から運び入れたいから、その柱に出入口作成してよ」


マリアは太めの柱の1つを指さしてこともなげにそう言う。


「ああ、分かった」


10kgのお米の袋が山積みになっているコーナーの近くに立つ太めの柱の1つに出入口を設置した。

そして出入口の扉はそのまま開けっ放しにしておく。


電気が止まり、水道が止まったことで、米を炊くことが困難になったせいか、お米のほとんどが

手つかずで残っていた。


【家具作成:種別キッチン】には、およそ最新式の炊飯器も付いていたし、水道からは美味い水も

豊富に出たのだが、いままでは肝心のお米が無かったため、それらも無用の長物となっていた。

だが今日から美味しいお米が食べられるというわけだ。とても楽しみだ。


だが、5kg程度の米袋ならまだしも、10kgの米袋を片手で運ぶのは、考えただけでぐったり

するほどの重労働である。

そもそもここにある米袋だけでも、たぶん20袋はくだらないし、たぶんバックヤードにはここにある

分を軽く凌駕する量の米袋が保管されていることだろう。


ただ、長く米を食したいのであれば、当然出来るだけ持っていきたい。


マリアは、早々にここは任せたとばかりに、買い物カゴを両手にぶら下げ、調味料コーナーで

調味料を調達しに行ってしまった。

おいおい、さっきの言い方からして、米を運ぶ流れじゃなかったのか!?


まぁ俺も男だ、ここは根性の見せ所だし、やるしかない。


5kgの米袋であればなんとか片手で持つことも可能だったが、10kgの米袋となると、片手で

持つのはちょっと無理があった。

なので、肩に担いでそれを左手で支えて運ぶと楽なことに、しばらくして気が付いた。


10袋もしないうちに、額から玉のような汗がぽたぽたと垂れた地面を無言で眺める。

休み休み、外と不思議部屋を何度も何度も往復し続ける。


もしこれが、【アイテムボックス】のスキルであれば、よくある小説のままの設定なのであればだが、

手を触れたりするだけで収納できたり、自由に出し入れ出来たりできるのかもしれないが、

残念ながら【倉庫】のスキルにはそんな便利な機能は無い。

なぜ無いと分かるのか? もちろん試したからだ。

そこに関しては、自力で運び入れたり、運び出す必要がある。


たぶん生物以外の、両手で運び入れることが出来る物で、なおかつ扉のサイズ以下の物というのが、

俺のスキルである【倉庫】へ出し入れ出来る物の条件なのでは無いかと予想している。


ただどんなスキルであれ、ありがたいことに変わりはないし、同時に身体も鍛えられると思えば、

その点に限って言えば、アイテムボックスより優れているのではないだろうか?

便利であることに慣れてしまえば、いつしかどこかしらが弱体化していく部分もあることであろう。

何事も考え方次第だ。


「・・・よっと、さぁて休憩終わり! また運びますかぁっ!!!」


気合いの入った喝を自分に入れて、まだまだ終わりの見えない米運びを再開する俺であった。

誰とは言わないけど、何事かとこちらを不審げに見てないで、手伝ってくれないもんかなぁ?

あ、目が合った。逃げた・・・・・・。

【読者の皆様へお願い】


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