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剣と龍と神  作者: カナメ
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二十三話

ネタがないな…作者のね。作品自体は勝手にキャラが動き回るのでもう任せてます。特に主人公に。

死体の方に目を奪われたが、とりあえず顔を確認。

知ってる顔かも?



「…………誰だ、お前?」



全く知らん顔だ。

全身を黒のローブに身に纏っているのも何か胡散うさんくさい。

だがこの場にいるって事は、一般人なわけない。

剣神か?

なら聞くべき事は一つ!



「アベルはどこだ?」



「くくくっ、面白いですねアナタは。トゥアラもさっさと帰らずにこっちに来ればよかったのに」



「質問に答えろ」



「これは失礼を。ワタクシはホトと申す者。ご推察通り、剣神です」



やはりか。

剣龍であるファラ達と魔素量を比べてもまるで見劣りしない。



「ちなみにアベルとは……まあ友人だった仲です」



「ここに来ているのか!?」



「いえ、死にました」



「はぁ!?んなわけあるか!ちゃんと手紙が届いたんだぞ!しかも本人の字で!死者が手紙を書けるか!!?」



激怒するオレに、ホトは微笑む。



「あれはワタクシが出したんですよ。かつてアベルが書いた手紙をメッセンジャーに渡してね」



「うそをつくな、メッセンジャーは確かにアベルからと言ったぞ!」



「ふむ、ワタクシは信じないがメッセンジャーは信じると?可笑しな話しですねぇ」



「何が……!」



そこで気付く。

なぜオレはメッセンジャーを信じるんだ?



「我々剣神に仕えるメッセンジャーを信じて、その主人たる剣神は信じないとは……ククッいや面白い方だ」



くっ!



「……何故、そんなマネをする?」



「アベルの遺言みたいなものです。ワタクシはただそれに従っただけ」



「いつ、何で死んだ?」



「二年前に死にました。死因は…さて何だったか?」



記憶をさぐるホトがようやく思い出したと手を叩く。



「首を斬られて即死です」



「即死?」



「えぇワタクシがこの手で。あの若さであの強さには感心しました。素晴らしい弟さんでしたね」



ホトが能天気にそうほざく。



「お前が…!」



「何でしたら連れてきますか?今は屋敷にありますよ。ワタクシは強者の死体は綺麗に保存してあるんですよ~、実験と趣味を兼ねてね」



それ以上は聞くに値しない戯言たわごとだ。

右手に握った愛剣を振り下ろす!



「おや?気に障りましたか?」



それを事も無げに余裕で避けるホト。



「貴様はオレが殺す!」



「そんな体でですか?」



「関係ない!」



『待て』



走り出さんとするオレをファラが制止する。



「ファラ、止めるな!オレの命ならこいつを始末してからいくらでも奪えばいい!だがこいつだけは……!」



『冷静になれ、バカ弟子。それにお前の命は一つしかないぞ』



すさまじい威圧感でオレの動きを釘付けにしつつ、ファラがホトへ視線を向ける。



『ホトよ、剣神と剣龍の間に交わされた誓約を忘れたか?』



「いえいえまさか。愚者たるワタクシでもあの誓約はおぼえています」



『ならば退け。この候補者の命は剣龍のものだ』



ファラの言葉にホトが肩を震わせる。

その顔は下を向いている為、表情は見えないが…笑ってる?直後、答えが出た。



「あはははははっいやいや笑わせてくれるな剣龍よ!最高だアハハハ」



『愚者が。何が可笑しい!?』



ホトのあまりに無礼な態度にルシスが睨みつける。



「いやいやいや、これを笑わずにどうしろと?誓約?今更そんなものを守る気がある奴は一人もいねぇよ!」



『な、何!?』



信じられない言葉が剣神であるホトから発せられルシスが戸惑う。

反面、ファラはどこか達観していたのか、さほどのショックを受けている様子はない。



「ハハハッ古くさい誓約に縛られた憐れな龍め!すでにそんなものに誰も興味ないわ!!剣神が揃うと揃うまいと戦争は起きる!」



『何故、断言できる?剣神といえども、全てが分かるほど万能ではあるまい』



唯一冷静なファラがホトを問いただす。



「知りたいか?それは我々剣神の手によって起こされるからさ!二人ほど無関心な奴等もいるが、残る三人ですでに世界中に火種を撒いた!まずはこの大陸から始まるぞ、ハハハッ!」



『愚かな』



ファラが呟いたのはホトと自分自身にだろう。

愚直に誓約を守り続けた結果が今だ。



「すでに剣神全てに繋がりはない。候補者選びもワタクシを含む三名で適当に選んだだけだ。メッセンジャーもトゥアラの部下の一人に過ぎん。貴様等剣龍は素直すぎた。人間という生き物を、信用しすぎだ!だから絶滅寸前にまで追い込まれるんだよ!!」



『貴様!!』



怒りの限界点を超えたのだろうルシスが



『属性剣技、氷光乱舞』



手加減なしの剣技を発動!

人間形態の時は刀の先端から魔素を展開したが、龍形態の場合はその巨大な口から展開している。

人間形態に比べて魔素の量と展開している大きさが桁違いだ!

このままだと巻き込まれて死ぬし!



『カイン動くな。ルシスとは別にアタシが守ってやる。…ルシスは我を失っているだけだ』



ムリもないだろう、誓約を守る事でこの世界、ロードギアを荒廃させまいとしていたのに、新たな管理者であるはずの剣神達が、戦争を起こさんと画策しているのだから。

ファラがオレ個人専用に結界を展開。

正直助かる。

外法剣技のせいで魔素は欠片も残ってない。

こうして赤帝刃を形に留めているだけでも苦労しているのだから。



「ふふっ面白い、神剣をもってから剣龍と戦うのは初めてだ!久々に本気を出せそうだ!」



ルシスが展開する魔素を見てホトが歓喜の表情を浮かべる。

同時にホトも魔素を展開。

こちらもすさまじい量だ!



『死ね!』



放たれる、ルシスの剣技をホトが正面から迎え撃つ!



「唯一剣技、死翼しよく



もはや数百にもなる魔素の塊がホト目掛けて降り注ぐ!

それに対してホトが発動した剣技は、ホトを中心に巨大な翼を四枚展開。

その全てがホトを守るように折りたたまれ、ルシスの剣技を完全に防ぐ!



まさに圧倒的な光景を前に、オレは傍観する事しか許されなかった。

剣神は基本悪役です。あくまで基本ね。

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