騎士
「そこの貴方待ちなさい。」
急に目の前で誰かわからない人が言っている。誰に言ってるのだろうと通り過ぎる。
「貴方よ!総団長様を唆した女狐の貴方に言っているのよ!」
私?唆してないけど…この人誰だろう。お披露目会以降落ち着いていたので1人で歩いた瞬間これか…。やっと自由になれたのに。あれ以降皆が私に過保護で困っている。穏便に済ませたら誰にもバレないだろう。
あちらでお話しません?庭に誘ってみる。廊下よりはバレる確率が下がるだろう。仕方無いわね!と行ってくれる。なかなか純粋な方なのか?さっさと帰ってもらおう。
「えーっとハルト様との事ですか?」
「ちょっと留学してる間に総団長様が婚約してるなんて一生の不覚だわ!政略結婚かしら?!辞退なさい!」
「シッ!もう少し小さい声で!周りにバレる!」
大きな声で話し出した令嬢を諌める。本当辞めて欲しい。気配を感じて見ると騎士様がいる。大丈夫という意味を込め頷くと、騎士様は頷き立ち去った。ふぅ危ない。
「政略結婚では無いですし、辞退もしないです。出来れば騎士団内で話しかけるのは辞めて欲しいです。外でお願いします。」
はぁ?なんでよ…何故か声が小さくなる。え?何?と思った時、後ろから抱きしめられる。大丈夫?とノアに聞かれ、あぁ終わった。彼が教えてくれて良かったと、先程の騎士様が居る。呼んできました!と胸を張っている。違うー!そっちじゃない!
「で?誰?」
「私…ぎゃ!痛いっ!!!」
上層部のアンディ様が令嬢の頭を拳で殴り、頭を下げさせていた。すいませんでした!!!大きな声が響く。
「お前!昨日あれだけ言ったよな!!?総団長は気持ち悪いくらいに溺愛してるから諦めろって!!」
「そんなの信じられる訳ないでしょ!!?あの孤高の総団長様よ?溺愛なんてする訳ないじゃない!!!」
頭を下げさせられたまま揉めている。アンディ様の娘さんかしら。
「アンディそれくらいで。もう入らさないようにしてね。2度目は無いからね?」
「ありがとうございます!言い聞かせます。聞かないようなら他国に嫁がせます。」
なんでよ?!と暴れる子を連れてアンディ様が立ち去った。怪我無い?大丈夫?と私の体を確認し何もなくて良かったと安心している。騎士様にもお礼を言い手を引かれる。
「気持ち悪いくらいにって…アンディ様。」
「…あいつ言ってたな。」
先程のアンディ様のセリフに笑ってしまう。そんな風に思っていたんだなってノアが遠い目をしている。確かに真実だから責めづらいって嘆いていた。
「やはり1人はまだ危ないね。誰かに…」
いや!大丈夫だと思うよって言い続ける。ほら!すぐ助けてもらえたし!ね?大丈夫だよと。次はダメだからねって約束をした。
なのに何故…騎士団から出たら柱に隠れて待っている。中に戻ろうか。悩んでいたら遠くから小さな声が聞こえる。
「ごめんなさい。」
え?謝ってくれた。近寄ってみると怯えた子猫みたいになっている。アンディ様が怒ったからかな。わかってくれたならいいの。大丈夫?と聞いたら、コクコクと頷いている。ずっと憧れていたのです…と俯いている。
「ハルト様?」
「はい。小さな頃から騎士団について来ていて、初めて見た時から格好良くて大好きになりました。お父様の影響か騎士様が憧れで。留学行って帰ってきたらまさか婚約しているなんて思わなくて…お父様にも首にする気かと、とても叱られました。ご迷惑をおかけしました。」
「私リディアっていうの。貴方はお名前何て言うの?」
カトリーヌですと名乗ってくれる。カトリーヌ様少し待ってもらっていいですか?と告げ走る。帰ろうとしているノアを見つけ一緒に戻る。
「カトリーヌ様と和解をしました。立入禁止を解除して下さい!」
ノアに頭を下げる。意味がわからないという顔をしているが、まぁリディが言うならと。アンディにはそれで伝えるけどと渋々納得してくれる。
「カトリーヌ様!私も騎士様が大好きで憧れなのです!見れなくなるのは寂しいですよ。もう大丈夫ですからね。アンディ様に会うついでに格好良い騎士様を見て下さい!」
「変な人…ありがとうございます。今度見学会ご一緒してくれますか?」
もちろん!いつでもと約束をして、遅くなる前に帰ってくださいと帰らせる。待たせていたノアを見ると、頭を抱えている。急に来てもらってゴメンねと謝る。。
「私以外の騎士には惚れないでね?」
手を繋ぎノアが1番格好良いから大丈夫!と伝えると、リディには永遠勝てないよってため息をついている




