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この壊れゆく世界でスキルを手に入れ生き延びる  作者: 小鳥遊ケイ
第一章 終わりの始まり
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第21話

くっころだとっ!?

この現代日本に、姫騎士だというのかっ!?


あまりの驚きから、思わず物陰ものかげからおどてしまう。

もう物音など気にせず、助走をつけた勢いのまま、まさにいま姫騎士のまたを無理矢理開き、

馬乗りになろうとしている性欲オークの背中から、石槍を原始人のように持った藤次とうじは、

左手を振りかぶって、そのままの勢いで槍で突き刺した!


だが思いのほか肉の壁が厚かったらしく、浅くしか刺さらない。

その浅く刺さった槍を、そのまま押し込むか引き抜くかで一瞬いっしゅん迷ったが、瞬時しゅんじに引き抜く。

そして再び、すぐに突き刺す!

これを素早く数回繰り返した。


傷を少しでも増やして、出血死しゅっけつしを狙う。


驚いたオークが背中に石槍が刺さったままこちらに振り向くことになり、自然と手から

石槍がもぎ取られ、獲物えものが無くなる。

藤次は、すぐに身をひるがえして走り、物陰に置いてきた金属製のゴルフクラブをつかむと、

奇襲きしゅうを受けたオークが冷静になる前に、オークへと走り寄り、ゴルフクラブで滅多打めったうちにしていく。


「ひゅー・・・ひゅー・・・ひゅー・・・・・っ!!!」


たかだか十数秒の出来事なのに、死ぬほど息が切れてそんな音が自分の喉かられ聞こえる。

だがまだ性欲オークは、目を血走らせて倒れる気配すらない・・・・・・なんて生命力だ!?


性欲オークが自分の獲物をゆっくり手に取るのがスローモーションで見える、

そして石槍をゆっくりと引き、血走った眼で狙いを定め、自分に向って石槍を突き出してくる。

そのすべてがスローモーションで、だが、自分の体がまるで自分の体ではないかのように動かせない。


オークの持つ石槍の先端がゆっくりと迫ってくる。


俺はこの一撃で確実に死ぬ。

そう確信する。

こういう場合、走馬灯そうまとうを見るといわれているが、残念ながら見えなかったなと思う。

そんなことを冷静に考えている俺は、たぶん異常いじょうだ。

考え終えて、でもまだ槍の先端が体に到達とうたつするまで数秒ある。

不思議とそんないだ気持ちのまま冷静に、皆に平等に来るであろう死という瞬間を待つ。


引き延ばされてゆっくり流れていた時間の流れが、急速に戻ってくる感覚がして。


「・・・い・・・・・・ま・・・・で・・す! 殺しきりなさいっ!」


耳朶じだに、女性の叱咤しったする声が聞こえ、条件反射で左手を思い切り振りかぶる。

目の前にいるオークの心臓辺しんぞうあたりから、石槍いしやり先端せんたんが生えていた。

信じられないような物を見たように、俺もオークの視線も槍の先端に吸い寄せられる。


「うおおおおおおおおおおおっ!!!」


考えうる限り、無我夢中むがむちゅうで、左手を滅多矢鱈めったやたらに動かし続ける。

目の前のオークが、ゆっくりと前のめりに倒れ、動かなくなったあとも振り下ろし続ける。


「はぁはぁはぁ・・・」


もう腕が1ミリも上がらない。

このまま倒れて寝てしまえたら、どんなに楽だろうか。

目の前には、ほぼ全裸だが、左手で胸を隠し、石槍をオークから引き抜いている血まみれの

美しい妙齢の女性がいるが、そんなことはどうでもいい。


【レベルアップを確認しました】


いまもっとも望んでいたアナウンスの声が聞こえる。

「すてーたす・・・おーぷん・・・・・、でいり・・・ぐち・・・さくせい・・・」

疲れすぎてもう声を出すのも億劫おっくうだが、最後の力を振り絞り、かすれて耳障みみざわりな声をつむぎだす。


~~~~~~~~~~~~~~~

名前:霧型 藤次

レベル:4(3→4) New!

職業:管理人

スキル:管理人室

     部屋作成 (作成済み)

     部屋拡張 LV1

     出入口作成

     部屋効果:回復

     家具作成:種別トイレ

     家具作成:種別キッチン

SP:10(0→10) New!

~~~~~~~~~~~~~~~


目の前の瓦礫がれきの中でも比較的平ひかくてきたいらな場所に不思議部屋への入り口を設置する。

だが、どっと押し寄せてきた倦怠感けんたいかんあらがいきれず、必死に保っていた意識の糸が

ぷつりと途切れる。

藤次は意識を手放し、足元からくずれるようにやみへと飲み込まれていくのだった。

【読者の皆様へお願い】


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― 新着の感想 ―
[一言] 主人公半年間何やってたの?って位成長してないのね。 半年経過させた意味あった?
2021/07/20 02:42 退会済み
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