信じられない
手を繋いだまま歩くと豪華な馬車が止まっていて、どうぞとエスコートされ乗せられる。総団長用の馬車らしく帰る時は使っていると。私乗っていいの?心配になるがもう手遅れか。
すぐ着くからと言われ、ふと外を見ると閑静な住宅街。私貴族名詳しくないんだよね。ノアの名字…クロフォードのはず。待って!待って待って!詳しく無い私でも知っている…筆頭公爵家じゃない?!
「ねぇ!ノア!」
ん?どうしたの?と聞いてくれるが、冷や汗が止まらない。
「…筆頭公爵家?」
「え?!知らなかったの?それは知ってると思ってた…。」
「私貴族全く詳しくないの!!ごめんなさい!無理無理無理!しがない伯爵家には無理だって!」
「いや…すでに私の両親には歓迎されてるけど。昨日話したけど喜んでたよ。」
「私の親が死ぬって!騎士服求めて働きに行った娘が、筆頭公爵家捕まえるなんて思ってもないはず!あ、そういえば殿下と昔からの友人って絶対高位貴族だわ…。」
そんなリディが好きだよって口付けされる。違うー!今から回避する方法を考えるが、どんどん進んでいく。
「あのね言いづらいのだけど…昨日の内にリディの両親に話がいってる。」
嘘でしょ…?絶対パニックになっているって!今行くべきは私の生家でノアの家じゃ無かった…。
「…もうノアが嫌いになりそう。」
なんで!?嫌だよ!って私の肩を掴み縋られる。とりあえず着いたから降りようって言われ降りる。豪華過ぎない?お茶でも飲んで落ち着こうって手を引いて連れて行ってくれる。シックな家具に落ち着いた色合いで素敵なお部屋に案内されソファーへと座る。
「昨日まで両親居たんだけど、今日から旅行に行ってるんだ。だからつい居る内にと思って…。本当にこっそり進めたらいけると思ってました。ごめん。」
「もう言ってない事ない?」
無いと思いますって言うけど、本当に?ジーッと見つめる。本当に無い!と私の足元に来て手を握られる。
「こんな私だけど一緒にいてください。」
「はぁぁ…仕方無いな。私の両親からは返信あったの?」
「ありがとう!リディ大好き!一生大事にするから。ご両親からはすぐ返信来て、娘をよろしくって。」
よろしくしてもらう他無いよね。筆頭公爵家だよ?明日にでも会いに行こう。
「もう帰ろうかな…。」
リディまだ帰らないで!こっち来て!とさらに豪華な部屋に案内され、クローゼットに入っていく。今までノアが着ていた騎士服が並んでいる。
「はぁぁぁ!!何これ!ノアの?!触ってもいいの??」
いくらでもどうぞって。手に取り気が済むまで触ってと何着も騎士服を出してくれる。いやぁぁぁ!!堪らない!遠くから見ていた憧れの制服の数々…ねぇノアと呼びかけると、ん?て聞いてくれる。
「着てほしいな。」
いくらでも着ます!って叶えてくれる。次々と着替えてくれ私は悶絶して死にそうになる。格好良すぎる。私の彼氏最高過ぎるでしょ。普段の白も似合うけど濃い色も良い。黒も良いな。
結婚式するならこれ着ることになるよって最上級の公式騎士服を見せてくれる。普段の白よりさらに凝った装飾と煌びやかな騎士服。
「公式な行事とか畏まった場所用だから、あまり着る機会ないんだよね。」
「結婚式する。」
え?本当?とノアが驚いている。公式服を片付け黒色の騎士服を身に纏ったノアが私の前に来て片膝をつき顔を伏せ、胸に手を当てる。
「私の命ある限り、あなたを生涯守り抜くことを誓います。結婚してください。」
ノアに抱きつきお願いしますと返事をする。騎士の誓いをされる未来があったなんて…涙が出る。泣く私を見て泣かないでと指で拭ってくれる。あぁ何度見ても格好良い。見つめる私に本当騎士服好きだねって笑ってくれる。騎士服への1番の理解者が夫になる人だとは全く思わなかった。
「騎士服だけじゃなくノアが好き。」
私も好きって口付けが降ってくる。ノアに抱きかかえられベッドに運ばれ降ろされる。いつもとは違う騎士服で色気が止まらないノアにいつも以上に翻弄され、もう無理と何度も伝えたが帰ることも許されず朝まで愛され続けた。朝起きるとノアはすでに着替えていて、ベッドの横に座り私のおでこに軽く口付けをする。
「休み申請しとくからゆっくり寝て。帰ってくるまで待っててね。」
体力おばけが普段と変わることなく仕事へと出て行った。毎日毎日何故あんなに元気なのか…体力の違いに絶望する。




