表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
11/141

登校初日

 教室へ到着したのはホームルーム開始5分前。クラスメイトはすでに席についている。


 ドアをガラガラと開けた瞬間、ほぼ全員がこちらを凝視したので心臓が跳ね上がると思ったが、


現実でも登校初日はそんな感じだった気がするなぁ、と思ったのですぐに平静を取り戻した。


 席について、まずは右隣を見る。


 ことにゃんが座ってる。隣じゃんヤバ。めちゃくちゃ可愛い。天使。ヤバ。死んじゃう。気持ちを抑えろ自分。息を荒げるな自分。無理。ハァハァ。


 どんな顔で凝視していたかわからないが、こちらに気が付いたことにゃんが、ほんの少し顔をそらしたような気がした。


 いかんいかん。攻略に支障が出てしまう。


 何故かわからないが、慌ててパッと左を見る。


 西園寺輝樹が、アゴに手をついてダルそうにしている。



 え、僕、コイツとことにゃんに挟まれてんの?



 やりにくいったらありゃしない。まぁでも、僕の方がことにゃんに近い訳だし、運が良かったという事で。


 そのまま左後方を見ると、水瀬鏡と目が合った。


 思いっ切りしかめ面をしていたので、すぐに前を向いた。



 なにあれ、こっわ。



 かがみんはあんな阿修羅みたいな顔しない。僕の知ってるかがみんじゃない。もう後ろ見れない。


 最後に、右後方をチラッと見る。


 メインヒロインの1人である、『宇月まどか』が座っている。


 赤みがかった茶髪のショートボブで、笑うと八重歯が見えるのが特徴だ。


3月31日生まれというだけで、同級生なのに色んな人に敬語で迫っていって『先輩♡』と言うのが口癖。


学年の設定上、後輩キャラができないのでこんな感じになったのだろう。


割とイタズラ好きで、まどかにいっぱいイタズラされたいというキモオタが後を絶たない。結構人気キャラである。


 それにしても、モブキャラ含めて周りは美男美女ばかりだ。


不細工が二次元に行くとクリーチャー扱いされるという話を聞いた事があるが、僕は大丈夫なんだろうか。


 そんな事を考えていると、右前のドアがガラガラと開いた。


 茶髪で長髪のスラっとしたメガネっ娘。


 出たな、攻略できない美人教師。


「おはようございます。今日からこのクラスの担任を務めます、明智玲奈です。皆さん、よろしく!」


 透き通るような元気な声が教室に響き渡る。大変だ、担当の声優さんそのままの声じゃないか。


そんな明智先生を見ると、本当にミラプリの世界に入り込んだんだなぁ、と改めて実感できる。いつの間に鳥肌が立っていた。


「それじゃあ早速、みんなの自己紹介から始めましょう。まずは……阿部さんから!」


 モブキャラである阿部さんの自己紹介が始まる。ことにゃんは天音なので、この次だ。


 早々に阿部さんの自己紹介が終わり、いよいよことにゃんの自己紹介が始まる。


 さて、どうだ。


「続いて、天音琴葉さん!」


「は、はい!」


 ことにゃんが恥ずかしそうに席を立つ。やはり緊張している。


「えーっと……。天音琴葉と言います。好きな食べ物は、お母さんが作るグラタンです。


お口の中でチーズさんがとろけて、とっても幸せな気分に……。


はわわ、ごめんなさい!


誰かと喋るのが、ちょっぴり苦手です。皆さん、よかったら仲良くしてくださいね」


 あぁ、なんということだろう……。


 一字一句、天音琴葉の自己紹介だ……。


 自己紹介を聞きながら一緒に自分の口を動かしていたけど、


 声のトーン、スピード、間合い……。


 どれを取っても、完璧なスピーチじゃないか……。


 自然と涙が流れ落ちる。


 先程流した絶望の涙とは全く違う、感涙。


 僕は、ここに改めて誓う。


 ことにゃん、いや、天音琴葉さん。


 

 貴方を、僕のお嫁さんにしてみせます。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ