十八・五話
こんな奴等もいるんだよ~
かつて人外の存在が争い合う戦争があった。
双方、人間には及びもつかない力をもって殺し合い、その規模と強大さに、人間は震えているだけの日々を送った。
人外勢力の一つ
剣龍
百にも満たない総数ながら、一体一体の絶大なる力をもって敵対勢力を排除してきた。
それに対抗するまた別の人外勢力
剣鬼
その存在は剣獣とは違った進化を遂げた存在。
契約者を求めず、その力を自身の為だけに使うと定め、敵を駆逐してきた。
その総数は数万。
どちらもその力をぶつけ合った結果、多大な犠牲を双方に残す。
剣龍は大半が死に絶え、その総数をたった六体にまで減らされた。
対して剣鬼側も頭領たる鬼神を討たれ、数万規模の死傷者により戦闘継続は困難となり、別世界へと逃れた。
結果だけを見れば剣龍側の勝利だが、以後剣龍達はその勢力圏を維持出来ず滅亡の一途を辿る。
こうして人間達は人外の勢力が支配していた地域を侵略。その勢力圏を広げていく。
それが二千年前の出来事。
後世に伝わる『鬼神戦争』の結末だ。
そんな結果を無論、認めない存在はいる。
別世界へと渡り、二千年もの間を苦汁を飲み続け屈辱を耐えてきた存在。
剣鬼
最盛期に比べれば、まるで雀の涙ほどの総数だが、その力は衰えず、逆に強さを増していた。
そして鬼神が未だ復活しない期間、強さで序列を作る事を決定。
それが八鬼王。
そしてその直属配下達からなる八鬼衆。
これにより鬼神亡き支配力を維持、数少ない生き残りをまとめあげる事に成功した。
そして二千年の時を経て、剣鬼達が動き出す。
向かう地は、かつて自分達が生まれた世界、ロードギアだ。
そんな剣鬼達の王達が座する巨城。
その一室から二体の剣鬼が出てくる。
その内の一体の表情は苦虫を千匹は噛み砕いたものだった。
「おいおいせっかく先陣の大役が任されたのに、何だよその景気の悪い顔は」
左目に切り傷のある体格のよい剣鬼が同僚である隣の小柄な剣鬼の肩を力強く何度も叩く。
激励半分、嫉妬半分のそれを叩かれていた小柄な剣鬼が片手で邪魔そうに振り払う。
「ならお前がかわりに先陣をきれ、十郎太。いくらでも譲ってやる」
「んな事できりゃあいくらでもかわってやるがムリに決まってるだろ!八鬼王の方々の直々のご命令だぞ」
「だよな」
「ったくよぅ、ちったあ嬉しそうにしろよ。誰にでも手に出来ない大役だぞ」
「……気がのらん。同じ八鬼衆の誰かにマジで譲りたい」
「ロードギアに、一回に連れて行ける数は限られているからな、そうそう編成はかえられんだろ」
「マジで鬱だ」
「おいおい出発まで三日とねぇんだ、そんなやる気ねぇ姿を部下には見せんなよ、レギオン」
「分かってはいるが…やる気の出ない問題は転移先だ」
「あぁ、あそこな。偵察部隊が報告した例の」
「何で初っぱなからアレの相手させられるんだよ。お前ら自身がいけよ」
「おいおい鬼王の方々に聞こえるぞ」
「ったく行きたくないなぁ…ヴェルジュ樹海なんて」
運命の悪戯か?
そこに集うは様々な勢力。
剣龍
剣鬼
剣神
そして候補者
彼の地に
ある者は待ち続け
ある者は命令で
ある者は誘き寄せ
ある者は導かれ
集う。
聖域にして禁域。
ヴェルジュ樹海に。
さてヴェルジュ樹海に集まりました。どうなるかは作者も知りません。結末はある程度は決まってますが過程は真っ白です!すんません!!




