十六話
いや~夢みたいな場面だ。
その発言内容に絶句するしかない。
予想はしていたが本人の口から聞かされると、二重の衝撃を受ける。
故に…
「マジで?」
間の抜けた言葉しか口にできない。
「マジだ」
拷問の様な体勢のままに、ファラが説明してくれた。
本人曰く、ファラには他人の潜在能力を引き出す特異性があり、その手段としてその潜在能力を引き出す相手と自分の肉体の器を一つにしなくてはならない…とのこと。
肌と肌を合わせる程度では不可能であり、あくまで二人の体を一つにしなければ引き出せないとか。
…………正直信じられない内容だが、ファラの一族では珍しくもないとか。あくまで女性限定らしいが。
「ちなみにそれって何回でも出来るもんなの?」
いや深い意味はないよ。
そんな便利な能力があったら貞操概念が何か破綻しててもおかしくないとは思ってないよ!
「いや、一回だけだ。引き出す者が処女でないと効果はないと過去に実証されてる」
…………処女ですか、そうですか。
それに異常なまでの貞操概念のなさは元々ですか、ありがとうございます。
「…その一回しかない特別をオレが相手でいいのか?」
今なら理解できる。
妙に短期間で強くなる方法をファラが渋った理由が。
オレ自身の命が危ないというのもあるが、ファラ自身も自分の初めての相手とその一回しかない特異性をオレに捧げていいのか迷ったのだ
当然だ。
当然すぎる。
どうせ捧げるなら嫌いな相手より好きな相手にした方がいいに決まってる。
……そう考えると、この状況はすごくマズイ!
ファラは覚悟を決めたようだが、そんなのは駄目だ、オレが認めない!
心の中で強く、んなことさせられるかーと叫ぶ!
オレは手の平をファラの肩に当てて(この際は特に理性を振り絞って自制した。主にすぐ目の前にあるファラの胸部に触れない様に、胸に触れない様に、おっぱいに触れない様に!!オレ頑張ったよ!)押し上げる。
互いの距離が少しではあるが開いた。
ファラが心底驚いた表情をしている。
だろうね。
オレも今の自分の表情は非常に残念そうにしているだろうね。
必死に平静を装ってはいるが隠しきれているかは自信がない。
だってこんなに美人なんだよ!
オレも美人は好きだよ、大好きだよ!ファラはそんな美人の中の美人だ。絶世の美女と言って差し支えない。だが、オレの血ヘドを吐くような努力を誰か察してくれ。
「駄目だ、ファラ。駄目なんだよこういう事は」
やべ、声が残念さの余り震えてる。
「なんだ?アタシの体には魅力はないのか?」
「いやいや魅力ありすぎだ」
それは断言できる。
「なら欲情しないのか?」
無茶苦茶してますが何か?
オレだって男だよ、美女の裸を前に興奮しない程には枯れちゃいない。
オレは首を横にふる事で否定する。
「これでも自分の体には多少の自信があったんだがなぁ…」
でしょうね。
多少の自負はあるだろうね、その外見。
だからこそ自分の体を大事にしてほしい。
やべ、目線が親視点だ。
「カインの好みは幼女か。色々と残念だな」
「誰が幼女好きだ、誰が!?」
スルー出来ないキーワードに異議ありだ!
「違うのか?」
「全然違うわ!」
「しかしアタシの体が好みじゃないって事は、その真逆の幼女体型だろ?幼女相手は色々大変だぞ?特に世間体が」
「だから幼女好きを前提に話すな!オレの好みは出てるトコは出てるファラみたいな体型だ!!」
…………叫んでから数秒、自分自身の発言にハッとする。
やべぇ、墓穴掘った。
そんな『しまった』という表情のオレにとは逆にファラがニヤリと笑った。
まさに鬼の首をとったといわんばかりのその表情。
うん、怖い。怖いです。
「ほぅ、アタシのような体型が好み…と」
「あ…えっとですね……今のは…その…………」
駄目だ、何もいい言葉が浮かんでこない!?
「なら問題はあるまい。何を遠慮してる?本能に身を任せ、アタシの体を貪ればいいぞ?アタシが許す」
その誘い文句にオレはファラの体を抱き寄せる。
もうムリだ。
これ以上はさすがのオレも本能には逆らえない。
だがまだ最後の最後でオレの理性が一線を越えまいと奮戦している!
していたのだが…
「これは命令だ」
ファラのその一言で理性を手離した。
命令なら仕方ない。
そう自分に言い聞かせて…………
オレは本能のままにファラを押し倒し、上へのっかる。
ファラに抵抗の素振りはない、ただ黙ってオレを見上げている。
互いにそれ以上の言葉はなく…オレは遠慮なくファラの体を貪り喰う。
ただひたすらに。
嬉々として。
その体を蹂躙していった……………………
性描写って苦手なんすよね~。




