第三章二十話...五つ巴
どうも、最近ポエムにハマってる誘捕君です。おれ、速かったでしょ?
黄昏家のマヌケ会話
「何で誘捕、お前はハンバーグ多い奴を買って来なかった?」(次男)
「は?チーズが入ってるんだぞ!」(誘)
「エレンかよ!」(長男)
「え?エー犯かよ?」(誘)
「は?エー犯?」(次男)
「え?」(長男)
傍から見たらクソ馬鹿なんだよなぁ
現在時刻19時21分、旧博物館動物園駅。
白いファーが首周りに着いたロングコートを羽織り、能力を使って百足の団員を全員この場に転移する。
皆が時間を覚えていたらしく、動揺せずに状況を理解する。
「現状を聞かせろ」
「桜葵に逃げられた。言い訳、良いか?団長」
「勿論だ。何があった?理道」
「京都にいるはずの玄人と蒼焔が渋谷に現れやがって──」
恐らく、魔術協会の船に搭載されている転移魔法陣に釣られて移動した、コレが結論だろうが、ピーキーの能力者はジョーカーになりかねない。
殺す方法を考えなければな──、
俺が行ければ速いが、あの四人には勝てる見込みが少ないからなぁ。
無黒にこれ以上、無理をさせれば妖怪どもが騒がしい。時間が経てば死捕にやらせて、25分になれば妖怪を解き放つからそれで死んで貰えれば良いが。
「ならば理道は黒葉と共に花霞亭で戦っている無黒と雷を避け、俺が開発した転生陣に寄って囚人共と魔術協会を攻めろ」
「ん」
「OKー!」
「盗牙、墓峯、お前達は妖怪を率いて街を更に混沌に染めろ。黒上は地図に示した避難所全てを能力を使って、壊せ。黒矢はサポートに回れ」
「了解。自らの醜さを、教えてあげるよ」
「白音、紫音、蘆亡悪、好皆、死捕、黒死牙はこの地下駅で待機」
「負けないでね、団長」
「負けるかよ。俺たちは最凶の百足だ」
手を重ねる事で危険な快楽を、予めマーキングしていた人間に対して発動。
発動時に大きな落雷を起こす事に寄って化け物の位置を教え、人が怪物になる姿を見せる事で疑心暗鬼を起こさせる。
敵対視され、産まれた時から律儀に解り易く敵とされた異能者と、味方側だった非異能者の境界線は破綻、コーヒーとミルクが混じり合う様に、人間と怪物の境界線が崩壊する事に寄って混濁する敵と味方。
一波と二波に寄って疑心暗鬼は更に加速、混沌の世界が人類の終わりを告げ、恐怖の対処であった次の世代である異能者が呪いから解放される。
妖怪でもなく、神でも、悪魔でもない。呪われた子供達は、ようやく人間になれる一歩を踏み出した。
「お待たせしたね。先ずは、紅茶でも入れようか?」
19時26分、北海道にある学園都市には五人しかおらず、残りの人間は日本全国に転送され、異能者が差別される異世界に迷い混んだ様だろう。
十二对の翼を羽ばたかせ、ビルの浮く上に舞い降りる堕天使、百足団長昏亥。
この場には鬼城戦旗最高戦力の灰色の根絶者・未知除排離、革命軍総司令官、革撹魌外臧、封印から解放された神衣家初代当主の神衣祭宮、魔術界の切り札であり、原神と進行される狼嚢院院鐚嚵。
計五名は五つの勢力の最高戦力である。彼らに一つ、共通点があるとすれば彼ら全員が《《原初》》の何かを保有することである。
「ありゃあ天使か?いささか儂が知る堕天使とは、羽が倍ある気がするがのぉ」
彼岸花が刺繍された女性物の羽織を羽織り、腰に吊るした二本の刀の一本を引き抜き、昏亥に向ける祭宮。
彼は子孫繁栄のため、子孫に危険が及ぶ世界危機が起きた場合に封印が解かれ、危険分子を殲滅する兵器。
「理解不能だ?俺たちの位置を完全に予測しなければ、転移陣は機能しない」
片目のレンズが取れた眼鏡を取り、眼鏡吹きで汚れを取り冷静に現状把握に務める外臧は銀髪のニーソックスを履く、女性物の着物を着込んだ外見は女性的見た目の鐚嚵が脚に吊るす、紅白縄に付けられた本坪鈴をボンヤリ眺める。
「なんだい?気になるのか?」
「お前、男か?」
「元、男だ。生まれた日に、無くしてしまって、性別はない」
「さぞやこんな土地に招待したんだ。......お前ら、弱ければ存在事、この場で消すぞ?」
「「!!?」」
軍服に身を包む排離が立ち上がり、人差し指の骨を鳴らすと同時に皆の瞳孔が開き、背筋が凍る。
未知除排離、正体不明の存在であり、鬼城戦旗最強の第一戦旗の迅とは比べ物にならないほど、彼の実力は強い。
──先ずは、程度を知るかの!
祭宮は自身の腰に吊るされた二本の名刀、祭廻岌陽と夜典祭廻を引き抜き、自身の霊力を込める。
すると二本の刀身は変化し、大太刀と長巻に変化を遂げ、クルクルと二本の刀を準備運動に振り回すとビルに切れ込みが入り──、
次の瞬間、轟音と共にビルは崩れ落ちた。
その攻撃をニヤリと見詰め、外臧の周囲に白い球体を顕現する。
白い球体は稲妻を纏い、稲妻が弾けるとライフラインとして活用されていた電気が白の球体を中心とし、巨大な稲妻の玉を構築して白の球体に集約する。
皆の準備が整ったと判断した瞬間から、この三つ巴ならぬ五つ巴は開始され、突発的に身体を動かしたのは──、
バンッ!!
一蹴りで団地の一部が弾け飛び、視界を瓦礫に集中すると呼んだ祭宮は長巻を振るおうとした時、その光景を見て、笑みが零れた。
宙に飛ぶ瓦礫を踏み台に宙を駆ける鐚嚵に、その場の皆が高揚する。
「見事!」
心から出る賞賛に答える様に、紅白縄に吊られた本坪鈴が蹴りに吊られて動き、長巻を瞬く間に振るい、ソレに続き大太刀を振るって霊力が込められた攻撃に対して起こる、軌道に霊子が残り、二秒間だけその場に漂う。
──その現象を、"霊子殘影"。
漂っている間の霊子は硬質化してしている為、霊力がある者が溢れる平安の世では防御技として主流であり、小技としての活用が多かった。
だが祭宮の底なしの霊力量の場合は鉄壁の壁と化す。
「"樂冠ノ咳梦"」
爆風の中を跳躍し、大太刀を一振すると一つの斬撃が砕け散り、小さな斬撃へと代わって土煙に囲まれる団地を細切れする。
──アンナのに蹴られたらひとたまりもないの、しゃねぇなぁ!
祭宮が呟くと斬撃は固定され、一つの結界を構築する。
「由来詩異音刃牢、容易く儂の結界を敗れると思うな」
「こうか?」
その場の皆が評価する結界術──、
次の瞬間には砕かれ、何事も無かったかの様に跳ねる鐚嚵に向かい、祭宮はコンクリートの地面を蹴った。
怪力と、それをさせる霊力と魔力強化を、祭宮は高く評価した。
加速する度に地面を蹴る威力の余波に寄り、コンクリートの地面がビスケットの様に砕け散る。
亜音速から振り下ろされる長巻を難なく飛び退いて避け、カウンターと言わんと振るわれる紅白縄に付けられた本坪鈴を祭宮も容易く弾く。
「翼で成す上天!」
片手で自分の身体を支え、クルクルと回転しつつ、蹴りと何度も強力な一撃を放つ本坪鈴で祭宮を一歩を引かせ、それを好機と読み一撃を与えるチャンスと見た鐚嚵は体制を戻し、足が地面に触れると同時に地面を蹴り、腰に吊るした刀を振るう。
剣術では鐚嚵を上回るのか、祭宮がいなし、一歩を踏み出し二本の刀を首に振るった。
鐚嚵は驚き、体制を崩したおかげで首を切断する事を避けた。
「危ないな──、死ぬとこだよ」
「しもうた、殺すつもり何じゃが、胴と首が離れておらんわ──」
「そろそろ、俺も混ぜて貰おうかな。団長さんはどうだ?」
「彼奴らも体が温まってきた所だろ」
「なら、おれも、久々に動くか」
三人も地上に降り立ち、昏亥がコートから三日月型の刀身、大鎌を取り出し肩に乗せる。
球体の稲妻が指に纏まり付くかの様に漂い、稲妻の爪を形作る。
昏亥と外臧が地面を蹴った衝撃で地面が隆起し、排離に攻撃を繰り出すが二人の攻撃は浮遊する赤黒い円のエネルギーに寄って防がれ、リングを掴んで二人のコートを切り裂く。
「なっ!」
「俺の攻撃が、予想以上だな」
「生きてる桁が違ってな!」
リングから現れる太陽に二人は唖然とし、昏亥に向かって巨大な太陽を投げ付ける。太陽は建物や地面を飲み込みながら進み、膨れ上がる。
昏亥は手元に本を瞬間移動させ、一文を読み上げ太陽に触れると対処は火花となって消滅する。
「自由意志がなければ、面倒な」
「お前の羽根、操る事に長けているが、物体を消滅させるのには不向きか」
「得意じゃないだけだ」
「外臧と言ったか?黎徒がいたはず、どうした?」
「片腕吹っ飛ばしたらどっか行った。死ぬと思うぞ」
「そうか。死ね!」
蒼焔
この蒼い大空を、茶色に塗り潰したくないだけなのに、窓から強要の声がする。




