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再会

 結局、1限目の途中から授業に参加した。かがみんの席がポッカリと空いていて、やはり家に帰ったのだなと思った。


席に着くと、いきなり輝樹が小さな紙を渡してきた。



「午前休憩 体育館裏」



 うわぁ、呼び出しだぁ。


 

 みんなに謝ってチョコ食べようと思ったのに。保冷剤とか入れればよかったかな。


受け取った紙の裏にこう書いて、僕は輝樹に渡した。



「なぐらないで」



 輝樹から、すぐに別の小さな紙が手渡される。



「なぐんねぇよアホ」



 そっか。ならいいや。



 僕は輝樹に向かって、ほんの僅かに首を縦に動かした。輝樹は僕を見て、フッと鼻で笑った。


 何を考えているんだ、こいつは。


 ──授業のチャイムが鳴る。次の休み時間だから、この時間にみんなに謝ろう。


そう思った矢先、後ろから加藤氏が僕に話しかけてきた。


「狩場隊長、お久しぶり……でよろしいのかな?」


「うん。久しぶり」


「やはり雰囲気が少し違うな。別人のようだ」


「ごめんね、3日間迷惑かけちゃったみたいで……」


「いや、何も迷惑など被っていない。安心してくれ」



「せんぱぁーーーーーい!」


「うおっと!?」



 座る僕にいきなり、横からまどかが抱きついてきた。あぶないって落ちるって。


「会いたかったですー!ねぇ、なんで遅れてきたんですか!?」


「ちょちょちょ、一旦離れて」


「心配したんですよー!?ねぇ、なんで遅れたの!?」


「色々あったんだよ!ありすぎて大変だったんだから!」


「それって、水瀬氏の件か……?」


 若干引き気味の加藤氏が話に入ってくる。


「狩場氏、お久しぶりです!」


「狩場氏、ご無沙汰です!」


 さらに後から、田中氏と渡辺氏が入ってきた。


「田中氏も渡辺氏も久しぶり。迷惑かけてごめんね。


って言うか、離れてよまどか」


「えー、いいじゃないですか!3日間も空いたんですよ?」


「あのね、いまテンション上がるような感じじゃないんだよ……」


「え……。私、狩場先輩に嫌われた……?」


 まどかの表情が一気に暗くなり、腕が僕の身体から離れる。


「待って待ってやめてやめてやめて違う違う違う違う!」


「……うっそーーーーー!


引っ掛かったー!やったぁー!」


「もー、ホントにやめて心臓止まっちゃうよ……」


 まどかは先程よりも強く、僕に抱きついている。


 疲れるけど、楽しい。みんなが居てくれて良かった。


「改めて狩場氏、水瀬氏と何があったのだ?」


「水瀬氏が学校を休むのは初めてだ」


「狩場氏、時間の許す限り教えてくれ」


 親衛隊の3人が再度質問をする。


「う、うん。わかった。時間無いし、簡潔に話すね。


その前に僕から離れようか、まどか」


「このまま聞くっ」


「はぁ……。わかったよ」


 まどかに抱きつかれながら、僕は朝の出来事を簡単に話した。


「今朝、公園のベンチにかがみんと二人で座って異世界から来たことを伝えたの」


「かがみんずるーい!」


「まぁまぁ……。それで、異世界から来たんだったら、かがみんしか知らない情報を言えって言われて、過去の事を話したんだ。


そしたら予想以上に怒っちゃって、面と向かって『大嫌い』って言われちゃって……」


 話しながら、今朝の事が鮮明に蘇る。あぁ、胃が痛い……。


「それで水瀬氏は学校を休んでいるのですな」


 加藤氏が口をへの字にして、納得したように一人で頷いた。


「多分……。これって、僕が悪いのかな……?」


「言えって言ったのは水瀬さんでしょ?先輩は悪くないよ」


「話題がハードだった可能性はありますな」


「水瀬氏が休むぐらいですしな」


 肯定するまどかとは対照に、田中氏と渡辺氏が意見を述べる。


「確かにハード過ぎた気はするけど、それ以外だと信じてもらえそうになかったから……」


「気にする事ないよ。先輩なりに考えて喋ったんでしょ?次に会った時に謝れば大丈夫!」


「水瀬氏は明るい人だからな。ちゃんと話せばケロっとすると思うぞ」


 まどかに続いて加藤氏も便乗して僕を励ましてくれる。


「そうだと良いんだけど……」


「おや、もうすぐ授業が始まるな」


 黒板上の時計を見ながら加藤氏が言う。時間経つの早いな。


「ごめん、次の休憩の時にてる……西園寺くんに用があるから、昼休憩の時にまた話すね」


 隣に輝樹がいること忘れてた。全部聞かれたじゃん。


「おぉ、そうか」


 加藤氏はそう言うと、僕に耳打ちした。


「お気を付けて」


 僕は目だけ笑って答える。ありがとう。


「我々も席に戻ろう」


「狩場氏、また後で」


 田中氏と渡辺氏も早々と席へ移動した。


「まどか、次の昼休憩でね」


「もうちょっとだけくっつきたいんだけど、ダメ?」


「授業始まっちゃうから後でね?」


「しょうがないなぁ。先輩、後でもっと色々聞くからね!」


 少しふてくされながら、まどかは席へ戻っていった。



 ──授業が始まっても、内容なんてこれっぽっちも頭に入ってこない。


 かがみんの件じゃない。


 輝樹の件でもない。


 

 まどか。


 おっぱい、めちゃくちゃ当たってたんだよ。


 感触、身体に思いっきり残ってるんだよ。貧乳のくせに。


 色んな物が止められないし収まらない。魔性の女め。たすけて。



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