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騎士服を愛でたい令嬢は、騎士団に勤めたら溺愛されました。  作者: 漆原 凜


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愛でる

重たい足を引きずりながら本部へと向かう。どうして本部なのか…事務官服などより騎士服に埋もれて働く予定だったのに。たくましく凛々しい騎士服は勤務外に愛でよう。


「今日からよろしく。」


上官の方が新人達に挨拶をし、各担当先輩へと紹介していってくれる。


「アイリス様よろしくお願いします。」


「よろしくね。私もまだ3年目だからまだ新人みたいなものなの。頼りないけどわからないことは何でも聞いてね。」


アイリス様はとても優しそうな方で安心する。本部の中を色々説明してくれ席に着く。


「あの奥の部屋は何ですか?」


「あぁ総団長の部屋だよ。基本王宮内の執務室にいて、本部内にも一応部屋が用意されてるんだ。各団長がいるし本当何かあった時の指示用ね。」


近くで見れるかも知れないって事?胸が高鳴る。あの制服を間近で拝めたらもう悔いなど無さそう。今でも目に焼き付く姿は、それほどまでに崇高な装いだった。


「総団長狙い?たまに狙ってる人いるけど高嶺の花だよー。なかなかお目にかかれないし。」


「違います!崇高過ぎてそんな下衆な気持ちはありません!」


たまに信望者いるけどそっち?って笑っている。見目麗し過ぎて眩しすぎるものね。総団長って見目麗しいんだ。制服しか見ていなかった事に気づく。そうですねと愛想笑いし、早速仕事を教えてもらう。


初日が終わりラナと一緒に入団祝いのご飯へと向かう。初日からお友達が出来るなんて、隣の席がラナで良かった。


「おすすめのお店でいい?」


「いいよ!楽しみ!」


ラナがお兄様からおすすめされていた庶民的なお店に案内してくれ、メニューを見ながら話をする。


「青龍騎士団って凛々しくて素敵よね。私青龍騎士団に配属されたかった…。」


「本部の方がいいじゃない!騎士なんて良い人ばかりじゃないし、事務官が多いほうがいいわよ。騎士なんて家族だけでお腹いっぱい。」


「羨ましい!私も騎士家系に産まれたかった!」


そこまで騎士が好きな人も珍しいよね。って笑われた。騎士じゃない!騎士服!しかしこれ以上変な人には思われたくないので黙る。


「リディアは婚約者いるの?」


「いないよ。家族はもう諦めてて、好きな騎士様見つけてこいって言われてる。ラナは?」


「んーまだいない。お父様が決めるから近々決まるんじゃないかな?」


そっか。貴族の令嬢には仕方無いよねって愚痴をいいながら盛り上がる。楽し過ぎてワインがすすむ。


「お兄さん1人?それ美味しそうですね。」


「リディア落ち着いて!」


隣の席にいた人に会話をふる。笑いながら食べますか?って聞いてくれいただく。


「美味しい!こっちも美味しいから食べて。はい、あーん。」


少し戸惑っているが食べてくれる。え、可愛い。騎士服以外の人をそう思うのは初めてだった。黒髪に黒縁メガネながら綺麗な顔をしている気がする。


「リディア帰るよ!もうお酒禁止だから!」


はい!っと大人しく帰り支度をし、お会計を済ませお店を出る。ラナに大丈夫と告げ解散し、お兄さんの元へ戻る。


「ただいま。」


お兄さんは笑いおかえりって言ってくれる。あぁ好き。可愛い。


「今日仕事初日で希望の配属じゃなかったの。騎士服を毎日愛でたかったのに…でもお兄さんに会えて帳消しになった。騎士服じゃないのに可愛い。」


「騎士服そんなに好きなの?ノアって呼んでよ。名前教えて?」


「リディだよ。騎士服のために騎士団に入ったの。昔から憧れで勉強も何もかも頑張ったのに…」


ノアに騎士服の良さを語り尽くす。優しく聞いてくれとても盛り上がる。1番尊いのは総団長だという語りも微笑みながら聞いてくれさらに大好きになる。


「初対面なのに大好き。どうしよう。」


私もリディが好きだよって頬を撫でてくれる。もう騙されててもいいや。メガネの奥にある綺麗な瞳に吸い込まれそう。


ーーーー


「…頭痛い。あぁ仕事行かないとって、ここ何処?!!」


どこかわからない場所のベッドで目を覚まし焦る。どこかの宿?え?何時?!まだ早朝か…とりあえず帰らないと!服着てない…横を見るとノアが寝ている。やっちまった。どうしよう。焦りながら散らばる服を拾い上げ洗面所に入る。落ち着けと思いながら服を着てとりあえず部屋を出る。


あんな素敵な人もう会えないかもしれない!でも…駄目だ!パニック過ぎる。また会えたらいいなと思いながら、痛む体を鼓舞し全力疾走で家へと逃げた。



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