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剣と龍と神  作者: カナメ
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六十九話

本日二話目の投稿です。

読む順番を間違えないでね、お兄さんとの約束だ♪

いや確かにキーリカを見た最初の印象は、男にしておくにはもったいないほどの美貌だなって思ったのは事実だ。

事実だが、いやいや誰が予想できる?

絶世の色男が実は女だって。

思い返してみれば中性的な容貌だったし、仕草は女性のソレだったがまったく違和感がなかったのでごく自然に見過ごしていた。

それはファラやルシスも同様だった。



「まさか……」



「すいませんマスター、まったく気付きませんでした」



衝撃覚めやらぬ事態にファラは目を見開いたままだし、ルシスは痛恨の極みだと言わんばかりに気付けなかった自分を責めながら、オレに謝っている。

……そんな謝るほど深刻な事態かと思いつつ、気にするなと言わんばかりにルシスの頭を優しく撫でる。

あまりワシャワシャすると髪が乱れそうなので、あくまで優しく、ナデナデを意識しながら。

すると常にクールビューティなルシスが嬉しそうに、はにかんでいる。

うん、可愛いね。

あと銀髪の触り心地最高です。

なにこのフワッサラッって!

これでルシスの髪に触るのは三度目だけどやっぱいいわ~。これからは隙あらば触らせてもらうか。ルシスに隙なんてあればの話だが。

ふと突き刺さるような視線を感じてそちらに目を向けると、唖然としていたファラが正気を取り戻し、こちらを羨ましそうに……正確には尻尾があれば振り回さんばかりに恍惚としているルシスを見つめていた。

…………何か無性に可愛く見えたので空いている方の手で手招きすると、信じられないくらいアッサリとファラが近付いてくる。



普段はツンデレの化身とまで言われ、媚びない女獅子が素直にオレの元の来る光景は必見だ。

むしろ記録映像に残して後々までファラをからかいたい。

……からかった直後にこれでもかと言うほどぶん殴られそうだが。

とにかく無防備に近付いてきたファラに対してすべき事は一つのみ。

オレの手は何本ある?

そう、二本だ。

一本はルシスにかかりきりだが、もう一本は空いている。

ならばどうする?

簡単だ、ファラの頭も撫でればいい。



ルシスとは違い、こちらはダイナミックにワシャワシャと撫でる。

だがファラは怒ることなくむしろ喜んでオレのされるがままにされている。

ファラの髪がショートだからってこともあるが、普段からファラは自分でワシャワシャと髪をイジる癖があるのでこれくらいが丁度いいのだ。

しかし……こちらも触り心地最高だ。

ダイナミックに撫でているのにあまり髪が乱れず、自然な状態に戻っている。

すげえ!

なんだこの髪質!

一人感動しながらも、二人の美女の頭を撫で続ける今のオレって客観的に見るとどう映るんだろう?



「……カインが猛獣を手懐ける猛獣使いのように見えるな」



客観的立場からヴェルガードがその答えをくれた。

なるほど、猛獣使いか。

言い得て妙だな。

この二人はオレ以外が頭を撫でたら問答無用で噛みつきそうだし。



「う~ん、羨ましい。わたしも頭を撫でてほしいが……まだ時期尚早かな」



そして虎視眈々とその立ち位置を狙うキーリカが恐いです。オレなにかキーリカに好かれるような事したか?

二人の頭を撫でる手を休めることなくオレは思い返すが……ダメだ、心当たりがない。



「キーリカ、カインに興味津々だな」



「はい、とても興味があります。ヴェルガード様のご友人としても、『剣龍』をああまで見事に手懐ける手腕も、『剣神』の一人である事も、全てが興味深いです」



「ならロードギアではカインと共に行動するか?」



ちょ、突然なにをほざいているんだあの『鬼神』様は!



「よろしいのですか!?」



うわ、キーリカの食いつきも半端ないし。



「あぁ、カインにはワシから言っておこう」



「是非お願いします!!」



え~もうやだ~。

キーリカが同行したらファラとルシスの機嫌が急降下一直線だよ。

ヴェルガードの奴、他人事だと思って無責任な発言しやがって……後で猛抗議してやる!

だが今は二人の頭を撫でるの優先!

しばらくは至福の時間を堪能した後、オレはヴェルガードを問い詰めた。



「キーリカはお前が連れていけよ、お前の部下だろ」



「そうしたいのは山々だがキーリカが一番適任なんだよ」



「適任?何のだ?」



「ロードギアでは『剣鬼』ともやり合う事になるかもしれん……というか確実にやり合うだろう。その時に同族たるキーリカがいれば的確な助言が出来るはずだ」



うっ、思ってたより真正面から正論を突きつけてきたなこいつ。

これでは反論材料がないぞ。



「だ、だがそれは別にキーリカじゃなくても……」



「道雪はお前に、十郎太は『剣龍』にそれぞれ苦手意識を植えつけられたから却下だ。あと残るのはキーリカのみ。しかもキーリカは乗り気だ」



ぐうの音も出ないとはまさにこれか。



「あとはあの『剣龍』達にキーリカに手を出さないとカインが説得すれば全てが丸く納まる。というわけで頼んだぞ」



おいおいおい、丸投げかよヴェルガード!



「ロードギアでは基本別行動だが、連絡手段はキーリカに伝えてあるから後で聞いておけよ。三大勢力の動きにもよるが、現状ワシらはラーズ側で参戦する予定だ」



いやまぁ誰が好き好んでホトや『剣鬼』の味方をするかと叫びたいから消極案からラーズ側で参戦することに文句はない。

むしろ妥当な選択だ。

だから同行者に関してはもう少し互いの意見を交換しようじゃないかヴェルガードくん。



「ワシはジイと道雪と十郎太を連れて遊撃隊として独自に動く。カイン達も目立たない程度にホトや『剣鬼』の戦力を削ってくれ。下手に目立つと厄介な事態が目白押しだからな」



主にあの性悪『剣神』三人組のことかな?



「わかった、わかったよ、キーリカのことは任せろ。あとお前こそ目立つなよヴェルガード。即座にレラフがお前の元に降り立つぞ」



今更オレもキーリカの同行に関して拒否はしない。

オレの精神衛生上面や、居心地は悪くなるかもしれんが、ヴェルガードの言いたい事もわかるしな。だから親切にも忠告してやる。



「恐いことを言うな。ワシはあの女に会ったらすぐにでも逃げるぞ!」



「是非ともそうしてくれ。お前が捕まったら次はオレの番みたいだからな」



「カイン、死なば諸共、道連れという言葉を知っているか?」



「虚ろな目で恐ろしいことを口走るな、冗談でも笑えん」



「冗談じゃないからな」



だから恐いんだよ、その発言の数々が!



次話はロードギアに帰るの巻です。


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