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メッセージ

 僕の回想はここで終わっていた。僕の記憶で補足したので長く感じたが、驚くなかれ、まだ1ページ目である。


次のページに目をやると、文章の冒頭が『別の僕へ』となっていた。なんだこれ。そのまま読み進めていく。


「別の僕へ。


3日間はさっき書いた感じでした。ここからは、僕が別の僕へメッセージを送ろうと思います。


なぜか、みんなが僕を助けようと協力してくれました。とても嬉しかったです。


とりあえず友達を作ってくれて、ありがとうございました。


さっきも書いたけど、水瀬さんにゲームの事を登校する時に話すので忘れないようにして下さい。


あと、次のページに宇月さんと親衛隊のみんなのメッセージが書いてあるので見て下さい。


まだ僕は見てないので、なんて書いてあるかわかりません。


あと、西園寺くんは普通でした。


でも、日記に書いてあった西園寺くんに聞かれるなっていうのを忘れてたので、もしかしたら色々バレてるかもしれません。ごめんなさい。


とりあえず誤解を解いて、平和に暮らせればいいなぁと思ってます。


知識がいっぱいあるので、無双できるから楽だと思います。がんばって下さい。


今のところ不安はありません。


今度でいいので、ゲームの事だけ教えて下さい。


それじゃあがんばってね〜」


 文章のすぐ下の空白部分に、棒人間のイラストが書いてあった。


矢印で『僕』『宇月さん』『親衛隊』と書いてあり、何故かキャンプファイヤーらしき火を囲んでキャッキャしている。


すぐ近くにキャバリアっぽい模様の犬とキツネみたいな犬がいて、一緒にはしゃいでいる様子も描かれていた。


小学生レベルの絵だが、どこかほっこりする。特にメッセージ性は無い。単純に、空白が寂しかったから埋めただけだ。


 突っ込みどころは多々あるが、それにしても何故、まどかと親衛隊のみんなにメッセージを書かせたのか。 


記憶が正しいのであれば、火曜日と水曜日にそれぞれ書いてもらっている。


さらに、スマートビューの実物を親衛隊に見せている事が判明した。無意識の僕、マジでやりすぎ。


 次のページをめくると、左ページが親衛隊からのメッセージで、右ページがまどかのメッセージになっていた。


まずは、親衛隊のみんなから読み進めていく。


「勇ましき狩場隊長へ。


文章にて失礼。現在、加藤が代表して執筆している。


宇月氏から異世界の話を聞いた時、正直オカルトの話かと思った。


だが、スマートビューという機械の実物を見て、この日記を読み、本気で異世界から来たのだと認識せざるを得なかったよ。


ところで、どうやら我々はゲームには登場していないとの事。つまり、モブキャラなのだな?


狩場氏のサポートができるのか不安でならないが、安心してほしい。


確かに俺1人ではどうにもできないが、田中氏と渡辺氏がいれば少しは力になれるはずだ。


気を遣わなくて良い。何かあれば駒として好きに使ってくれ。


我々ことにゃん親衛隊は仲間であり、良き友人だ。


今後とも、よろしく頼む。


以下、田中氏と渡辺氏のメッセージとなる」


「狩場隊長へ。


田中です。本当にビックリしました。


いま俺が主人公の仲間なんだと考えると、ワクワクした気分になります。


我々は何があっても、狩場氏の味方です。


末長く、付き合っていきましょう!」


「狩場隊長へ。


渡辺です。ようやく宇月氏の話を受け入れられました。


この世界がどんな風に描かれているか気になりますが、あえて追求はしません。


狩場氏と共にことにゃん親衛隊を続けられるだけで、俺は幸せ者です。


これからも、どうぞよろしく!」


 朝から涙が出そうになる。


 みんな、無意識の僕が『モブキャラ』なんて言ってごめん。


 もう親衛隊のみんなは、僕にとって『メインキャラ』同然だ。


 それに、僕は主人公じゃない。


 少なくとも今の主人公は輝樹だ。


 だけど、必ず僕が主人公になってやる。


 かけがえのない、みんなの為に。



 最後はまどか。きれいな字で書いてあって、僕の似顔絵や可愛らしいクマの絵が描かれている。


涙を堪えながら、頭から文章を読み進めた。


「狩場先輩♡


こんな日記があるなんて知らなかった!隠し事なんてズルいよー!今度からちゃんと教えてね、先輩!


それでね。この前、私が独りぼっちだって言ったでしょ?


今も自分の部屋で書いてるんだけど、全然寂しくないんだ。


狩場先輩の事を思い浮かべてたら、なんだか隣にいてくれてる気がして。


この3日間の狩場先輩もいいけど、やっぱり月曜日の狩場先輩がいいな。


早く会いたい。


会って、もっと色々話したい。


あ、でも先輩のハートなくなっちゃうから程々にしないとね。


……本当は、天音ちゃんに少し嫉妬してるの。


先輩がずーっと天音ちゃんの事を考えてるんだなぁ、って思ったら、なんか羨ましくなっちゃって。


私って、多分、メンヘラだしめんどくさい女だけど、狩場くんのこと応援したい気持ちは、本当だから。


だから……ちゃんと狩場くんが幸せになれるように協力するね?


それじゃ、また学校で!」


 

 なんだよ、まどか。


 会いたいとか、嫉妬するとか。


 そういうのって、好きな人に言うんだよ?


 僕になんか言わないでよ。


 それにメンヘラとか訳わかんないこと言ってるし。


 途中から狩場先輩じゃなくて、狩場くんになってるし。


 お願いだから、これ以上は優しくしないで。


 本当に、まどかの事が好きになっちゃうから……。

 


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